こんにちは福田です。
熊本地震で被災された方々、そしてお亡くなりになられた方々へ、心よりお悔やみを申し上げます。
今なお余震の続く日々の中での生活は、想像を絶するものがあると思います。一日も早く地震がおさまるのを待ち望みます。
目次
- 建物の安全性について
- 地震被害のマンション事例
- まとめ
建物の安全性について
今回の熊本地震において、各報道によりますと、古い木造家屋の倒壊が目立ちます。
ほとんどが屋根瓦の重たい屋根で、1階部分が押しつぶされている状況が見受けられます。
昭和56年以前の古い建物は、いわゆる新耐震基準に適合していないために、倒壊をまぬかれなかったようです。
各自治体では古い建物の耐震改修費用の補助を行い、広く窓口を開いてはいますが、実際はすべての建物が安全と言えないのが現実です。
自治体ですら、学校・駅・公共住宅などの耐震改修を優先したため、実際に地震発生した場合の対策本部となるべき建物の耐震改修がなされていないという事実もあるそうです。
また、倒壊を免れた建物でも、災害発生時には市町村の担当者及び建築士によるボランティアで各地震の被害状況を見て回り、家屋の建物応急危険度判定を行い、特に「赤紙」が貼ってある建物には出入りができなくなりまたは使用できなくなります。
応急危険度判定とは?
応急危険度判定は、大地震により被災した建築物を調査し、その後に発生する余震などによる倒壊の危険性や外壁・窓ガラスの落下、付属設備の転倒などの危険性を判定することにより、人命にかかわる二次的災害を防止することを目的としています。
その判定結果は、建築物の見やすい場所に表示され、居住者はもとより付近を通行する歩行者などに対してもその建築物の危険性について情報提供することとしています。
また、これらの判定は建築の専門家が個々の建築物を直接見て回るため、被災建築物に対する不安を抱いている被災者の精神的安定にもつながるといわれています。
(「応急危険度判定協議会」のホームページより)
地震被害のマンション事例
地震国日本で安全に生活することはできないのでしょうか?
ここに地震によるマンション被害の実例があります。
今回の地震で1階が押しつぶされたマンションが報道されています。
1階部分がピロティー形式になっていたために完全に崩壊しています。この鉄筋コンクリートのマンションは1981年以前の建物かどうかは不明ですが新耐震の基準で設計された建物でもピロティー形式は大地震の際は不利な構造なのです。
マンションの用途上いたしたかないことかもしれませんが、1階がピロティー形式(マンションの1階部分が柱だけで構成されていて壁がほとんどない状況で良く駐車場の用途として利用されている。)のマンションにお住まいの場合は、簡易診断でもよろしいので是非「耐震診断」をお受けされることを推奨いたします。
診断の結果で、少しでも崩壊の可能性があれば耐震改修をお勧めします。
日本の建築基準法の耐震に対する考え方は「震度7の地震で人が生存できる空間が確保できること」なので部分崩壊は想定内なのです。
また、地震の震源地に近いところ、地震波の来る方向などで被害が大きくなる可能性があります。
まとめ
住宅・マンションは人々の生活に絶対欠かせないものです。生命を守るために安全な空間を確保すること、当社ができることには限りがありますが皆さんのすこしでもお役に立つことがあればサポートさせていただきたいと思います。
被災された方々の1日も早い回復をお祈りいたします。
福田 純行
前職の設計事務所時代に手掛けた設計・監理物件は北海道は北見市から南は長崎の佐世保市まで。今となってはとても懐かしい。現在は主にマンションの大規模修繕工事に関するコンサルティング(大規模修繕工事の改修設計・長期修繕計画(案)の作成等)を担当。人が住むマンションのストーリーを一つずつ守るのが役目です。
目指せ、「チェンジ・ザ・ワールド」・E.クリプトン・・・・グルーブな仕事を
皆さんのために。
有資格:一級建築士
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