マンション管理組合│修繕積立金の使い道と適切な保管方法とは?

久米 則子

こんにちは。あなぶきセザールサポートの久米です。 今回は区分所有者の皆様が毎月管理組合に納入している修繕積立金の使い道と適切な保管方法についてご紹介いたします。

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※2016年3月4日に公開した記事を2017年5月14日に修正して再度公開しています。

目次

  • 修繕積立金って、どんなことに使われているの?
  • 修繕積立金の保管方法について
    1.決済性預金による保管
    2.定期預金による分散保管
    3.積立マンション保険への加入による保管
    4.「マンションすまい・る債」の購入
  • まとめ

 

修繕積立金って、どんなことに使われているの?

分譲マンションにお住まいの皆様は管理費・修繕積立金を管理組合へ毎月納めていると思いますが、その使い道についてご存知ですか? 管理費・修繕積立金を日常の生活に例えて説明すると、管理費は日常生活を行う上での食費や生活費のようなもので、修繕積立金は子供の学費や自動車の購入の為の貯金だと思ってください。
管理費は日常経費として管理会社へ委託する管理委託費や建物の保守点検などに使われます。修繕積立金は主に計画修繕(鉄部塗装・給水ポンプ・大規模修繕)などに使われます。概ね12年周期で実施される大規模修繕・エレベーター・立体駐車場・インターホンのリニューアルなどの高額な費用を要する工事などに使いますで、総会決議で承認されなければ使うことができません。

 

修繕積立金の保管方法について

管理費は毎月使われるお金ですので、普通預金に保管されていることがほとんどです。しかし修繕積立金は基本的には取り崩さず積み立てていくもので、その額も高額になることが多いので、その保管方法は管理組合によって様々です。そこでいくつかの事例をご紹介しますが、みなさんその前に「ペイオフ」という言葉をご存知でしょうか?「ペイオフ」とは、万が一金融機関が破綻した際に一つの金融機関につき預金者一人に対して1,000万円までの元本とその利息までしか保護されない制度のことです。修繕積立金の額は1,000万円を超えることも多く、ペイオフ対策を講じながら保管しなくてはなりません。

.決済性預金による保管

普通預金口座を決済性預金口座にして保管する方法です。
メリットは1つの金融機関に1,000万円以上を保管しても保護されるということです。金融機関を分散させる必要もないので、理事長が交代した際の代表者変更の手続きや決算時に必要な残高証明書の発行手数料もその口座分だけで済みます。
デメリットは利息が付かなくなるということです。普通預金から決済性預金に変更する場合、既定の印紙代がかかる場合があります。しかし金融機関に預けていても少ししか普通預金利息がつかないのであれば、決済性預金に変更した方が安全と言えます。

2.定期預金による分散保管

1つの金融機関に1,000万円以上の預金があると保護されませんので、信用性の高いメガバンクなどに分散して定期預金を開設する方法です。
メリットは普通預金よりも利息を多く受け取れるということです。
デメリットは、取引する金融機関が増えることで、理事長が交代した際の代表者変更も口座の数だけ手続きしなければなりませんし、決算時に必要な残高証明書の発行手数料も口座の数だけかかります。マイナス金利で金融機関の金利が下がることが予測されますので、慎重な対応が必要でしょう。

3.積立マンション保険への加入による保管

通常マンションの共用部分には掛捨て型の損害保険に加入していると思いますが、長期の積立型の保険に加入する方法もあります。
メリットは満期を迎えた際に満期返戻金を受け取ることができ、定期預金よりも金利が良いということです。
デメリットは万が一保険会社が破綻した際に、その積み立てた全額が戻ってこないということです。

4.「マンションすまい・る債」の購入

住宅金融支援機構が発行している債権「マンションすまい・る債」を購入するという方法です。
メリットは毎年1回定期的に利息を受け取ることができ、定期預金よりも利率が良いということです。
デメリットは10年継続しないと利息が少なくなることです。

まとめ

今回はペイオフ対策をしながらの修繕積立金の保管方法についてご紹介させていただきました。修繕積立金は管理組合の大事な資産になりますので、安全に保管することが必要です。まずは管理組合でよく話し合われることをお奨めします。

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久米 則子

あなぶきハウジングサービス マンション会計課:久米 則子(くめ のりこ)
新卒で入社してから経理一筋。ホテル業の経理、マンション販売の経理、マンション管理業の企業会計とさまざまな業種の経理業務に携わってきました。現在はマンション管理組合の会計業務に従事し、スピードと正確性を重視し、忙しい時こそ笑顔で!をモットーに仕事に取り組んでいます。管理業務主任者を取得し、資格を活かした会計業務のお役立ち情報をお届けしたいと思います。
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