NISA?それともiDeCo? ③おすすめはどっち?

遠藤佳代

いよいよ2024年から新NISAがスタートします。これを機にNISAを始めようと思っている方、準備はされていますか?

NISA口座の開設は、金融機関を決めて口座の開設手続きを終えた後、税務署の審査・承認があります。そのため、オンライン上のみで口座開設ができる金融機関でも、口座開設からNISAを始められるまでに、最低でも2、3週間はかかるとされていることが多いです。

今は新規のNISA口座開設が増えていること、この先は年末年始にまたがることから、さらに時間がかかることが予想されます。1月から新NISAを始めたいけどまだ口座開設をしてない!という方はすぐに開設の手続きを始めましょう。

 

NISAにする?iDeCoにする?

 

さて、本題に入りまして…

2回にわたってNISAとiDeCoについてお話ししてきました。中には、NISAとiDeCoどちらを始めようか悩んできた方もいるのではないでしょうか?
そんな方のために、3回目の今日は NISAをおすすめする方iDeCoをおすすめする方、それぞれお話していきます。

 

iDeCoをおすすめする方

 

・お金の管理が得意な人
・情報収集が苦にならない人

 

iDeCoは節税効果が見込める一方、税金の仕組みは複雑で場合によっては対策が必要になることがあります。また、税制は毎年改正されていくものです。

つい最近では、2023年「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針)の中で、退職所得課税制度の見直しが盛り込まれ、また増税になるのかと話題になりました。
その後、政府は2024年度の税制改定では見送りとし、2025年以降の見直しとすると発表しています。

今後の税制改定によっては、iDeCoの給付金の受け取り方も再考することが必要になってきます。

こういった情報収集が苦にならず、税制優遇を最大限に活用したい人におすすめです。

 

・ライフプランの見通しが立っている人

 

結婚、子供の教育、マイホームの購入、親の介護など、ある程度の見通しが立っており資金計画が十分という方。

 

・貯蓄がある人

 

ある程度貯蓄があり、iDeCoで積み立てるお金が60歳まで引き出せなくても大丈夫という方。

 

iDeCoが向いていない方

 

・情報収集は最低限にしたい人

 

税金について情報収集するよりは投資先についての情報収集に時間を割きたい方、そもそも情報収集は苦手で最低限におさめたい方。

 

・収入がない人、少ない人

 

専業主婦(夫)や無職で収入がない方、パートなどで収入が低い方は、そもそも所得控除がありません。iDeCoによる節税効果はないので、毎月の手数料がかからないNISAの方が良いでしょう。

 

・iDeCoの開始年齢が50歳以上かつ60歳でお金を受け取りたい人

 

iDeCoは、60歳で給付金を受け取るためには、最低10年間の通算加入期間がなければいけません。50歳を過ぎてNISAかiDeCoを始めたいけど、60歳でお金を受け取りたい方はNISAを選びましょう。

 

・収入の変動が大きい人
・ライフプランが決まっていない人

 

みなさんが思うiDeCoの最大のデメリットは60歳まで原則お金が引き出せないことでしょう。そのため、収入の変動が大きい人や、今後のライフイベントでお金が必要になる可能性が高い方は注意しましょう。

 

iDeCoで注意が必要な人

 

会社の退職金とiDeCoの一時金(=給付金の一括受け取り)を同時に受け取ると退職所得控除額の制限によって税金が高くなる可能性があります。その場合はiDeCoは年金として分割で受け取るか、(会社の制度と合致していれば)iDeCoの一時金を60歳で受け取り、退職金を5年以上後に受け取ることで、退職所得控除に調整が入らないようにするなど、対策が必要です。

 

NISAをおすすめする人

 

・毎月拠出できる金額が少ない人
・運用利回りが低い商品を購入したい人

 

iDeCoは毎月の手数料がかかります。この手数料が高額な方、運用利回りが低い商品を購入したい方は、iDeCoで効率よく資産を増やすことができません。このような方は毎月の手数料がかからず、また、いつでもやめることができるNISAを選びましょう。

 

・とりあえずやってみたい人

 

とりあえず積立投資をやってみて続けられるか試してみたい方は、いつでもやめられるNISAが良いでしょう。

 

…私が思うBestはiDeCoに上限額まで拠出し、それ以上の金額を拠出したい場合はその分だけNISAを利用する」です。iDeCoに満額拠出するといざという時が不安だ、という方はiDeCoの割合を少し減らしてもいいかもしれません。

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか?
以上のように、長期の積立投資を始めるということは、自分のこれからの人生についてライフプラン、マネープランを考える良いきっかけとなります。

令和4年の国民生活に関する世論調査として、日々の悩みや不安の内容について、「老後の生活設計について」を挙げた人の割合が63.5%もおり、年々上昇しています。

国民生活に関する世論調査(令和4年10月調査)調査結果の概要 – 内閣府 (gov-online.go.jp)

その一方で、自分が将来もらえる年金の金額を知らない退職金の金額を知らないという方も多くいます。もちろん私たちが高齢者になる頃には、今と同じ条件ではないかもしれません。

しかし、ただ漠然と不安を抱いているだけではなく、人生何が起こるかわからないこそ、年金額や退職金、今後の収入について現状把握をして、今から準備をしておくことが大切ですね。

そしてもう一つ、忘れてはいけないのは資産運用にはリスクはつきものです。あくまでも無理のない資産運用をするように心がけましょう。

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遠藤佳代

あなぶきハウジングサービス 
財務・経理本部 経理課
遠藤 佳代(えんどう かよ)

東京都出身 2008年入社後、2011年にあなぶきグループの一員になりました。
マンション会計課にて管理組合の会計業務に携わったのち、現在は経理課で会社の経理業務に従事しています。

皆様の身近で関心のある、お金にまつわる情報を発信していきます。

趣味:旅行(国内外問わず)・サッカー観戦(Jリーグ)
資格:日商簿記二級・管理業務主任者・マンション管理士・マンション維持修繕技術者・
宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
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