こんにちは。あなぶきセザールサポートの松井です。 今回も、過去に当社へ管理会社を変更(リプレイス)いただいた分譲マンションの事例をご紹介します。 あなぶきグループにおいても、これまでに350棟以上の管理会社変更実績がありますが、今後も益々競争激化によるリプレイスの流れは続くと思われます。
- 案件概要
- 管理会社変更に至った経緯
- スケジュール
- 見積り提出
- プレゼンテーション
- 管理会社変更総会
- 引継ぎ
- まとめ
案件概要
◆所在地 東京都練馬区
◆戸 数 50~100戸
◆築年数 30年以上
◆管理会社 大手独立系管理会社からの変更
◆その他 大規模修繕工事の実施を同時に検討
管理会社変更に至った経緯
竣工当初から30年以上にわたり、現行管理会社との契約をしている中で、以下のような問題が発生していました。
☑ 管理費会計が赤字である
☑ 30年間、管理業務の仕様が同一で、見直しの提案がなされていない
☑ 大規模修繕工事の検討に際して、管理会社が自社請負のみを強く提案して、管理組合に選択の機会を与えない
☑ 担当者に依頼した事項について、迅速に動いてくれない
このような問題を解決するために、理事会では他社と比較検討することが必要と判断し、理事が知っている管理会社に声を掛けて見積りを取得することとなりました。理事の中に、当社の管理物件を所有されている方がいたことから、当社にもお声掛けをいただきました。
スケジュール
☑ 3月 理事が数社の管理会社に見積り参加の声掛け
☑ 4月 見積り提出 ※6社(現行管理会社を含む)
☑ 4月 理事会において、見積り取得6社から3社へ一次選考
☑ 5月 理事会にてプレゼンテーション開催 ※3社(当社、大手デベロッパー系管理会社、現行管理会社)
☑ 6月 理事会にて管理会社を変更することで進めていくことが決議される
☑ 7月 理事会にて、新管理会社候補の2社と面談
☑ 8月 最終候補会社2社から再見積りを取得
☑ 9月 理事会にてあなぶきセザールサポートに管理会社を内定
☑10月 臨時総会を開催して、管理会社変更が承認される
見積り提出
見積りの提出にあたって、以下の2パターンの見積り提示が必要となりました。
1.現行の仕様書と同一の見積書
2.各社が提案する仕様に基づく見積書
今回の管理会社見直しのきっかけとして、「30年間、管理業務の仕様が同一で、見直しの提案がなされていない」ことがあったため、②の各社が提案する見積りが重視されました。 当社としては、過剰と思われた仕様を削り、削減できた費用で不足していると思われる業務を追加する見積りを提案しました。
プレゼンテーション
現行管理会社を含めて3社による公開プレゼンテーションが開催されました。
<プレゼンテーション概要>
日 時 ○月○日(○)○○時~○○時
時 間 1社につき30分(質疑応答含む)
種 別 理事会でのプレゼンテーション(ただし、希望する所有者は参加可)
条 件 提案仕様の見積書について、変更点やメリット・デメリットを説明すること
プレゼンテーションには約10名の所有者が参加されました。
最初に説明をした現行管理会社については、管理費会計の赤字状態を長年放置していたことや改善提案内容が乏しかったことから、早々に継続しないことが決まりました。 また、当社ともう1社については、金額だけでなく、仕様変更した提案や改善の取り組み等において、いずれも評価をいただき、なかなか1社に絞り込む結論が出ませんでした。そのため、後日、再度最終候補2社から見積り最終提示と担当予定者面談を実施して決定することとなり、最終的には当社を内定会社として選んでいただくことができました。
管理会社変更総会・重要事項説明会
臨時総会および重要事項説明会では、当マンションのフロント担当予定者とその上司も出席して、皆様にご挨拶をおこないました。総会では、管理費会計の赤字解消や、これから始まる大規模修繕工事のサポートに対して、当社に期待する声を直接聞くことができ、あらためて「お客様の期待値を超える管理サービスを提供しなければ」との思いを持つことができました。
引継ぎ
築30年を超えるマンションでしたので、引継ぎに際しては、現行管理会社の事務所へ何度か足を運び、過去の資料確認や修繕履歴の把握を十分におこないました。また、管理員を新規採用することになったため、事前に理事会と打合せをおこない、住人から管理員への要望等をしっかりとヒアリングしました。
<当社での管理引継ぎのポイント>
☑ 管理開始前でも営業担当者とフロント担当予定者が理事会へ参加。引継ぎの進捗や問題点について、都度、理事会や理事長へ報告します。
☑ 引継ぎに関して、数十項目におよぶチェックシートをもとに、抜け漏れがないか確認をおこないます。
☑ 管理開始に先立ち、社内の関連部署を全員集めて、事前の勉強会を開催しています。これは、営業担当部門だけでなく、管轄支店の全社員・管理員・マンション会計担当までが、管理会社を見直すに至った経緯やお客様の期待値を把握して管理をスタートするために必要となります。
まとめ
今回、管理会社変更により管理組合が解決したいポイントの一つに、管理費会計の赤字解消がありました。そのために、管理仕様の大幅見直しをおこなった結果、収支バランスをプラスにすることができました。この仕様を見直す(=業務の頻度や内容を削る)ことについては、サービスを受ける管理組合(=住人)の合意形成が必要不可欠です。当管理組合では、事前アンケート調査やヒアリング会での意見集約にしっかりとおこなったことで、管理会社変更後もスムーズに新しい仕様に移行することができました。 また、当社の管理開始と同時にスタートした大規模修繕工事についても無事に完了することができ、管理会社変更が成功した事例になったと思います。
松井 久弥
2000年あなぶきハウジングサービス入社。
全国10都道府県において、管理担当・リプレイス営業・新規拠点立上げ・部門責任者に従事。特にマンション管理会社のM&Aにおいては、案件化からデューデリ・譲渡契約・お客様対応全般・統合後プロセス(PMI)までを実践。
マンション管理士、M&Aシニアエキスパート。
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