マンション標準管理委託契約書|専有部分等の立ち入りについて

島村三枝子 島村三枝子

こんにちは、あなぶきセザールサポートの島村です。マンション標準管理委託契約書の9回目です。今回は「専有部分等の立入り」について契約内容を確認してみます。

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目次

  • 専有部分等の立入りについて 

専有部分等の立入りについて

まず最初に今更ですが、「専有部分」とはなにかをおさらいしてみましょう。「共用部分」を除く部分となるわけですが、個人がそれぞれ所有する部分ですね。また、「等」がついていることから、バルコニー等特定の所有者が個人で使用する権利を有している部分も共用部分の専用使用として、「専有部分等」に該当します。個人の所有物又は専用使用部分なのだから、当然にして他人が勝手に立入ることは不法侵入となり、この条項は不要なのではと思う方もいらっしゃるでしょう。ただ、マンションという特性上、専有部分等へ立入りしなければならない事情もあることを踏まえて、この条項が成り立っています。

では、実際に第十三条の専有部分等の立入りについて確認してみましょう。

 

第十三条は以下のとおりです。

(専有部分等への立入り)

第十三条 管理会社は、管理事務を行うため必要があるときは、管理組合の組合員等に対して、その専有部分又は専用使用部分(以下「専有部分等」という。)への立入りを請求することができる。

2 前項の場合において、管理会社は、管理組合の組合員等がその専有部分等への立入りを拒否したときは、その旨を管理組合に通知しなければならない。

3 第一項の規定にかかわらず、管理会社は、第八条第一項各号に掲げる災害又は事故等の事由により、管理組合のために緊急に行う必要がある場合、専有部分等に立ち入ることができる。この場合において、管理会社は、管理組合及び管理会社が立ち入った専有部分等に係る組合員等に対し、事後速やかに、報告をしなければならない。

 

専有部分等に立入りを請求できる例を3つ挙げてみましょう。

①消防設備点検

消防設備点検では、避難はしごや感知器などの設備が正常に作動するかを点検します。室内に設置されている感知器は、管理室に設置されている受信機との連動を確認する必要があります。よって、室内に設置されていても、感知器は共用部分と一体として管理組合が保守しなければなりません。万一、感知器が作動不良を起こしていて火災が発生したらと考えると恐ろしいですね。

②排水管清掃

排水管清掃の目的は、排水の詰まりを除去して異臭や排水の逆流、漏水事故の発生等を防止することです。特に共同住宅であるマンションでは、毎年毎年、清掃を拒否し続けた場合、下階の居住者も安心して生活することができません。

③漏水事故の原因調査

例えば、天井から漏水が発生しているのに、上階の居住者が非協力的で室内を確認させてくれないなんてことが長期にわたり続いたら、どうなるでしょう。原因はいつまでも不明のままで漏水も止水できない状態が続きます。こうなれば、被害も拡大し、最終的には生活もできなくなってしまうかもしれません。うちは関係ないと断固として拒否しても、やはり上階を確認しなければ、原因が共用部分か専有部分であるのかもはっきりしないままでは補修もできません。

 

ここで標準管理規約第21条第2項について、明記しておきます。「専有部分である設備のうち、共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる」と規定しています。①~③は全てこれに該当する内容です。

 

第三項では、「立入りを請求できる」から「立ち入ることができる」となっていますね。これは、災害や事故等の緊急時の場合は、管理組合の承諾を得られるのを待っていては人命にも関わり手遅れになる可能性が極めて高くなることから、「立ち入ることができる」としています。例えば、火災が発生した場合に管理組合や所有者の承諾を待っていたら、人命救助も遅れ、建物への損傷被害も拡大してしまいます。ただし、勝手に立ち入ったのであるから、事後報告をきちんとしなければならないという決まりがあるわけです。

 

このようにして、マンションは共用部分と専有部分が密接に関わりあって、共同生活を送っているため、「専有部分等への立入り」についても、ルールを明確化し快適な生活を過ごせるよう、マンション管理会社に管理を委託する必要があるのです。

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島村三枝子

島村三枝子

あなぶきハウジングサービス 不動産事業部:島村 三枝子(しまむら みえこ)
短期大学卒業後、土木建設会社に入社し一般事務職として9年間勤務した後、2008年に入社し、分譲マンションの管理を9年間担当。現在は部屋ナビ事業部で賃貸仲介課に所属。
女性ならではの視点でお客様により良い提案をし続けます。
保有資格:管理業務主任者・宅地建物取引士
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