マンション業界の現況と今後の課題

梅本真輔

どうも、新人ブロガーの梅本です。
今回が人生で2回目のブログ配信となります。

突然ですが、皆様は「戸建て派」or「マンション派」どちらですか。
昔からよく見かける論争ですが、それぞれにメリット・デメリットがあるので、どちらを選択すべきか決めかねている方も多いのではないでしょうか。
最近では、新型コロナウイルスの影響によって在宅勤務が普及し、集合住宅では騒音が気になるなどの理由から戸建てのニーズが増加傾向にあるようです。
そのような中でも、マンションは戸建てよりもコストが安くて好立地、セキュリティ面・災害時にも安心というメリットがあり、コスパ重視の私は断然マンション派です。

本日は私のようなマンション派の方に向けて、今後のマンション業界の動向に関してお話しいたします。

まずは、国土交通省が公表しているマンションに関する統計やデータをもとに、昨今のマンション業界の現況や問題点・課題についてご確認ください。

マンション業界の現況

全国にある分譲マンションのストック戸数について、日本では1950年代頃から分譲マンションの供給がおこなわれてきましたが、国交省が公表している最新のデータによると2021年末時点で685.9万戸になります。
これは国勢調査による1世帯当たりの平均人員が「2.21人」ということから推計すると、国民の1割超がマンションに居住していることになります。

また、国土交通省のマンション総合調査(平成30年度)によると、「マンションの永住意識」は過去最高の62.8%という結果となり、マンション居住者の永住意識は年々高まっていることから、今後もマンションの需要は高まっていくことが予想されます。

しかしながら、2021年末のデータでは築年数が40年以上のマンションが115.6万戸に上り、全体の1割以上を占める結果となりました。
さらに、20年後には築年数が40年以上のマンションは425.4万戸になることが見込まれているため、今後は高経年化にともない、多くのマンションで様々な問題が発生する可能性があります。

出典:国土交通省(築後30、40、50年以上の分譲マンション数)

 

問題点|ハード面

まず、ハード面で考えられることとしては、外壁の劣化、鉄筋の露出、給排水管の老朽化など建物や設備の物理的な劣化が発生します。
すでに全国では適切な管理・修繕がおこなわれず、外壁が剥落するなどの事故で居住者・近隣住民等の生命・身体に危険が生じる可能性のあるマンションも確認されているため、マンションに永住するには建物の適切な維持管理が重要になってきます。

 

長期修繕計画の必要性

当然ながら維持管理にはお金がかかりますが、皆様のマンションでは修繕積立金は計画的に積み立てられていますでしょうか。
修繕積立金とは大規模修繕工事や設備の更新など共用部分の計画修繕をおこなうために貯蓄しておくお金です。
築年数とともに建物や設備が劣化すると外壁や屋上防水の補修、給排水管設備の交換、エレベーターの改修などが必要になります。
これらの改修には多額の費用が必要となるため、毎月積み立てながら来るべき時期に備えましょう。
一般的には築年数の経過とともに必要な修繕費も上がる傾向にあるため、将来、必要となる修繕費用をきちんと計算して長期修繕計画を作成することが重要です。
国土交通省の調査によると、築年数が古くなるとともに長期修繕計画を策定しているマンションの割合は低下するというデータもあり、最近では人件費や材料費も高騰しているので、定期的な計画の見直しを忘れずおこないましょう。

 

問題点|ソフト面

ソフト面では、建物の築年数とともに区分所有者の高齢化、非居住化(賃貸・空き家住戸化or空き家化)、管理費等の滞納者増加、さらには連絡先不通・所在不明者の発生する割合も高くなるようです。
特に、区分所有者の高齢化や非居住化が原因となり、役員のなり手不足など組合運営に支障をきたし、正常なマンション管理が実施できないという問題で頭を抱えているマンションも多いようです。

 

役員のなり手不足の解決策

役員のなり手不足の解決策として、役員の資格要件の制限を緩和するというやり方があります。
多くの管理組合では役員の資格として「区分所有者であること」と「マンションに居住していること」の2つが要件になっていますが、これらの要件を撤廃することで居住する組合員の家族であったり外部オーナーも役員として専任することができるようになります。
また、その他にも役員に報酬を支払う制度を導入する方法や役員を区分所有者以外の外部(第三者)に委託するという方法もあります。
いずれも管理規約の改訂が必要となりますが、役員のなり不足でお困りの管理組合様は検討を進めてみてはいかがでしょうか?

 

管理会社の存在意義

このようにマンションの永住意識が年々高まっているなか、マンションでは築年数の経過とともに多くの課題がみられます。
築年数が経っても居住者が安心・安全・快適に暮らせるような環境を保つためには、適切な管理が必要不可欠です。
マンション管理というのは非常に多岐にわたる内容を含んでおり複雑なため、専門知識のない居住者だけでは組合運営をおこなうことが難しく、組合員の負担も非常に大きくなります。
居住者の高齢化にともない自主管理を継続することが困難になった管理組合も多く、現在では9割以上のマンションが管理会社へ管理を委託している状況です。

今後も全国的にマンションの高経年化はさらに進み、いずれ維持管理の限界を迎えたマンションでは建て替えあるいは取り壊しをおこなうことになります。

来るときに向けて、管理会社の適切な管理、管理組合と管理会社の連携、居住者間のコミュニケーションが今まで以上に重要になるのではないかと思います。

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梅本真輔

あなぶきハウジングサービス 開発事業本部 東日本事業部
梅本 真輔(うめもと しんすけ)

兵庫県出身
2022年入社(2014年から2021年まで同社に在籍、一度退職し2022年に復帰)
入社以来、分譲マンションの管理会社変更をご提案する営業を担当。
2021年まで近畿エリアで活動、2022年5月から関東エリアに異動。
慣れない土地で不安もありながら、様々な人との出会いを大切に日々仕事をしています。
保有資格:管理業務主任者、宅地建物取引士、第一種衛生管理者
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