マンション共用部火災保険の特徴である3つの補償

後藤隆史

はじめまして、あなぶきセザールサポートで保険業務を担当しております後藤です。今後は保険にかかわるお役立ち情報を発信していきたいと思っています。

さて、みなさんはお住まいのマンション管理組合でご加入されているマンション共用部火災保険の内容についてご存知でしょうか?

各お部屋(専有部分)で契約している火災保険と何が違うの?と思われている方も結構いるのではないでしょうか。

今回はあまり知られていないマンション共用部保険の特徴についてご紹介いたします。

無題

 

目次

  • マンション共用部火災保険とは
  • 特徴①|水濡れ原因調査費用について
  • 特徴②|個人賠償責任補償(包括契約)について
  • 特徴③|施設所有者賠償責任補償について
  • まとめ

 

※2016年6月4日公開した記事を2017年3月11日に修正して再度公開しています。

 

マンション共用部火災保険とは

マンション共用部火災保険はマンション管理組合が保険契約者となり、共用部分を一括して契約する火災保険です。

保険会社によって若干異なりますが、基本補償でカバーできる事故や地震保険、特約を付保することによりカバーできる様々な事故による損害を補償する内容となっています。

1.火災

2.落雷

3.破裂・爆発

4.風災・ひょう災・雪災

5.車両等またはその他建物外部からの物体の落下衝突等

6.騒じょう・労働争議等

7.盗難による盗取・損傷・汚損

8.水濡れ

9.その他偶然な破損事故等

10.地震

11.水災

その中でもマンション内での保険事故として多いのが、水漏れ事故です。

当社で管理するマンションの保険事故のうち76.14%が水漏れ事故関連の保険金支払いとなっております。

 

特徴①|水濡れ原因調査費用について

マンション共用部火災保険の特徴である1つめの補償内容として「水濡れ原因調査費用」があります。この補償は水漏れ事故が発生した場合に、原因箇所を特定する調査にかかった費用に対して支払いがされます。

 

例)101号室天井より水漏れが発生したため、上階(201号室)の床下にある給水管が原因と思われるため、床板を切取り原因箇所を特定した。この場合の床板開口工事費用および復旧費用が対象となります。

※原因箇所である給水管の復旧費用は補償の対象外となります。あくまで原因を特定するまでの調査費用に対しての補償です。

 

保険会社によって異なりますが、補償の上限が契約年度ごとに100万円が限度となるものが多いので、年間で水漏れ事故が多く発生するマンション管理組合は注意が必要です。

 

特徴②|個人賠償責任補償(包括契約)について

マンション共用部火災保険の特徴である2つめの補償内容として「個人賠償責任補償(包括契約)」があります。(保険会社によって名称は異なります。)

個人賠償責任補償とは、マンション内に限らず日常生活中で偶発的な事故により他人にケガをさせてしまったり、他人の物を壊してしまったため、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償の対象となる保険です。

 

例1)水漏れを発生させてしまい、階下のお部屋に損害を与えてしまった。

例2)買い物中に誤って商品を壊してしまった。

例3)自転車で走行中に誤って歩行者と接触しケガをさせてしまった。

 

意外と知られていないのが、マンション内で発生した事故以外でも補償の対象となることです。

区分所有者(居住者)の中には稀にお部屋の火災保険や個人賠償責任保険に加入していない方もいるため、例1のような水漏れ事故が保険未加入者宅から発生した場合に備えて被害者宅の復旧をスムーズに行えるよう管理組合では包括して契約していることが多いです。

なお、契約によっては示談交渉サービスが付帯されていないものもあるため確認が必要です。

 

特徴③|施設所有者賠償責任補償について

マンション共用部火災保険の特徴である3つめの補償内容として「施設所有者賠償責任補償」があります。(保険会社によって名称は異なります。)

施設所有者賠償責任補償とは、管理組合がマンション共用部分の欠陥や管理業務上の過失による他人への法律上の賠償責任を負った場合に補償の対象となる保険です。

 

例1)建物の外壁タイルがはがれ、通行人にケガをさせてしまった。

例2)共用廊下の手すりがはずれ、子供が転落し大ケガをさせてしまった。

例3)共用の給水管から水漏れが発生し、お部屋(専有部)に被害を与えてしまった。

 

例1のような事故については最悪の場合死亡事故につながる可能性があるため、日頃の点検や管理は十分必要ですが、万が一死亡事故となってしまった場合には多額の賠償となるため、管理組合としては最低でも億単位の補償額とすることをお奨めします。

 

まとめ

上記3つをマンション共用部火災保険の主な特徴としてご紹介しましたが、お分かりいただけたでしょうか。

保険会社によってもそれぞれの特徴がありますので、今後火災保険の見直しを検討する際には数社比較してみてはいかがでしょうか。

今後は、マンション共用部火災保険を見直す場合のチェックポイントなどをご紹介いたしますので、参考にしていただければと思います。

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後藤隆史

あなぶきハウジングサービス 後藤隆史(ごとうたかし)
北海道出身。管理組合様用火災保険の提案や管理委託契約書の作成、各種設備点検の発注業務を行っています。
フロント担当者の経験を生かし管理組合様の費用負担軽減ができるような火災保険の更新提案や各種設備点検項目の見直しなどを目指しています。少林寺拳法有段者(小学校2年生からやっていました)。火災保険や点検項目の見直しの際にはぜひとも御用命ください!
保有資格:管理業務主任者・宅地建物取引士
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