宅建合格講座!宅建業法|「宅地建物取引士証の提示等」のポイント

仲井悟史

皆さんこんにちは、仲井です。今回は、宅建業法でして、頻出分野である「宅地建物取引士証の提示等」を学習します。早速中身に入っていきましょう。

目次

  • 宅地建物取引士証の提示
  • 宅地建物取引士証の返納
  • 宅地建物取引士証の提出
  • 罰則について

宅地建物取引士証の提示

1 重要事項の説明をするときの提示

宅地建物取引士は、重要事項の説明をするときは、説明の相手方に対し、宅地建物取引士証を提示しなければなりません。自身が重要事項の説明をする資格があることをハッキリと示すためです。

このことから、提示の方法としては、「宅地建物取引士証を胸に着用する等により、相手方又は関係者に明確に示されるようにする」こととされています。もっとも、個人情報保護の観点から、提示にあたり、「宅地建物取引士証の住所欄にシールを貼ったうえで提示しても差し支えないものとする。ただし、シールは容易に剥がすことが可能なものとし、宅地建物取引士証を汚損しないよう注意すること」とされていることにも注意しましょう。

2 取引の関係者から請求があったときの提示

宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、宅地建物取引士証を提示しなければなりません

すなわち、宅地建物取引士は、重要事項の説明をするときは、相手方から「見せてよ」と言われなくても、必ず宅地建物取引士証を提示しなければなりませんが、それ以外の場面では、関係者から「見せてよ」と言われたら、宅地建物取引士証を提示しなければなりません。

なお、宅地建物取引士証の提示にあたっては、個人情報保護の観点から、「宅地建物取引士証の住所欄にシールを貼ったうえで提示しても差し支えないものとする。ただし、シールは容易に剥がすことが可能なものとし、宅地建物取引士証を汚損しないよう注意すること」とされています。

宅地建物取引士証の返納

宅地建物取引士は、宅地建物取引士の登録が消除された場合、または、宅地建物取引士証が効力を失った場合は、その失効した宅地建物取引士証が悪用されてしまう可能性がありますので、早くその者の手元から回収の必要があります。そこで、そのような場合は、宅地建物取引士は、速やかに、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければなりません。

「速やかに」という部分と、「交付を受けた都道府県知事に」という部分がポイントです。

宅地建物取引士証の提出

宅地建物取引士は、「事務禁止処分」を受けた場合は、速やかに、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に提出しなければなりません。「悪いことをした場合、一定期間、宅地建物取引士証を取り上げられる」、というイメージですね。

ここも、「速やかに」という部分と、「交付を受けた都道府県知事に」という部分がポイントです。

すなわち、事務禁止処分は、登録先の都道府県知事だけではなく、処分対象事由にあたる違反行為がおこなわれた場所の都道府県知事もおこなうことができますが、事務禁止処分を受けた際の宅地建物取引士証の提出先は、必ずしも「事務禁止処分をおこなった都道府県知事」ではありませんので、十分注意しましょう。

なお、宅地建物取引士証の提出を受けた都道府県知事は、その事務禁止の期間が満了した場合において、その提出者から返還の請求があったときは、直ちに、当該宅地建物取引士証を返還しなければなりません。事務禁止処分の期間が満了したからといって、黙っていても宅地建物取引士証が手元に戻ってくるのではなく、返還を受けたい場合は、ちゃんと「返してよ」と請求をしないといけないということですね。

罰則について

以上、宅地建物取引士証について、「提示」「返納」「提出」のポイントを説明しましたが、罰則についても触れておきましょう。

宅地建物取引士証を「返納」しなかった場合や「提出」しなかった場合、または、重要事項説明の際に宅地建物取引士証を「提示」しなかった場合は、10万円以下の過料に処せられます。

これに対して、取引の関係者から請求があった場合において宅地建物取引士証を「提示」しなかった場合は、このような罰則はありませんので、注意しましょう。

ちなみに、刑法等の刑事法では「科料」、宅建業法のような行政法規では「過料」が用いられます。区別するために、前者を「とがりょう」、後者を「あやまちりょう」と呼んだりします。

…今日はこれぐらいにしておきましょう。宅地建物取引士証の「提示」「返納」「提出」は、ひっかけの宝庫ですので、知識を確実なものにしておきましょう。

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仲井悟史

あなぶきハウジングサービス 東京東支店:仲井 悟史(なかい さとし)
東京イーストエリアで約10年にわたりマンション管理担当者を経験しています。前職は資格試験予備校で長年にわたり宅建等の講師として教壇に立っていました。その経験を活かし、現在、社内講師も務めています。息子たちと野球をしたり観たりすることが最大の楽しみ。
保有資格:管理業務主任者・マンション管理士・マンション維持修繕技術者・宅地建物取引士
特技:中国語
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