こんにちは。あなぶきハウジングサービスの久米です。
前回、収支報告書の必要性についてお話ししました。
実際に収支報告書はどのように作成していけば良いのでしょうか?
今回は毎月作成し提出する『月次収支報告書の作成の仕方』についてご紹介します。
通帳の動きを入力していこう
当社の場合、管理組合の収支報告書を会計システムに入力して作成しています。
大きく分けて以下の3つの項目を入力し、月次収支報告書を作成します。
収納口座の入出金内容を入力
収納口座とは『区分所有者が毎月の管理費・修繕積立金を入金する口座』のことです。管理組合名義の場合も、管理会社名義の場合もあります。
区分所有者からの入金を会計システムに入力していきます。ほとんどの方が決められた金額を決められた日に口座振替で支払っています。
振込の場合は、いくら入金があったのか、それが何月分なのか。
過去の分であれば未収入金の入金として処理し、先の分であれば前受金を計上します。
また、収納口座から毎月の管理に要する費用を支払うのでその支払処理も行い、会計システムに入力していきます。例えば管理会社に支払う管理委託料や業者に支払う設備点検料などです。そしてその残額を翌月末日までに収納口座から保管口座に振り替える必要がありますので、その振り替え作業と動きも会計システムに入力していきます。
保管口座の入出金を入力
保管口座とは『収納口座に入金された管理費・修繕積立金を毎月振り替える管理組合名義の口座』です。先に説明した移し替え以外にも電気料金などの公共料金やリース料などを一般会計(管理費会計)の保管口座から引き落としている場合が多いので、会計システムに入力していきます。理事長さんの承認を得て、保管口座から業者への工事代等を支払う場合もありますね。こちらも支払処理をし、会計システムに入力していきます。
未収入金・前受金を入力
当月に入金された管理費・修繕積立金は先に説明したように収納口座に入金された時点で会計システムに入力しました。発生主義ですので、当月末までに支払いがなかった区分所有者がいた場合、月末に未収入金、そして管理費収入と修繕積立金収入を計上しましょう。また、先月入金になった区分所有者の管理費は先月入金時に前受金を計上していますので、今月忘れずに収入に振り替えましょう。
その月の実績を集計しよう
当社では会計システムから収支報告書が出力することができます。ご自分で作成される場合は当月の入金と支出を集計し、入力していきましょう。
一般的に収支報告書の上側に収入を入力、下側に支出を入力していき、最後に当月の収支差額を表示します。
決算後2~3か月後には通常総会が開催され今期の予算案が承認されます。承認されたら予算の金額も入力し、今期の実績と比較ができるようにしましょう。
エクセルダウンロードはこちら
→管理費会計収支報告書(見本)
→修繕積立金会計収支報告書(見本)
収支報告書作成の注意点
・管理組合の会計は発生主義です。改定がない限り毎月の管理費収入、修繕積立金収入は定額です。先月と変動がないか確認しましょう。
・毎月計上される支出として電気料金、通信費(管理事務室の電話料金)などの公共料金、管理委託料などがあげられます。もれなく計上されているか確認しましょう。また、公共料金などは毎月の支出額と大きな違いがある場合は注意が必要です。
・予算と実額を比較し、予算額を著しく超えてないか確認しましょう。
まとめ
今回は毎月提出している、月次収支報告書の作成についてお話ししました。
年次決算報告書は毎月の月次収支報告書をしっかりと作成していれば、未払金などの決算仕訳を入力するだけで、ほとんど修正することなく作成することができます。
毎月の月次報告書は遅滞なく、きちんと内容を確認をしたうえで作成しましょう。
久米 則子
新卒で入社してから経理一筋。ホテル業の経理、マンション販売の経理、マンション管理業の企業会計とさまざまな業種の経理業務に携わってきました。現在はマンション管理組合の会計業務に従事し、スピードと正確性を重視し、忙しい時こそ笑顔で!をモットーに仕事に取り組んでいます。管理業務主任者を取得し、資格を活かした会計業務のお役立ち情報をお届けしたいと思います。
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