管理費等滞納問題を解決するのは管理会社?

三原 章

 

こんにちは、三原です。夏を感じさせる暑さになってきました。今回は管理費等滞納に関し管理会社が行っている業務等についてご紹介します。

目次

  • 管理費等滞納問題は管理会社が解決するものなの?
  • 管理会社が行っている業務
    その1 電話による督促
    その2 訪問による督促
    その3 未納通知の発送
    その4 その後の助言等
  • まとめ

 

管理費等滞納は管理会社が解決するものなの?

管理費等の滞納問題。皆様がお住いのマンションでも問題になっていませんか?管理組合が抱える問題をランキングにすると常に上位になっています。
国土交通省が発表した平成25年度マンション総合調査によりますと、管理費・修繕積立金を6ヶ月以上滞納している住戸があるマンションの割合は22.7%(不明と答えた管理組合を除くと26.2%)もあります。また、総じて築年数が経過しているマンションほど、滞納者の割合が増えていく傾向にあるようです。
その管理費等滞納問題ですが、古くは昭和の時代より消滅時効が5年なのか10年なのかの判断が分かれていましたが、平成16年に最高裁において、家賃等と同じ定期給付債権であるとの重要な判決が出され消滅時効は「5年」と確定しました。といいながらも、5年もの長きに渡って管理費等滞納が長期化することはほぼないと思います。私自身も数件しか経験がありません。
さて、この管理費等滞納問題ですが、”解決しないのは管理会社の責任じゃないの?全くけしからん!”と思っていませんか?

管理会社が行っている業務

分譲マンションの管理業務を行うにあたり、管理組合と管理会社の間では管理委託契約を締結しています。そして、この契約内容については国土交通省が公表している「標準管理委託契約書」に準じて作成されています。その「標準管理委託契約書」において、別表第1「事務管理業務」内で以下のとおり管理費等滞納に関する管理会社の業務について記載があります。
一 毎月、甲の組合員の管理費等の滞納状況を、甲に報告する。
二 甲の組合員が管理費等を滞納したときは、支払期限後○月の間、電話若しくは自宅訪問又は督促状の方法により、その支払の督促を行う。
三 二の方法により督促しても甲の組合員がなお滞納管理費等を支払わないときは、乙はその業務を終了する。
さて、実際に管理会社ではどのような業務を行っているのでしょうか?

その1 電話による督促

まずは電話による督促です。最近は共働きのご夫婦が多いと思いますので、平日夕方以降か週末に架電すれば応答率が高いです。

その2 訪問による督促

管理会社の担当者はマンションへ定期的に巡回等で訪問していますので、その際に管理費等滞納者宅へ訪問します。在宅していた場合は訪問した趣旨を伝え、早急な入金等を促します。なお、より効果があるのは、例えば理事会閉会後等に管理組合役員・管理会社社員が一緒に滞納者宅へ訪問することです。一度実施してみてください。

その3 未納通知の発送

毎月、滞納されている方に書面にて未納通知(会社によって名称は違うと思います)を発送し、入金等を促します。なお、当社ではコンビニでも支払える決済用紙を使用しています。

その4 その後の助言等

管理費等滞納がなくなるのが一番良いのですが、まれに長期化する場合があります。相続案件等、様々なケースがありますがこのような場合には弁護士等へ依頼し法的措置での解決提案をします。ただし、「ない袖は振れない」ケースも多々あります。このようなケースでは当然、借入した金融機関への住宅ローン支払いも滞っているはずなので、その後、金融機関にて差し押さえ→競売となる可能性が高いものと考えられます。

まとめ

管理費等滞納問題を解決するのは管理会社ではなく管理組合です。この滞納問題は長期化すれば長期化するほど、資金不足等管理組合運営に大変な支障をきたすことに繋がりますので、「小さな芽の内に摘み取っていく」ことが非常に重要です。皆様も管理会社がきちんと、そしてまめに督促業務を行っているかチェックしてみてくださいね。

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三原 章

あなぶきハウジングサービス 東京南支店:三原 章(みはら あきら)
はじめまして!三原章と申します。入社以来10年以上、管理フロントとして業務に従事しております。長年フロント業務に従事してきた経験に基づくお役立ち情報や事例などを配信していきたいと思っています。宜しくお願いいたします。
保有資格:管理業務主任者・宅地建物取引士・マンション管理士
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