こんにちは。
あなぶきハウジングサービスの篠原です。
新型コロナウイルス感染が拡大する中、安倍晋三首相はいよいよ東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪・兵庫・福岡の7都府県に『緊急事態宣言』を発令しました。
前回のブログは、最新情報・予防法や、感染が疑われたらどうしたら良いかなど『新型コロナウイルス』において基本的に知っておくべきことをまとめました。
今回は、2003年に香港で実際発生したマンションでのウイルス感染事例とその対策、マンションの共用部におけるウイルス感染の予防について考えてみたいと思います。
香港の高層マンションでSARS集団感染が発生、300人以上が感染、42人が死亡
2003年4月、香港のマンション「アモイガーデン」(19棟・4,896戸)で集団感染が発生した。
E棟の各階の7号室と8号室は、下水管でそれぞれ垂直的につながっており、下水管への入り口である各排水口にはU字形の排水トラップが設置されていた。排水トラップというものは、排水管や下水からの臭気・虫などが逆流して居室への侵入を防ぐためのものだが、長期間の不在などでU字の底部分にたまっていた水が蒸発すると、下水から臭気や虫などが侵入することもある。
感染患者が7号室と8号室に多く発生したことは、感染者の便によってそれらの部屋の下水管が病原体で汚染され、そのウイルスを含んだ下水の小さな飛沫が、空気とともにバスルームの床から侵入したためと考えられている。
バスルームの換気扇は吹き抜け部分につながっているため、そこを通じて他の部屋にもウイルスが拡散した可能性もある。
出典:香港のアモイガーデン(Amoy Gardens)におけるSARSの集団発生について
(2019年7月11日 横浜市健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課)
(参考イメージ)排水トラップのしくみ
「アモイガーデン」の感染拡大の要因は?
簡単に言うと、
① 排水トラップの封水が蒸発して無くなった
↓
② ウイルス感染者の便が下水管を通って排水トラップに水が無いためウイルスがバス内に飛沫
↓
③ バスの換気扇により他の部屋にもウイルスが充満した
↓
④ 下水管は共有しているために多数の他の住戸で同様に発生して集団感染が起きた
(参考イメージ)排水管
日本のマンションでも起きる?
専門家の意見によると、
香港と日本は衛生環境などが大きく異なるため、排水管を通じて感染が広がる可能性は低いとの見解があります。
ただし、日本マンションも排水の構造は同じになりますので、キッチンやバスルーム、トイレ、洗面台、洗濯機パンなどの排水口(トラップ)の封水が切れないように給水を心がけることが大切となります。
(参考イメージ)バス排水口
その他、マンション共用部でのウイルス感染防止対応は?
次の対策をお勧めします。
◎密閉空間と言えばエレベーターです。エレベーターかご内には一般的に換気扇が設置されています。事態が終息するまでは換気扇を普段止めているマンションでも作動させましょう。
◎ドアノブ、手すりやボタン等の直接手が触れるところは、できるようであればアルコール消毒等を行い清潔に保ちましょう。
(参考イメージ)エレベーター換気扇
まとめ
マンションは住民以外の方も含めて多数の出入りがあり、高齢者から子供まで幅広い年齢層の方が住んでいます。他の住民との接触する機会も多く、感染のリスクは決して低くはないと考えます。
また、共用部はウイルス感染のリスクがあることを忘れないことも大切だと思います。
密閉、密集、密接の3密を避けて、マスクの着用、こまめな手洗い、うがい、咳エチケットを心がけて感染予防に努めましょう。
(その他参考ブログ)
https://anabuki-m.jp/%e7%94%9f%e6%b4%bb%e3%81%8a%e5%bd%b9%e7%ab%8b%e3%81%a1/31984/
篠原準
埼玉県出身。2004年入社。
入社以来、一貫して分譲マンションの管理部門に従事しています。これまでマンション管理という仕事を通じてお客さまのお役に立ちたい、お客さまからの信頼を高めたいという思いで務めて参りました。今回はブログを通じて読者の皆様へ価値と感動をお届けしていきたいと思います。どうぞ宜しくお願いします!
保有資格:管理業務主任者、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士
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