マンションにおけるトラブル事例と対処法

梅本真輔

マンションと一戸建てを比較したときに、マンションは共同住宅という性質上、ご近所トラブルの発生するリスクが高いということが、デメリットの一つとしてあげられるのではないでしょうか。
今回はご近所トラブルでお困りになられている方に向けて、マンションにおけるトラブル事例や対処法をご紹介していきたいと思います。

漏水トラブル

漏水トラブルと一言で言っても、マンションは共同住宅という性質上、住民の過失による人為的なものから、配管(給水管・給湯管・排水管)や建物(屋上防水・外壁等)の老朽化によるものなど発生する原因は様々です。
そのため、マンションで漏水トラブルが発生すると、まずは漏水の原因がどこにあるのかを調査する必要があります。
築年数の経過とともに、給水管や給湯管等の劣化が原因で増加する傾向にあります。
なお、築年数が20年を超えるマンションで発生する漏水事故として、最も多い原因は給湯管の経年劣化によるものです。
※給湯管に使われている銅管には「潰食(かいしょく)」という現象が発生し、配管内に小さな穴(ピンホール)ができることで漏水が発生します。(2000年以前に建てられたマンションでは「銅管」が使用されていることが多いですが、現在はほとんどのマンションで樹脂製の「架橋ポリエチレン管」や「ポリブデン管」が使用されており、耐用年数は30年~40年と言われています)

漏水トラブルは、住民にとって心理的な負担も大きいため、給湯管は専有部分に分類されますが、更新を各区分所有者の判断にゆだねるのではなく、管理組合の負担で一斉交換工事を実施するのも一つの方法です。
なお、住戸内の蛇口を全て締めた状態でも水道メーターが動いているときは、漏水の恐れがあるため早急に管理会社へご相談ください。
また、屋上防水・外壁等も紫外線や雨風に長年さらされることで劣化が進行するため、管理組合で作成している長期修繕計画をもとに計画的に修繕を実施しましょう。

騒音トラブル

国交省による平成30年度マンション総合調査結果によると、居住者間のマナーをめぐるトラブルの具体的内容として最も多かったのが「生活音」です。
マンションには様々な家族構成、年齢、生活習慣の人が同じ建物で生活しており、音の聞こえ方や感じ方は時間帯や生活習慣の違いによって人それぞれ異なります。
人が生活するなかで発生する生活音には様々な種類があり、どの音を不快に感じるかというのは個人差が大きいうえに、生活音を規制する明確な基準値も無いことから、解決することが難しい問題の一つと言われています。

「騒音トラブルに悩まされたら管理組合や管理会社に相談する」という方が多いと思いますが、このような個人間の紛争というのは当事者同士の問題となるため、原則、管理組合も管理会社も関与することはできません。(戸建てでのご近所トラブルに置き換えて考えていただくとわかりやすいかと思います)
もちろん、管理会社から住民全員に向けて注意喚起(マンション掲示板へ掲示文書を掲示)をおこなうことは可能です。
注意喚起をおこなう場合は、具体的な騒音の種類(ペットの鳴き声、子供が走り回るような足音、楽器を演奏する音など)を明記することによって、「自分のことかもしれない」と自覚してもらうことができ騒音が収まるケースもあります。
また、相当範囲の区分所有者の生活利益に影響するほどの騒音と判断できる場合においては「共同の利益に反する行為(区分所有法6条1項)」として、管理組合からも「共同の利益に反する行為の停止等の請求(区分所有法57条)」をおこなうことができます。

先ほどもお伝えしたように、騒音トラブルはデリケートな問題で、当事者同士で話し合っても解決できないことが多いため、まずは自分が加害者にならないよう日頃から生活音に気を付けることが大事です。
特に小さな子供のいるご家庭では下階への足音が気になると思いますが、絨毯やカーペット等を引くことによって足音を軽減することができます。
さらに、普段のテレビやオーディオの音量にも配慮し、楽器を演奏したり洗濯機や掃除機を使用する時間帯には十分に注意しましょう。

ペット飼育によるトラブル

ペット飼育のマナーに関しても、以前からトラブルになっているマンションが多いです。
具体的な内容としては、「鳴き声や足音がうるさい」「臭いがきつい」「共用廊下でペットが尿をしている」「こっそり飼育している人がいる」などが挙げられます。

20年以上前に分譲された多くのマンションではペットの飼育が禁止されていましたが、最近ではほとんどのマンションでペット飼育可が標準仕様となっています。
ペット飼育が認められているマンションであっても、ルールが守られないと他の住民に迷惑がかかってしまうため、飼い主のモラルやしつけがとても重要です。

そもそも、ペット飼育の可否に関して、規約や細則に定められていないという管理組合も存在するようですが、標準管理規約の第18条関係のコメントでは「犬、猫等のペットの飼育に関しては、それを認める、認めない等の規定は規約で定めるべき事項である。基本的な事項を規約で定め、手続き等の細部の規定を使用細則等に委ねることは可能である。」と記載されています。
マンションには犬が怖いという方や猫アレルギーの方など様々な住民が暮らしているため、ペットを飼育しない方に配慮して、ルールを定める必要があります。

ペットの飼育に関するトラブルは、騒音トラブルと同様、解決することが難しい問題の一つとなりますが、飼育者に「ルール順守の誓約書」を提出してもらうなど、マンションの実情に応じて、細かくルールを定めることによって、飼い主のモラル低下を抑制することに繋がるのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしょうか。
今回は特に発生する割合が高いトラブル事例を3つご紹介させていただきましたが、その他にも「違法駐車・違法駐輪」「バルコニーでの喫煙」「共用部分への私物の放置」「ゴミ出しマナー」など、マンションの構造や築年数、立地等によって、発生するトラブルの内容も様々です。
一戸建てと比べて、マンションは隣近所との距離が近いため、マンションの良好な環境維持には、住民一人ひとりがルールを守って生活し、他の住民へ迷惑をかけないよう配慮する気持ちが大切です。

The following two tabs change content below.

梅本真輔

あなぶきハウジングサービス 開発事業本部 東日本事業部
梅本 真輔(うめもと しんすけ)

兵庫県出身
2022年入社(2014年から2021年まで同社に在籍、一度退職し2022年に復帰)
入社以来、分譲マンションの管理会社変更をご提案する営業を担当。
2021年まで近畿エリアで活動、2022年5月から関東エリアに異動。
慣れない土地で不安もありながら、様々な人との出会いを大切に日々仕事をしています。
保有資格:管理業務主任者、宅地建物取引士、第一種衛生管理者
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ

最近書いた記事

関連の記事

  • facebook
  • feedly
  • rss
backtotop