比較!建築基準法の換気とコロナ対策の換気

北村順平

こんにちは、テクノ防災サービスの北村です。

昨今新型コロナウイルスの予防対策として実施が推奨されている「換気」ですが、

今回は建築基準法で定められている換気に関する基準と、

厚生労働省がコロナ対策として発表している基準について、ご紹介をさせて頂きます。

 

【1.建築基準法での換気について】

 

まずは建築基準法で定められている換気について、簡単にご紹介をいたします。

建築基準法28条第2項では、
「換気について、居室には換気に有効な開口部を居室の床面積の1/20以上設けること、
または、政令で定める技術的基準に従って換気設備を設けること」としています。

要するに居室には、基準に適した窓か機械換気設備を設けて、
「自然」または「機械」で換気が出来るようにしましょうという事ですね。

 

では実際にはどの程度の換気が出来れば良いのでしょうか・・・。

 

みなさんは「24時間換気」という言葉を耳にしたことはありますでしょうか。

自宅や職場等に、このようなスイッチや操作パネルはありませんか?

   

 

現在新築される建築物には、シックハウス症候群の対策として、法律で「24時間換気」が出来る設備の設置が義務付けられています。(建築基準法施行令第20条の8)

※シックハウス症候群とは、ホルムアルデヒド等の化学物質により住居内の空気が汚染され引き起こされる、頭痛やめまい等の健康被害の総称です。

その法律では原則として、住宅の居室では換気回数を毎時0.5回以上、その他の居室では毎時0.3回以上の換気が出来る換気設備を設置することが義務付けられています。

※換気回数とは、居室の空気がすべて新鮮な空気(外気)と入れ替わる回数をいいます。

毎時0.5回は、1時間で部屋の半分の空気が入れ替わることになります。

 

また、機械換気設備に関する法律では、1人当たりの必要換気量は毎時20㎥と定められています。
(建築基準法施行令第20条の2)

これは、成人男性が静かに座っている時のCO2排出量に基づいた値となります。

実際の職場等では移動をする人や話をしている人もおりますので、
建築基準法では最低限の数値で必要換気量を計算している事がわかります。

 

【2.コロナ対策での換気の基準値(厚生労働省)】

一方、厚生労働省より発表されている

「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法》によると、

【自然換気(窓の開放による換気をする方法)】の場合、

■換気回数を毎時2回以上(30分に一回以上、数分間程度、窓を全開する。) とすること。

【機械換気(機械換気設備による換気をする方法)】の場合、

■機械換気設備等の外気取り入れ量等を調整することで、
必要換気量 (一人あたり毎時30㎥)を確保することとされております。

 

【3.比較】

建築基準法で定められている換気に関する基準と、
厚生労働省がコロナ対策として発表している基準を比較すると・・・

厚生労働省は新型コロナウイルスの対策として、建築基準法以上の換気を必要としている事がわかります。

 

【4.まとめ】

いかがでしたでしょうか、今回は「換気」についてご紹介をさせて頂きました。

新型コロナウイルスの対策としてはやはり、窓を開けての換気が必要な事がわかりますね。

また、みなさまのご自宅の24時間換気は常時稼働していますか?

この季節どうしても換気扇を使用すると、外から冷たい風が・・・。

風邪を引いては元も子もありませんが、24時間換気の設備が備わっている場合は常時運転を行い、

加えてコロナ対策として「窓を開けての換気」をぜひ実施するようにしてください。

今回はこれで終わりになります。

それではまた次回もよろしくお願いいたします。

 

 

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北村順平

テクノ防災サービス 北村 順平(きたむら じゅんぺい)
2007年あなぶきクリーンサービス入社
12年間 マンションの清掃設備維持管理の営業を担当、2019年7月からテクノ防災サービスにて、消防設備点検や特定建築物検査の営業を担当
施設管理に欠かせない法定検査になりますので、漏れの無い提案を心がけております。
初めての東京での生活で、休日には東京観光を楽しんでます。

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