おはようございます。
あなぶきセザールサポート保険担当の後藤です。
今回は現在賃貸住宅にお住まいの方や今後一人暮らしで賃貸住宅をご検討の方に見ていただきたい賃貸住宅の火災保険について紹介します。
内容をしっかりと把握し、必要な補償だけを付保することにより火災保険料の節約につながるかもしれませんよ。
目次
- 賃貸住宅の火災保険とは
- なぜ、火災保険に加入しないといけないの?
- 保険料を安く抑えるポイント
- まとめ
賃貸住宅の火災保険とは
賃貸住宅を契約する際に不動産会社またはオーナー様(大家さん)から必ずと言っていいほど加入を求められる火災保険ですが、あなたはその火災保険の内容や保険料についてしっかりと内容を確認して契約しているでしょうか?
おそらく多くの方は「まぁこんなものか...」と不動産会社またはオーナー様(大家さん)の言われるとおりに契約しているのではないでしょうか。
まず、賃貸住宅の火災保険の構成について紹介します。賃貸住宅の火災保険とは大きく分けて3つの補償から構成されています。
家財補償
家財とは、あなたが所有しているお部屋内にあるテーブルやタンスなどの家具、テレビやパソコン、冷蔵庫や洗濯機などの家電製品です。
その家財に火災などの被害が発生した場合に補償となります。火災以外にも泥棒による盗難にあってしまった場合にも補償の対象となります。
借家人賠償責任補償
賃貸住宅の場合はお部屋の所有者はオーナー様(大家さん)です。あなたはそのお部屋を借りて住むこととなります。賃貸契約時に取り交わす賃貸借契約書には、賃借人の原状回復義務について明記されていると思います。これは、万が一火災になった場合でもそのお部屋を元どおりにしてオーナー様にお返しするというものです。
賃貸住宅の火災保険はあなたのためだけではなく、オーナー様(大家さん)のためにも加入する保険だということを知っておいてください。
個人賠償責任補償
日常生活において他人に損害を与えてしまい、損害賠償責任を被ることとなてしまった場合に補償される保険です。
マンションのような集合住宅の場合に多いのは水漏れを発生させてしまい、階下のお部屋に損害を与えてしまった場合などに補償されます。(その他の補償内容については『さまざまな場面で活躍する「個人賠償責任保険」とは』をご覧ください。)
なぜ、火災保険に加入しないといけないの?
「自分は絶対に火事を出さないから、火災保険なんて入らなくてもいいんじゃないの?」と思われている方もいるのではないでしょうか?
火事は、たとえあなたが火事の原因とならなくても隣の住戸や近隣の住宅からの“もらい火”があるかもしれません。
今の日本の法律では「失火責任法」という法律があり、火事を出してしまった人に重大な過失がなければ火事を出してしまった人は被害者に対して損害賠償をしなくても良いこととなっています。(詳しくは『知っておきたい火災保険に関する基礎知識「失火責任法」とは』をご覧ください。)“自分の身は自分で守る”ために火災保険に加入するのです。
保険料を安く抑えるポイント
賃貸住宅の火災保険には現在の居住状況と照らし合わせたときに必要ではない補償や保険金の設定額が多すぎることがよくあります。
補償が多いことは安心できるという意味では良いのでしょうが、必要ではないところは極力抑えたいと考える方が多いと思います。
そこで、現在加入している火災保険またはこれから加入しようとしている火災保険の内容で保険料を抑えることができるポイントを紹介します。
水災補償
【洪水】
台風や暴風雨、豪雨などにより発生した洪水や雪解けによる洪水、そして近年多数発生しているゲリラ豪雨によりマンホールなどから水があふれて起こる都市型洪水などが対象となります。
【高潮】
沿岸部の住宅などでは台風や強風による高潮による被害が対象となります。
【土砂崩れ】
集中豪雨による土砂崩れも水害となります。地滑り、がけ崩れ、土石流による被害が補償の対象となります。居住する住宅の裏に山がある場合などは注意が必要です。
これらの災害が発生したうえで更に「保険の対象である建物・家財がそれぞれの評価額の30%以上の損害を受けた場合」「床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水により保険の対象である建物・家財が損害を受けた場合」が補償の対象となります。
上記の災害が発生することを想定した場合には居住するお部屋が1階の場合には水災補償を付保する必要がありますが、2階以上のお部屋を借りる場合には上記の災害が発生した場合でも補償対象となるまでの被害に至らないことが多くあります。
水災補償の保険料は被害が広範囲に及ぶことが想定されるため高く設定されています。そのため水災補償を付保しないことにより保険料を抑えることが可能となります。
しかし、居住する建物の立地状況により異なるため、水災補償を付保するか否かについてはお住まいの自治体が発行しているハザードマップを確認してから判断してください。
借家人賠償責任補償
賃貸住宅火災保険で借家人賠償責任補償の設定金額は2,000万円と設定されていることが多くあります。
先ほどお部屋を借りる人は賃貸借契約で原状回復義務を負うこととなっていると説明しましたが、それでも1,000万円の補償があれば十分ではないかと思います。オーナー様(大家さん)も自分の所有するお部屋に対して火災保険をかけていることがほとんどですので設定額を1,000万円とすることをお奨めします。
家財設定金額
家財の設定金額の一般的な設定額は以下の表のとおりです。
しかし、単身世帯の場合家財が300万円もある場合方は少ないと思いますので、設定額は100万円~300万円の幅での設定をしている方も少なくありません。
また、2名以上の場合でも同様に300万円~600万円の幅での設定をしているケースがあります。
以上のように家財保険金額の設定額を実際の家財と照らし合わせることにより適切な設定金額にして保険料を抑えることができます。
まとめ
賃貸の火災保険は2年間で2万円前後の保険料であることが多いです。
上記の安く抑えるポイントで該当する項目について内容の変更をしてみてはいかがでしょうか。
過去に見直しを行った際に現行保険料の約4分の1まで保険料を抑えることができた例もありますので、ぜひ一度現在加入している火災保険の内容を確認してみてください。
賃貸契約の次回更新時にはこの記事を思い出していただければ幸いです。
後藤隆史
北海道出身。管理組合様用火災保険の提案や管理委託契約書の作成、各種設備点検の発注業務を行っています。
フロント担当者の経験を生かし管理組合様の費用負担軽減ができるような火災保険の更新提案や各種設備点検項目の見直しなどを目指しています。少林寺拳法有段者(小学校2年生からやっていました)。火災保険や点検項目の見直しの際にはぜひとも御用命ください!
保有資格:管理業務主任者・宅地建物取引士
最新記事 by 後藤隆史 (すべて見る)
- 保険事故申請していますか?マンションの「窓ガラス熱割れ」について - 2021年11月28日
- マンションの植木が強風により倒れてしまった場合の保険対応について - 2020年9月1日
- 火災保険を契約する際に必要な資格損害保険募集人資格について - 2019年7月26日