マンションで水漏れ事故を発生させてしまったときの対応方法について

後藤隆史

おはようございます。
あなぶきハウジングサービスの後藤です。

分譲や賃貸を問わずマンションをはじめとした共同住宅にお住いの方は特に気をつけなくてはいけない一つの事故として、“水漏れ事故”があげられます。
今回は水漏れ事故が発生した場合で水漏れを起こしてしまった側(加害者)の対応方法について紹介します。

※こちらは2016年9月に投稿された記事を加筆・修正しております。

 

目次

  • 水漏れの原因とは
  • 水濡れ原因調査とは
  • 他のお部屋に被害を与えてしまった場合の対応方法
  • まとめ

 

水漏れの原因とは

マンションの場合には一戸建て住宅と違い上下左右に他のお部屋がある場合が多いため、水が漏れた場合には他のお部屋に被害が出る可能性がありますので、特に注意する必要があります。
水漏れの種類は多くありますが、主なものとして以下の原因がありますので紹介します。

加害者の“うっかり”による水漏れ

主なうっかりの例として洗濯機を買い替えたり移動した際に排水ホースがうまく接続されておらず、洗濯をした際に排水が漏れてしまったといったことがあげられます。
また、お風呂のお湯を出したままにして長時間離れてしまい、溢れたお湯が漏れてしまった例などがあります。

各種配管の劣化による水漏れ

この各種配管というのは共用部分だけのものではありません。皆さんがお住いのお部屋の中にも存在します。
普段は皆さんの目に見えるところにはなく、床の下などに配管されています。
分譲マンションで区分所有をされている方(マンションを購入された方)はお部屋の中の配管については専有部分とみなされるため、その配管も所有していることになります。
リフォームをする際はお部屋内の見た目だけではなく、配管の交換も行うことが重要です。
おもな配管は以下のとおりです。

給水管

キッチン・洗面化粧台・トイレ・お風呂などの蛇口につながっている配管のことです。
劣化してくると給水管に小さな穴が開いてそこから水が漏れます。

給湯管

お部屋の玄関横やバルコニーに設置されている給湯器からキッチン・洗面化粧台・お風呂の蛇口につながっている配管です。
劣化してくると給湯管に小さな穴が開いてそこから水が漏れます。

排水管

キッチン・洗面化粧台・トイレ・お風呂から出た水またはお湯を流す管のことです。
劣化してくると排水管の割れやずれが生じ、そこから水が漏れます。

 

水漏れ原因調査とは

上記の原因で各種配管からの水漏れの場合には当初漏水の原因がわからないことが多いため、水濡れ原因調査を実施します。水濡れ原因調査とは文字通り水漏れ事故が発生した場合に原因箇所を特定するための調査のことです。
専門業者による耐圧検査器などを使用した調査を実施します。
上記の配管からの水漏れの場合にはご自身が気付かないことが多く、水漏れが発生した被害住戸の方や管理会社より連絡があり、調査のためお部屋内への立ち入りを依頼されることがあります。調査を拒んだ場合は被害が進行する場合がありますので、調査の協力には必ず応じるようにしてください。

 

他のお部屋に被害を与えてしまった場合の対応方法

ご自身のうっかりによる水漏れを発生させた覚えがない場合だとすると、原因としては各種配管からの水漏れがあげられます。そのような場合には、被害を拡大させないために極力水を使用しないようにしてください。
バケツやペットボトルに一時的に水を貯めておき、必要最低限の使用をするようにしてください。水を使用しない際は玄関横のパイプスペース内のバルブ(元栓)を閉めると良いでしょう。
そして水濡れ原因調査の結果ご自身の配管からの水漏れが原因と特定された場合には、早めに被害住戸へ謝罪を含めた挨拶に伺うことをお勧めします。
この挨拶をしなかったことにより被害住戸居住者との関係が険悪となりなかなか示談がまとまらず、被害住戸の内装復旧までに長い日程がかかってしまう場合もありますので早急な対応が必要です。

 

保険の申請について

水濡れ原因調査の結果ご自身の住戸が原因により他の住戸へ被害を与えてしまった場合には、被害住戸の内装復旧費用は加害者負担となります。
そこで必要となってくるのが火災保険などの特約に付帯されている“個人賠償責任保険”です。(個人賠償責任保険の詳細については『さまざまな場面で活躍する「個人賠償責任保険」とは』をご覧ください。
ご自身で契約されている方は保険会社に連絡をして事故申請をしてください。
万が一ご自身で契約されていない方は、分譲マンションの場合には共用部の管理組合用火災保険の特約として付帯されている場合がありますので、管理会社に連絡をしてください。

 

まとめ

今回は水漏れ事故を起こしてしまった場合の対応方法について紹介しましたが、普段から気を付けることはもとより、普段から居住者間のコミュニケーション(挨拶など)をとっておくことにより、万が一水漏れ事故が発生し他の住戸に被害を与えてしまった場合にも良好な関係があれば、大きくもめることもなくスムーズに内装復旧まで進めることができますので、普段より少しでも意識して生活していただければと思います。

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後藤隆史

あなぶきハウジングサービス 後藤隆史(ごとうたかし)
北海道出身。管理組合様用火災保険の提案や管理委託契約書の作成、各種設備点検の発注業務を行っています。
フロント担当者の経験を生かし管理組合様の費用負担軽減ができるような火災保険の更新提案や各種設備点検項目の見直しなどを目指しています。少林寺拳法有段者(小学校2年生からやっていました)。火災保険や点検項目の見直しの際にはぜひとも御用命ください!
保有資格:管理業務主任者・宅地建物取引士
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