こんにちは。あなぶきハウジングサービスの久米です。
『会社会計』と『マンション管理組合会計』。
例えば経費の支払いの手続きをしたり領収証などの帳票を整理したり基本的なことは一緒ですが、大きく違うところがあります。今回は「会社会計とマンション管理組合会計の違い」についてをお話ししたいと思います。
会社会計とマンション管理組合会計の違い
みなさん、一般企業の決算資料等を見たことがありますか?
会社の売上や経費を記載した資料は『損益計算書』と言います。なんとなく聞いたことありますよね。
ですがマンション管理組合の収入等を記載した資料は損益計算書ではなく『収支報告書』と言います。
会社…損益を計算する
マンション管理組合…収支を報告する
と、名前だけ見ても利益を求める会社の会計と目的が少し違うのがわかります。マンション管理組合の場合は収支を報告するのが第一の目的です。どれだけ利益が出たか…お金が余ったかということも大切ですが、事前に1年間の予算を作成しどのくらい収入がありどういった経費にいくら使われるのか、そしてそれが予算とどのくらい違っているのかを特に重視します。
これを『予算準拠主義』と言います。
予算作成の仕方
毎月決まっている収入、費用は月額×12ヶ月で予算を計上し作成します。
例えば管理費収入、修繕積立金収入、管理委託費、毎月発生する設備点検料などがあげられます。
もし会計年度の途中で管理費や修繕積立金の改定の予定がある場合は反映させたものを作成しましょう。設備点検料や清掃料には年4回、年6回と複数回実施するものや、2年に1回、3年に1回と複数年に1回実施するものがあるので注意が必要です。また、電気料や水道料などは来期実際いくらかかるかはわかりません。前年度の実績を参考に予算計上しましょう。
基本的に毎年そんなに大きく変わることはありませんが、大規模修繕工事などの大きな工事が予定されている場合はそれらを考慮し作成します。消費増税などがあるような期間は特に注意が必要ですね。
予算の承認の流れ
マンション管理組合の予算は毎年作成します。
管理会社で予算案作成 → 理事会で予算案の承認 → 決算終了後に行われる定期総会(通常総会)で承認
正式に決定という流れになります。
まとめ
マンション管理組合の会計では予算に対して実際にどのくらい使われているか、そしてどのように使われているかが大事になってきます。当社がマンション管理組合に提出している収支報告書にも予算額、当期累計額、そして予算実行率(作成した予算額を100%として当期累計でどれだけ使われているかを料率で示したものです。)を記載しています。予算実行率は私たち会計担当が収支報告書を作成する際にもきちんと確認しなければいけないポイントとなっています!予算に対して一体何%実行されたのか、お手元の報告書を今一度確認してみてください。
限られた管理費、修繕積立金のなかでみなさんの大切なマンションの維持管理を行い、無駄なく管理・運用していくことが大切ですね。
久米 則子
新卒で入社してから経理一筋。ホテル業の経理、マンション販売の経理、マンション管理業の企業会計とさまざまな業種の経理業務に携わってきました。現在はマンション管理組合の会計業務に従事し、スピードと正確性を重視し、忙しい時こそ笑顔で!をモットーに仕事に取り組んでいます。管理業務主任者を取得し、資格を活かした会計業務のお役立ち情報をお届けしたいと思います。
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