タイル?塗装?マンションの外壁について

眞田孝彦

あなぶきハウジングサービス、マンション管理担当の真田です。
前回のブログでは、マンションの共用部分と専有部分の違い(費用負担)をお伝えしました。
今回は、共用部分である「マンションの外壁」についてお伝えします。

 

目次

  • マンションの外壁の種類
  • 外壁タイルが落下!?その責任は?
  • 適正な時期に点検・修繕工事を実施しましょう
  • まとめ

マンションの外壁の種類

マンションの外壁は、大きく「タイル貼り」と「吹き付け塗装」に二分されます。
メリットデメリット、好みもありますが、タイルの方が高級感があると感じる方が多く、耐久性や防火性の観点からも現在ではタイル貼りが主流となっています。
周りのマンションを見ても、比較的築年数の浅いマンションはタイル貼りが多いと思います。

鉄筋コンクリート造(RC造)を例にしますと、マンションの躯体(建物自体)はコンクリートで出来ており、中に鉄筋を入れることで強度を高めています。そのコンクリートの上にタイルや吹き付け塗装をしています。

 

「コンクリートだけでも外壁として十分なんじゃないの??」
と思われるかもしれませんが、コンクリートは雨風や日光にさらされると劣化(もともとアルカリ性のコンクリートが中性化)します。
中性化が進んでしまうと・・・

・中の鉄筋が錆びる

・鉄筋の膨張

・鉄筋の爆裂

・コンクリートの剥落

といった具合に建物の損傷に繋がります。

タイル貼りや塗装処理をすることは、意匠性の観点も大事ですが、上記のような鉄筋コンクリートの劣化から建物を守る(劣化を遅らせる)役割も果たしています。

 

外壁タイルが落下!?その責任は?

タイルについては、前述のように耐久性や意匠性から人気が高いですが弱点もあります。容易にご想像がつくかと思いますが「落下(剥落)のリスク」です。

万が一、外壁タイルが落下した先に通行人がいたら・・・と考えただけでも恐ろしいですね。

仮に、落下したタイルに当たりケガをしてしまった場合、外壁タイルは共用部分(前回のブログで紹介)ですので責任は管理組合、ひいては区分所有者全員が負うことになります。

ただし、事故の原因が外壁タイル施工時の手抜き工事であったり、売主や工事会社の責任であることが明確な場合は、もちろん工事会社に責任を追及できます。
(コンクリートの汚れを十分落とさずに施工したり、タイルを張り付ける材料が不足していた等)

この場合、民法の「不法行為責任」を売主や工事会社に問う形となります。相手側に過失が有るか無いかの証明は管理組合がしなければなりませんので、利害関係のない設計コンサルティング会社などに調査を依頼して証明する必要があります。

 

適正な時期に点検・修繕工事を実施しましょう

上記のようなタイルの落下(剥落)事故は、あってはならないことですが、実はそこまで珍しい話しではないと思います。
私は職業柄、外に出ているときはマンションをよく見ていますが、注意して見ていると、意外とタイルが落ちているマンションを見かけます。
そのため、国土交通省は平成20年度の建築基準法改正で、外壁タイルの調査を義務化し、事故への備えを強化する姿勢を取っています。
マンション全体に言えることですが、タイルも当然、経年劣化します。そのため、12年前後の周期で実施される大規模修繕工事ではしっかり外壁打診調査のうえ、タイルの浮きや剥がれが0のマンションにできるよう、計画していただければ幸いです。

 

まとめ

マンションの外壁はタイル、吹き付け塗装がありますが、最近のマンションはタイル張りのマンションが比較的多いです。
どちらの仕様にしても、適切な時期に点検や修繕工事を実施し、機能性・美観性を保つことで、資産価値の維持・向上に繋がると思います。

当社は管理会社ですが、大規模修繕工事等の設計コンサルティング業務も請け負いますので、ご質問がありましたらお気軽にお問い合わせください。

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眞田孝彦

あなぶきハウジングサービス 北関東支店:真田 孝彦(さなだ たかひこ)
東京都内、埼玉県内でマンション管理業務(フロント)に従事しておりました。マンション管理士・マンション維持修繕技術者の視点からも、お客様が安心・安全・快適に生活していただけるようサポートすることを心がけています。
保有資格:管理業務主任者・宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー2級
趣味:Jリーグ観戦、子どもと遊ぶこと
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