最新版!これで丸分かり地震保険【応用編①】

柿沼孝明

こんにちは。
あなぶきインシュアランスの柿沼です。

前回は地震保険の入門編として、基本知識についてご紹介しました。
今回は応用編の第1弾として、地震保険でよく皆さんが見落としがちな点について深堀していきます。

前回の記事はこちら⇒最新版!これで丸分かり地震保険【入門編】

1.地震保険は2種類ある!?

地震保険には2つ保険の対象があります。
それは「建物」にかける物」地震保険と、「家財」にかける家財」地震保険です。

「建物」地震保険は建物の火災保険に、「家財」地震保険は家財の火災保険に加入している場合、セット(任意)で各地震保険を付けることができます。

あなぶきグループの一員として、マンション専有部分の火災保険を取り扱う機会が多いのですが、「そんなに良いもの持ってないので…」「そんなに家財ないので…」と、建物にだけ地震保険をつけ家財には地震保険をつけない方が意外といらっしゃいます。
マンションの場合、建物はそれほど損害を受けていなくても、家財の被害の方が大きくなる場合があります。

≪東日本大震災の場合(当時は「全損」「半損」「小半損」の3区分)≫

半損以上の「支払件数」割合は、「建物」が21%なのに対し、「家財」は47%となっており、2.24倍となっています。
地震に強い建物だとしても、家具類の転倒落下により「建物」よりも「家財」の方が損害の程度が大きくなる傾向にあります。

出典:地震保険制度に関するプロジェクトチーム 第2回配付資料

熊本地震では、建物は半損だったもののマンション上階にお住まいだったため、家財は全損に該当する損害を受けたという方がいらっしゃいました。

地震保険は、損害の程度によって一定の割合でのお支払いになるため、損害が大きければ大きいほど、たとえ補償額が小さくてもまとまった金額を受け取ることができます。
さらに保険金の使用用途は自由ですので、大きな損害を受けた時ほど心の支えになると思います。

 

2.地震保険料は割引がある!?

前回の記事でもご紹介しましたが、地震保険料はお住まいの地域(都道府県)と建物の構造によって決まります。
お住いの地域(都道府県)や建物構造による基準料率から、対象建物の免震・耐震性能等に応じた4種類の割引制度があります。

≪割引制度について≫

引用:財務省 地震保険制度の概要

実務上、特に適用するケースの多い割引は、新耐震基準以降(1981年6月1日以降に新築)の建物に適用される「建築年割引」です。
最近では、耐震等級に応じた「耐震等級割引」を適用できる建物も徐々に増えてきています。

割引の適用を行うためには、所定の確認資料(「登記簿謄本」「住宅性能評価書」「住宅耐震改修証明書」等)のご提出が必要となり、割引を重複して適用することはできませんので、割引率の高いいずれかの内容が適用されます。

≪例)2020年1月1日に新築の耐震等級2級の建物の場合≫
「建築年割引(10%)」と「耐震等級割引(30%)」が該当
適用されるのは「耐震等級割引(30%)」

地震保険料の割引が適用されている場合、見積書や保険証券に記載がありますので、気になる方はチェックしてみてください。

 

3.地震保険は控除がある!?

地震保険は「国」と「民間の損害保険会社」が共同で運営する制度ですが、加入を促進すべく2007年より「地震保険料控除制度」を導入しています。
この制度により、年末調整または確定申告での申請をすることで、所得税及び住民税の所得控除を受けることができます。

≪対象者または対象物≫
①特定の損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料または掛金を支払った方
②経過措置として以下の要件を満たす一定の長期損害保険契約等に係る損害保険料
(1)平成18年12月31日までに締結した契約
(2)満期返戻金等のあるもので保険期間または共済期間が10年以上の契約
(3)平成19年1月1日以後にその損害保険契約等の変更をしていないもの

出典:国税庁 No.1145 地震保険料控除

≪地震保険料控除の金額≫

引用:三井住友海上 地震保険料控除制度

地震保険料200,000円の5年契約の場合、5年分保険料を1年間の保険料額に換算し控除されるため、契約期間中は毎年40,000円が控除額となります。

年収5,000,000円の場合だと、所得税(約8,000円)住民税(約2,000円)合計約10,000円程度の節税効果があります。
※年収額により節税額は異なります。

なお、控除の対象は「地震保険料」についてですので、「火災保険料」は対象外となります。

毎年10月頃に、契約している保険会社より地震保険料控除のはがきが郵送(地震保険契約初年度については保険証券に同封されている場合があります)されますので、申請を忘れないよう気を付けましょう!

 

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。

ご存知の方も多い内容だったかもしれませんが、改めて知識を整理していただき、今後の参考にしていただければ幸いです。

次回は応用編の第2弾として、地震保険の普及率やマンション共用部の地震保険についてご紹介いたします。
最後までご覧いただきありがとうございました。

 

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柿沼孝明

あなぶきインシュアランス 柿沼 孝明(かきぬま たかあき)

2015年あなぶきハウジングサービスに新卒入社。マンション管理組合の運営サポート業務を経験後、あなぶきインシュアランスへ出向。フロント担当者の経験を生かした、東日本エリア(関東・東北・札幌)の管理組合様への火災保険の更新提案や、個人・法人への様々な損害保険提案業務を行っています。

保有資格:管理業務主任者
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