あなぶきセザールサポートの生山です。マンションやアパートの空室は年々増加しています。今満室で安心していても解約が重なって空室が増える可能性もあります…。空室で悩んでいる大家さんだけでなく、「今は満室だから大丈夫」という大家さんも参考にしてみてくださいね。
まず、空室対策をする前に自分の物件が空いている原因を知っておく必要があります。
「家賃が高いから決まらない?」
「設備が古いから決まらない?」
「そもそも問合せがない?」
それを知っているのは管理会社です。(知っているハズです…)
ということで、今回は大家さんが知っておくべき空室対策の一歩、“空室の分析”について、中でも重要なポイントを5つご紹介します。
- その①問合せ数を知る
- その②内見数を知る
- その③ライバル物件を知る
- その④空室率(入居率)を知る
- その⑤平均入居期間を知る
- まとめ
その①問合せ数を知る
リーシング(客付け)をお願いしている管理会社は、インターネットや店頭、業者間サイト等で募集を行っていますが、果たして1ヶ月間でどの位の問い合わせがあったのか。
これを毎月報告してもらうべきです。
2~3年データが貯まれば、自分の物件の問合せ数が減っているのか、増えているのかも分析することができます。
その②内見数を知る
問合せに対して物件の内見(下見)がどの位あったのか、これも管理会社に毎月報告してもらいましょう。また、内見があった場合はその仲介会社名、成約か不成約か、不成約であればその理由と、どの物件で決まったかもチェックしておきましょう。
その③ライバル物件を知る
立地、家賃帯、築年数などの条件が近いライバル物件があるはずです。大家さんは“自分のライバル物件”を知っていますか?知らなければ管理会社にお願いし、1~2件のライバル物件の動向を捉えておいてください。可能であれば自分の物件に行ったついでにでも、一度はライバル物件を視察しておくと良いと思います。(空室があれば内見もしておくべきです。)
その④空室率(入居率)を知る
自分の物件の空室率(入居率)は知っていると思います。
(100戸のマンションで10戸空室なら10%(入居率は90%)です。)
1年間の空室率=各月の空室数の合計÷(総戸数×12)
例えば100戸のマンションの例で毎月10室ずつ空いていたとすれば、
各月の空室数の合計は120なので
1年間の空室率は120÷(100戸×12)=0.1 →10%です。
…自分の物件の空室率は分かりましたよね?他にそのエリアの空室率、ライバル物件の空室率、その管理会社の空室率を知っておきましょう。
エリアの空室率を知ることで、自分の物件はエリアの中でどうなのか、
ライバル物件の空室率を知ることで、何が勝っているのか、劣っているのか、
管理会社の空室率を知ることで、自分の物件は管理会社の中でどうなのか、
(管理会社の空室率が高すぎるようであれば、他の管理会社に変えるという選択肢もありますね)
を知ることができます。
その⑤平均入居期間を知る
部屋毎に入居期間を把握しておくことで、自分の物件の平均入居期間を算出することができます。入居期間は空室対策と直接関係ないようにも見えますが、ライバル物件や他の物件と比べて自分の物件の入居期間が短いようであれば何か原因があり、対策が必要です。
空室対策は空室をどう埋めるかだけでなく、いかに防げた解約を発生させないか。つまり“住んでいる方に満足してもらい、長く住んでもらうこと”も同時に考えて行くべきです。
まとめ
最後に知っておくべきことをまとめたリストの例です。
できればこういった項目を把握して分析したうえで、「言われるがままに家賃を下げる」ということのないようにしてくださいね。
生山 亨
分譲マンションの管理担当(フロント)を経て賃貸仲介・賃貸管理・売買仲介・総務業務を経験。長年やってきた賃貸業務、中でも特に空室の改善、対策は得意分野です。現在は、あなぶきスペースシェアにおいて宿泊事業・マンスリー事業を行っています。
保有資格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者
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