こんにちは、三原です。今回は分譲マンションの寿命等についてご紹介します。皆さんも気になることがあるのではないでしょうか?
目次
- 寿命を迎える前に建て替えられている?
- 本当の寿命は100年以上?
寿命を迎える前に建て替えられている?
2013年5月、同潤会上野下アパートという建物が解体され、その84年の歴史に幕を閉じました。
この同潤会アパートというのは関東大震災からの復興を目指して東京や横浜で16ヶ所建てられた鉄筋コンクリート造(RC造)の建物で、上記のアパートが最後まで残っていた建物なのですが、他の同潤会アパートも概ね70年程度使用されていました。ちなみに2003年に解体された同潤会青山アパートメント跡地は表参道ヒルズとして再開発されています。
その一方、1960年代から一般家庭の住居として普及し建設が本格化したマンションですが、築30年あまりで建て替えられた例も多く、2002年頃国土交通省が調査したところでは、建て替え着工時期の築年数は平均で37年となっていました。不動産のデータバンクである東京カンテイの発表でも全国の建て替え事例198件の平均は33.4年とのことです。なんか実感として非常に短く感じますよね。しかしその一方で築30年を超えるマンションの取引事例も増えてきています。毎年いくつものマンションが建築されストックとして増えておりますから、取引数が増えるのは当然といえば当然です。
本当の寿命は100年以上?
最近の研究ではより実感に近い寿命が算出されています。ある大学の教授たちが人間の寿命と同様の手法を使い推計した住宅の平均寿命は、鉄筋コンクリート造のマンションは60年だそうです。なお、調査時点での築年数が新しいマンションほど平均寿命が延びています。日本人の平均寿命も延びていますが、マンションの寿命も同じように長寿になってきているようですね。
その理由としては材料の質の向上や施工技術の進歩と言えるでしょう。例えばマンションの主要構造部である鉄筋コンクリートの耐用年数は、1990年代頃まではおおよそ60年と言われておりましたが、現在では「100年コンクリート」「200年住宅」という用語も出始めています(大手ゼネコンでは「500年コンクリート」の開発も行われています!)。もちろんコンクリート自体が100年を超える耐用年数があると言っても、分譲マンションは耐久性の異なる部材や設備等が複雑に組み合わされているので、使用方法や維持管理方法により寿命がかなり変わってきます。
次回は分譲マンションの寿命が短くなってしまう理由等をご紹介します。ではまた次回!
三原 章
はじめまして!三原章と申します。入社以来10年以上、管理フロントとして業務に従事しております。長年フロント業務に従事してきた経験に基づくお役立ち情報や事例などを配信していきたいと思っています。宜しくお願いいたします。
保有資格:管理業務主任者・宅地建物取引士・マンション管理士
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