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今日もブログをご覧いただきありがとうございます!
三度の飯より建築が好き!
どうもあなぶき建設工業の稲田です!
さて、皆様のお住いのマンションがタイル仕上げの外壁であることも多いと思います。
築年数が経つにつれてタイルが落ちたりしないの・・?
でもタイルの工事ってなにをするの・・?
そんな疑問あるかと思います。
これから紹介するものは大規模修繕工事を実施するうえで
最も重要で最も選定が難しくて最もプリミティブな工事になります。
そんな「大規模修繕工事におけるタイル工事の重要性とは?」深掘って紹介していきます!
大規模修繕工事における外壁タイル工事の重要性
建物の外壁タイルは、外観を美しく保つだけでなく、建物の構造を保護し、耐久性を向上させる重要な役割を担っています。しかし、経年劣化や自然環境の影響により、タイルが浮いたり、劣化が激しい場合は剥落したりすることがあります。これを放置すると、安全上のリスクだけでなく、建物全体の劣化が進行する原因となります。そのため、大規模修繕工事の一環として外壁タイルの補修が必要です。
外壁タイル工事にはさまざまな方法がありますが、中でも一般的に用いられるのが「貼替工事」と「樹脂注入工事」です。これらの工法を選定する際には、劣化状況や予算、施工期間、さらには建物の美観や耐久性など、さまざまな要素を総合的に判断する必要があります。
本記事では、外壁タイル工事の概要や工法の特徴、選定基準、さらに実際の施工例を踏まえた注意点について説明します。
外壁タイルの劣化と原因
外壁タイルの劣化は、次のような要因によって引き起こされます。
1. 気候条件による劣化
外壁は雨風や紫外線、温度変化といった自然環境に常にさらされています。特に日本のような湿度の高い環境では、雨水が目地材に浸透し、接着剤や下地が劣化するケースが多く見られます。冬季には凍結と融解を繰り返す「凍害」が発生し、タイルが浮いたり割れたりすることもあります。
2. 経年劣化
建物の使用年数が増すにつれて、タイルや接着剤、下地材の性能が低下します。経年劣化により、特にタイル接着剤が硬化して剥離が進むケースが一般的です。
3. 建物の構造的な問題
地震や強風などにより建物全体に歪みが生じると、タイルにひび割れや浮きが発生する場合があります。また、構造体の変形が繰り返されることで、接着が弱まり浮き等が発生することがあります。
貼替工事と樹脂注入工事の概要
劣化したタイルを補修するための方法としては、「貼替工事」と「樹脂注入工事」を弊社では多く採用しております。それぞれの工法の特徴を詳しく説明して参ります。
1. 貼替工事
貼替工事とは、劣化したタイルを完全に撤去し、新しいタイルを貼り直す方法です。
メリット
- 劣化部分を根本から取り除くため、修繕後の耐久性が高まる。
- 接着剤や下地も新しくするため、長期的な安全性が確保される。
懸念点
- 材料費用等が比較的高い。
- 部分的な貼替の場合、新旧タイルの色調や質感が異なる可能性がある。
適用場面
- 広範囲にわたってタイルが浮き、剥落のリスクが高い場合。
- 接着剤や下地が大きく劣化している場合。
2. 樹脂注入工事
樹脂注入工事は浮いているタイルの裏側に専用の樹脂を注入し、タイルを再接着する方法です。
メリット
- 工期が短く、費用が抑えられる。
- 外観の変更がなく、元のデザインをそのまま維持できる。
- 一部のみの補修が可能で、環境負荷も低い。
懸念点
- 根本的な劣化を解消するわけではなく、修繕の効果は一定期間に限定される場合がある。
- 広範囲の劣化には適さない。
- 注入した樹脂が完全に行き渡らないケースもある。
適用場面
- 軽微な浮きが見られる場合。
- 局所的な修繕で十分と判断される場合。
- 建物全体の構造的な問題がなく、軽度の劣化が中心である場合。
工法選定のポイント
貼替工事と樹脂注入工事の選定にあたっては、以下の基準を考慮します。
1. 劣化範囲の広さと深刻度
劣化が広範囲に及び、剥落のリスクが高い場合は貼替工事が推奨しています。一方、一部の軽度な浮きであれば、樹脂注入工事を推奨しています。
2. 建物の築年数
築年数が古く、外壁全体の状態が悪い場合は、タイル貼替工事を推奨しています。比較的新しい建物で、劣化が一部に限られる場合には樹脂注入工事を推奨することが多いです。
3. 予算と工期
費用を抑え、工期を短縮したい場合には樹脂注入工事を選ぶことが多いです。一方、安全性や耐久性を優先する場合には貼替工事が選ばれることがあります。
実際の施工においての注意点
注意点
- 調査の徹底
主に打診検査を活用し、劣化状況を正確に把握します。 - 安全対策の実施
足場の設置や防護ネットの使用により、剥落事故を防止します。 - アフターメンテナンス
修繕後も定期的な点検を実施し、軽微な劣化を早期発見・対応することが重要です。
まとめ
大規模修繕工事における外壁タイル工事は、建物の安全性、美観、耐久性を維持するために極めて重要です。「貼替工事」と「樹脂注入工事」にはそれぞれ異なる特性があり、建物の劣化状況や目的に応じて最適な工法を選定することが大切です。
稲田優哉
稲田優哉(いなだ ゆうや)
愛媛県出身 2023年入社
愛媛県のインテリア・建築科の専門学校卒業後入社。
入社以来、大規模修繕工事担当として日々取り組んでおります。
普段知ることのない工事のあれこれを発信いたします!
保有資格:二級建築施工管理技士補
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