2016年4月14日に熊本県・大分県で相次いで発生した地震(熊本地震)により、マンションにも大きな被害が発生しました。あらためてマンション防災についてはハード面・ソフト面の両面で管理会社としてしっかり取り組まないといけないと強く感じています。
特にあなぶきグループにおいては熊本県内で70棟を超える分譲マンションを管理しており、マンション(建物)・入居者様(お客様)・お取引先・社員が多大な被害を経験しました。この経験を将来に活かしていくために、これから数回にわたり熊本地震に関する情報をご紹介していきたいと思います。
初回は、熊本地震における分譲マンション被害の状況です。
目次
- 熊本地震の概要
- 分譲マンション被害規模
- 具体的な被害個所
- まとめ
熊本地震の概要
2016年4月14日夜と4月16日未明に震度7を観測する地震が2回発生したほか、震度6強の地震が2回、6弱が3回発生しました。日本国内における震度7を観測した事例としては、4例目および5例目に当たるほど大きな地震でした。
分譲マンション被害規模
株式会社東京カンテイによる世帯数に占める分譲マンション戸数の割合を示す「マンション化率」調査(2015年)によると、分譲マンション戸数は、熊本県全体で37,667戸、熊本市内で34,591戸とされており、県内の分譲マンションの約92%が熊本市内に集中しています。
その中で、分譲マンションにも大きな被害が発生しました。
一般社団法人マンション管理業協会による熊本県の被害状況調査によると、同協会の会員(マンション管理会社)が受託している分譲マンションにおける被災状況の内訳は下記のとおりです(平成28年6月14日時点)
具体的な被害個所
分譲マンションで発生した主な被害を下記に分類しました。
・壁やタイルなどの被害
・玄関ドアの開閉障害
・地盤の被害
・エクスパンションジョイントの被害
・ライフライン停止や設備の被害(受水槽・エレベーター・給排水管)
まとめ
このように大きな被害が発生した熊本地震ですが、大切なことは被害発生後にどのような対応をしていくかということです。入居者だけではなく、管理組合や管理会社、地域住人や行政が連携して復旧対応に努めていかなければなりません。そのために事前の防災準備をしっかりとしていく必要があります。
次回は地震発生後にどのようなことが現場で起こっていたかご紹介します。
松井 久弥
2000年あなぶきハウジングサービス入社。
全国10都道府県において、管理担当・リプレイス営業・新規拠点立上げ・部門責任者に従事。特にマンション管理会社のM&Aにおいては、案件化からデューデリ・譲渡契約・お客様対応全般・統合後プロセス(PMI)までを実践。
マンション管理士、M&Aシニアエキスパート。
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