こんにちは、あなぶきセザールサポートの久米です。
以前、貸借対照表の勘定科目についてご紹介しました。貸借対照表はマンションの管理組合の資産状況を示す大切なものです。今回は月次収支報告書に添付されている貸借対照表の重要な3つの科目について、それぞれ注意するチェックポイントをお話しします。
- 普通預金のポイント
- 未収入金のポイント
- 未払金のポイント
- まとめ
普通預金のポイント
普通預金(定期預金等も含む)は貸借対照表の中でも最も重要は勘定科目と言えます。
月次収支報告書の貸借対照表にはその月の預金残高が記載されていますが、その残高を証明するための通帳の写しなどは添付されているでしょうか?発行手数料がかかるため、毎月預金残高証明書を取得して添付する必要はありませんが、管理会社が保管している通帳の当月分の入出金、残高の写しは証明として添付してもらうようにしましょう。
未収入金のポイント
未収入金は、区分所有者の管理費等の滞納額の事です。
もちろん滞納者がいないことが望ましいですが、引落日にうっかり残高を用意しておくのを忘れ引き落としがかからなかった、引落口座を変更した際に銀行の届出印を間違えてしまい引き落としがかからなかった、などとということも考えられます。その場合は後日銀行振込などで対応してもらえるため、ほとんどの場合滞納はすぐに解消されます。
ただし同じ区分所有者の滞納金額が毎月増えていくようであれば要注意です。月次収支報告書に未収入金の内訳や滞納者の一覧は添付されているでしょうか?管理会社も滞納者への督促状の送付や電話督促などの対応はしていますが、前月の滞納者一覧と比較し早期に対策を練る必要があるでしょう。
未払金のポイント
決算時に工事等が終わっているのに支払いが終わっていないものは未払金として計上されます。
電気料金や水道料金などの公共料金であれば翌月、遅くても翌々月には預金口座から引き落としされます。工事代等についても通常は決算後1ヶ月~2ヶ月程度で支払いが完了します。未払金がいつまでも残っているようであれば確認が必要ですね。
未払金が残ってしまっている原因としては請求書や工事完了報告書などの必要書類が業者から届いていない、支払いに必要な銀行書類が揃っていない…、など色々なことが考えられます。支払いの進捗について管理会社に確認してみましょう。
まとめ
今回は貸借対照表の重要な3つの科目について、それぞれ注意するチェックポイントをお話ししました。
資産科目である『普通預金』と『未収入金』は特に重要な勘定科目と言えるでしょう。毎月の貸借対照表をきちんと確認することで、『実は管理会社に資金を着服されていた』『長期滞納者へ訴訟を起こすことになった』などの大きな問題を事前に防げるかもしれません。
久米 則子
新卒で入社してから経理一筋。ホテル業の経理、マンション販売の経理、マンション管理業の企業会計とさまざまな業種の経理業務に携わってきました。現在はマンション管理組合の会計業務に従事し、スピードと正確性を重視し、忙しい時こそ笑顔で!をモットーに仕事に取り組んでいます。管理業務主任者を取得し、資格を活かした会計業務のお役立ち情報をお届けしたいと思います。
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