マンションの消防設備点検|消火器の点検と使用方法

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こんにちは、あなぶきクリーンサービスの福山です。

皆さんは消火設備と言ったら何を一番に思い浮かべますか?
恐らく消火器を思い浮かべる人が多いかと思います。

今日は一番身近な消火設備である消火器についてお話したいと思います。

消火器の種類

消火器とは初期の火災の段階で消火に用いられるもので、中に詰めた消火剤のもつ冷却効果や窒息効果にて消火するものです。

消火器にも色々な種類があります。

大きく分けて「粉末消火器」「泡消火器」「強化液消火器」「二酸化炭素消火器」に分けられます。
これらの消火器は火災の種類によって使い分けます。

A火災(普通火災)・・・建築物その他工作物(紙や木材など)の火災
B火災(油火災)・・・引火性の液体等(油やガソリン)の火災
C火災(電気火災)・・・通電(蓄電)中の電気設備等の火災

簡単な説明ですが、上記のように分けられます。

そして各々の消火器はどの火災に適応しているかと言うと

粉末消火器・・・基本的にはABC火災全てに適応。
泡消火器・・・AB火災に適応。
強化液消火器・・・A火災に適応。霧状に噴射する事でBC火災に適応可能。
二酸化炭素消火器・・・BC火災に適応。

簡単にまとめると上記のように適応します。

消火の仕組みや原理は省きますが、気になる方は調べてみてはどうでしょうか?
僕は消防設備の仕事に携わるまでこんなにも消火器の種類があるとは思ってもいませんでした(笑)

皆さんが一番目にする消火器はマンションにも置いてある粉末消火器かと思います。
「粉末消火器」はABC火災に対応しているので全ての火災に使用可能です。

先ほど説明したように様々な消火器がありますが、ここからは一番ポピュラーな粉末消火器の点検方法や使用方法を説明したと思います。

消火器の点検方法

「消火器具点検表」の点検項目を判定方法に従って点検します。
以下のような点検を実施しています。

・設置場所や設置間隔に問題はないか?
消火器は容易に持ち出すことが可能な位置にあるか?
床面からの高さが1.5m以下の箇所に設置してあるか?
消火器は歩行距離が20m以下の範囲で設置してるか?

消火器は初期の火災に使用するものなので、すぐに取り出す事が出来ないといけません。
消火器周りに物があると取り出しにくいですし、高い位置にあってもいけません。
基本的には歩いて20m以内に消火器が1本あるように設置してあります。

・標識はあるか?破損していないか?
標識の脱落や破損等がなく、見易い位置に種類に応じた正しい標識が設置されているか?

消火器を設置しても標識が無かったり見にくかったりしたら消火器を見つけられないかもしれません。

・消火器の外形の問題はないか?
消火器本体に変形や損傷等はないか?
安全栓の封や安全栓が確実に装着されているか?
ホースに変形や破損等はないか?
蓄圧式消火器の圧力は正常値か?

消火器が設置してあってもいざという時に使用出来なければ意味がありません。
目視や実際に手で確認して問題がない事を確実に点検していきます。

基本的な点検は以上になります。

いたずらなどでピンが抜いてある場合もありますので使用する際は注意して下さいね。
私も点検時にピンが抜けている事に気付かず噴出させてしまった事が一回あります。
滅茶苦茶慌てます(笑)掃除も大変ですので気をつけて下さいね!!

外形点検ばっかりで消火器の中身は大丈夫なの?と気にされる方もいらっしゃるかと思いますが内部点検もあります。

加圧式消火器は製造年から3年経過、蓄圧式消火器は製造年から5年経過したものは5年で全数の確認が終了するよう内部及び機能点検を実施するとなっています。
点検毎(半年毎)に1割の消火器を内部及び機能点検を実施したら5年で全数点検をした事になります。

「加圧式」と「蓄圧式」って何?違いは?

加圧式・・・本体容器内にある加圧用ガス容器の封を破る事により本体容器に圧力が掛かり消化剤を放出します。
蓄圧式・・・本体容器内に窒素ガスを蓄圧しており、消火器本体に圧力計が取付けてあります。

簡単に言うと加圧式は使用する直前に本体に圧を掛ける、蓄圧式は最初から圧が掛かっているという違いです。

現在は蓄圧式が主流となっております。

理由としては、加圧式消火器は一度レバーを握ると最後まで放出するので途中で止める事ができません。もし消火器本体に腐食や損傷があった場合はガスの圧力に本体が耐えきれずに消火器が破裂し消火器本体が体や顔に当たり大怪我、最悪死亡に繋がる事があります。

蓄圧式消火器は本体に腐食や損傷があった場合は自然とそこから圧が抜けていくので消火器が破裂したりする事はありません。圧力ゲージも付いているので目視ですぐに確認できます。
また、レバーを離したら消火剤の放出が止まり扱い易いです。

以上の理由で現在は蓄圧式が主流となります。

内部及び機能点検は以下のような点検を実施しています。

・消火剤に変色や腐敗はないか?
・加圧用ガス容器に変形や損傷はないか?
・カッター及び押し金具は動作はスムーズか?
・レバーの正常に動くか?

以上の項目を実際に消火器を分解して動作確認等を実施します。

いざという時にきちんと使用出来るように責任を持って点検させて頂いています!

消火器の使い方

皆さんは実際に目の前で火災が発生した時に正しく消火器を使用出来る自信はありますか?

避難訓練などで使用した事がある方は出来るかもしれませんが大半の方は使用した事すら無いかと思います。
私も消防設備点検に携わるまでまともに消火器を触った事はありませんでした。

意外と簡単なのでこの機会に覚えてみては如何でしょうか?

消火器の使用方法は加圧式も蓄圧式も同じです。

  1. 黄色い安全ピンを抜く。
  2. ホースの先端を持って火元に向ける。
  3. レバーを握って消火剤を放出する。

以上になります。
意外と手順は少ないんですよ!

皆さんは消防訓練の時などに消火器の使用方法は「ピノキオ」って聞いた事ないですか?

ピ・・・ピンを抜いて
ノ・・・ノズル、ホースをしっかり持って
キ・・・距離を保って
オ・・・レバーを押す

と言う意味です。「ピノキオ」をしっかり覚えて緊急時に対応出来るようになりましょう!

消火器を使用する際は風上で7~8m離れてから火の根元を狙うと効果的です!!

まとめ

いかがでしょうか?簡単ではありますが消火器についての説明になります。

難しい言葉が並んで面白味が無かったかとは思いますが、消火器を正しく使用する事により火災の被害を最小限に抑える事が出来るかもしれません。

自身の命、大切な人の命や財産を守る為にも消火器を使用出来るようになりましょう!

ご自身のマンションや地域での避難訓練・消防訓練がある際は参加して理解を深めて頂けたらなと思います。

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