社長がマンション管理会社のM&A・売却・譲渡を決断する3つのタイミング

松井 久弥 松井 久弥

こんにちは。あなぶきセザールサポートの松井です。

今回は「マンション管理会社の経営者が、M&A・売却・譲渡を決断する3つのタイミング」についてご紹介します。

マンション管理業界はM&Aが頻繁におこなわれている業種ですが、将来の売却を検討されている経営者の目線で考えると売却を判断するタイミングが難しく、時期を逃してしまい売却が困難になるケースをいくつか見てきました。

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目次

  • そもそも何故、会社の売却を検討するのか
  • 管理会社M&A決断のタイミング① 管理委託契約ボリュームの縮小
  • 管理会社M&A決断のタイミング② 社員の退職
  • 管理会社M&A決断のタイミング③ コンプライアンス違反
  • M&Aを相談するには、どうすれば良いか
  • まとめ

※2016年1月28日に公開した記事を、2017年1月12日に修正して再度公開しています。

そもそも何故、会社の売却を検討するのか

後継者不足

マンション管理会社に限らずM&Aで会社の売却を検討される理由として、第一に後継者不足が挙げられます。経営者が引退する年齢に近づいた時に子供や社員に引き継ぐことを検討されるのですが、適任者がいない場合や後継者の相続問題・取得株式の資金不足により断念し、M&Aで第三者に譲渡することが増えています。

事業の選択と集中

第二は企業の成長(生き残り)のためのM&Aです。マンション管理業の主な収益となる管理委託契約はこの10年間で競争激化により減額や解約となるケースも多く、一定以上のスケールメリットがないと収益確保が厳しい業界となっています。特に安定的な新築物件の受託や他社との競争に勝ち抜いてリプレイスで管理戸数を増加できる管理会社でない限りは先細っていく会社も多く、他社と手を組んで生き残りを目指すケースが増えてきました。また多角的に事業を行っている会社でマンション管理の売上構成比率が低い場合などには、事業の集中と選択のためにマンション管理業のみを譲渡する場合もあります。

経営状況の悪化

第三の理由として、第二の理由の延長になるのですが会社の経営状態が厳しくなり、会社を売却せざるを得ないような場合です。

 

いずれのケースでもM&Aを検討するには早すぎることはなく、むしろ会社が好調な時ほど売り時であり(買い手候補も多く、高く売れる)、会社の経営状況が悪化してくれば譲渡が難しくなってきますので、将来にわたって会社や従業員を守るための選択肢の一つとして活用されています。

 

管理会社M&A決断のタイミング① 管理委託契約ボリュームの縮小

管理会社の収益の柱は各マンション管理組合と締結している管理委託契約です。

マンション管理の売上数式 1棟当たり平均売上×棟数」

マンション管理適正化法が施行以降10年以上にわたり管理会社間の競争が激化した結果、業界全体として「1棟当たり平均売上」は横ばいか減少の傾向が続いており、「棟数」を増やしてカバーするという状況が生まれた結果、ますます競争が激しくなるというスパイラルが続いています。

つまり安定的な新築物件の受託や他社との競争に勝ち抜いてリプレイスで契約棟数を増加できない限り、規模が縮小していく管理会社が増加してきたのです。

一方マンション管理会社は人を配置しておこなうサービス業の側面が強く、収益源であるマンション管理売上が減少しても人員の配置は必要であり、企業経営としては厳しい状況となってきます。また最近では最低賃金法の改定により現場の管理員さんの給与(時給)も上がり続けており、それを価格に転嫁できないという悩みも多く聞かれます。

もしご自身の会社の管理委託契約の売上単価や棟数が減少しているのであれば、売却検討のタイミングと言えるでしょう。

 

管理会社M&A決断のタイミング② 社員の退職

マンションの管理はフロントと呼ばれる担当者が一人10棟~20棟を担当しているのですが(担当棟数は会社により異なります)、システム化が進んでも業務品質はまだまだ属人的な部分が多く、そのフロント社員が退職した場合社員数が少ない会社であれば一人抜けると業務に支障をきたし残っている社員への負担が増えるため、品質が一気に落ちることがあります。また最近では中途採用が困難な情勢もあって、即戦力のフロントを早期に採用することも難しくなっています。

高品質なサービス提供が困難になるとお客様へご迷惑をお掛けすることになり、結果として管理委託契約の減額・解約につながります。

 

管理会社M&A決断のタイミング③ コンプライアンス違反    

マンション管理会社は国土交通省の登録のもと、区分所有法やマンション管理適正化法、管理委託契約書などに則って適切な業務が求められます。特に数千万円から億を超えることもあるマンション管理組合の資産をお預かりしていますので、全社員に厳しいコンプライアンス順守が求められます。

一方で法令順守に対応できない会社は行政指導の対象になり、何よりお客様からの信頼を失った結果、業務の継続が困難になります。このような状況に陥った場合には早急に対応を行わなければなりませんが、その選択肢の一つが会社の売却です。

他の会社と経営統合することで、お客様・社員・取引先に対して最良の結果となったケースを経験してきました。

 

M&Aを相談するには、どうすれば良いか

では実際にM&Aを検討する場合、誰に相談したら良いのでしょうか?なかなか社員や取引先には相談できないため、顧問弁護士・会計士や金融機関、M&A仲介会社へ相談することが考えられます。しかしあまり時間的余裕がなかったり、融資の関係で金融機関には相談しにくい、仲介会社への手数料の捻出が厳しい等の悩みがあるなどの場合に、弊社へ直接ご相談をいただくケースも多くなってきました。

直接ご相談をいただいてから

①秘密保持契約の締結

②ヒアリング(トップ面談)

③デューデリジェンスの実施

④提案書の提出

⑤最終検討

と進めていき、スムーズな譲渡に至った経験が多数ありますので、お悩みであればお気軽にご相談いただければと思います。

同業者・経験者だからこそ分かる苦労や解決策について誰よりも理解しているからこそ、これまでに10社を超えるマンション管理会社とのご縁をいただけたと思います。

 

まとめ

マンション管理会社に限らず経営者として大切なことはお客様へ高品質な商品・サービスを提供し続けること、社員とその家族の生活を守ること、取引先や関係者への配慮ができること、であると思います。それが崩れてきたと社長が感じた時がM&Aを決断するタイミングなのかもしれません。以前はM&Aで会社を売却することに抵抗を感じるような風土がありましたが、最近では戦略的にM&Aを活用して事業を成長させていく例が多くなってきました。将来の選択肢として、一度ご検討されてはいかがでしょうか。

 

<参考記事>

マンション管理会社の売却・譲渡(M&A)を成功させるために知っておきたい9つのこと

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松井 久弥

松井 久弥

あなぶきハウジングサービス:松井 久弥(まつい ひさや)
2000年あなぶきハウジングサービス入社。
全国10都道府県において、管理担当・リプレイス営業・新規拠点立上げ・部門責任者に従事。特にマンション管理会社のM&Aにおいては、案件化からデューデリ・譲渡契約・お客様対応全般・統合後プロセス(PMI)までを実践。
マンション管理士、M&Aシニアエキスパート。
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