あなぶきPMアカデミー(高松)館長に聞く!マンション防災のポイント

濵野里帆

こんにちは。あなぶきハウジングサービス 濵野です。

みなさん、災害時の備えはできていますか。

何か備えをしておかないといけないとは思っているけど、なかなか行動に移せていないという方も多いのではないでしょうか。
なんか難しそう…いざというときに考えればいい…など、後回しになってしまいがちですよね。

ということで今回の記事では、災害時にどのように備えると良いのか、あなぶきPMアカデミーの藤原館長に話を聞いてみました!

 

あなぶきPMアカデミー藤原館長プロフィール

「マンション生活学習館 あなぶきPMアカデミー」とは、香川県高松市にある人財育成施設です。
マンションの防災・減災について勉強できる「防災・減災エリア」など様々なエリアがあり、社員の育成だけではなく、商品・サービス情報の発信、情報集約基地としても機能しています。

そんな「あなぶきPMアカデミー」の藤原館長についてご紹介します。

2012年にあなぶきPMアカデミーの館長に就任しました。
1999年の広島市での豪雨災害から、2000年の鳥取県西部地震、2016年熊本地震などのマンションなど、様々なマンション被害対応の経験もあり、「マンション防災」に関するセミナーや講師などの実施もしています。

 

2014年広島土砂災害対応

 

2016年 熊本地震対応

現在は香川大学と徳島大学が連携して実施している「四国防災・危機管理プログラム」を履修し、今年は2年目になります。

 

あなぶきPMアカデミー館長に聞く!マンション防災について

Q.防災とは?

従来の防災は予防中心で、「防災=災害を防ぐ」という考え方でした。
ですが、地震、津波、豪雨など想定を超える災害が発生しており、災害を防ぐことは難しいことから、現在では
被災しないように、事前に地震、津波、土砂災害、水害等の対策をする【防災】
被害は必ず出ることを前提にして、被害を最小限に留める努力をする【減災】
早く復旧・復興できるように努力して、被災している期間を短縮する【縮災】
この3つを合わせて「防災」という考えになってきています。

 

Q.なぜ備えが必要なの?

災害時、被害を最小限に抑えるためには、「自助」「共助」「公助」の連携が大切です。

「自助」…自分の手で自分・家族・財産を助ける備えと行動
「共助」…近隣の皆さんと協力して地域を守る備えと行動
「公助」…市町村を始め、警察・消防・都・国といった行政機関、ライフライン各社を始めとする公共企業などの応急対策活動

「自助」「共助」「公助」の割合は、7:2:1と言われています。


大規模な地域災害となった場合、「地方自治体」「警察」「消防」「病院」「管理会社などの企業や社員」も同時に被災しますので、より一層地域住民の助け合いが重要です。

「自助」の7割があってこそ、「共助」「公助」が機能します。
「自らの安全は自らが守る」と考え、災害に備える必要があります。

 

Q.どのように備えればいいの?

・「自助」のポイント①家具などの転倒を防ぐ

「生き残ること」と「安全」が最優先です。
家具転倒防止具を取り付けたり、食器棚の扉が開かないようにしたり、ガラスなどの破損をできるだけ防げるようにしておきましょう。

・「自助」のポイント②立地環境・避難場所の確認・家族と話し合い

ご自身が住んでいるマンションの海抜や、ハザードマップなどで津波・洪水のリスク想定を確認し、在宅避難できないときは、どこに避難するか、どういった経路で移動するかなどを事前確認しておきましょう。

また、仕事中、子供が学校に行っているとき…など災害はいつ起こるかわかりません。

・安否確認の方法(携帯がつながらないこともありますので171災害伝言ダイヤルを練習しておく)
・避難場所
・待ち合わせ場所
など家族と話し合い、災害が起きた時の行動を事前に決めておきましょう。

 

・「自助」のポイント③非常持ち出し品の準備

非常持ち出し品は、リュックなどに入れ、持ち出しやすいようにしておきましょう。

何を準備したらいいか分からない場合はこちらの表を参考にしてください。

このほかにも、赤ちゃんがいる家庭はミルク・ほ乳瓶、必要な方は常備薬、眼鏡なども必要なものは人によって異なります。
電気、水道がなくなって、自分がないと困るものを想像して備えましょう。

 

・「自助」のポイント④非常備品類を準備

非常持ち出し品の他に、在宅避難ができるように、非常備品類も準備しておきましょう。
水や食料など、非常持ち出し袋分を含め、1週間分(最低でも3日分)は備蓄しておきましょう。

水や食料は賞味期限が心配という方もいらっしゃると思いますが、ローリングストックするのがオススメです。ローリングストックとは、普段から少し多めに買っておき、使ったら使った分を新しく買い足していくストック方法です。

特に、飲料水・非常用トイレ・カセットコンロと食料は必須です。

大地震後は、長期間、エレベーターが停止状態になることが多いので、発災後に水を購入して階段をつかってしんどい思いをするなら、平常時(エレベータが動くとき)に、重たい水などは搬入しておきましょう。

その他にも下のようなものを準備しておきましょう。

 

Q.共助はどのようにすればいいの?

マンションでは特に共助が大切です。

マンションごとに、マンション住民で「マンション地区防災計画」などを作成準備しておくことが非常に重要です。作成準備といっても、この「マンション地区防災計画」は、作成が目的ではなく、マンション住民で考えて話し合うといった「過程」が大事であり、その成果物が「マンション地区防災計画」だったり「マンション防災マニュアル」になるだけですので、「地区防災計画を作成」という概念におどらされないように注意が必要です。

また、防災マニュアルを難しく考えないで、「自分の住んでいるマンションで、発災前に何か準備しておくことはないか」「自分の住んでいるマンションで、発災後は何が困りそうか」といったことを考えて話し合い、最初は簡単なものから作成しましょう。そして、避難訓練とか安否確認訓練などができれば、その内容を振り返り、不足分をマニュアルに追加や変更し、更新を続けていきましょう。そうすれば、実態に沿った防災計画になっていきます。

いま、「何かをしなければ・・・」とか、「何か準備した方が良い・・・」と考えたら、既に「あなたの防災」は始まっています。できることから始めましょう。

 

地区防災計画(ちくぼうさいけいかく)とは
平成25年の災害対策基本法改正で、自助及び共助に関する規定がいくつか追加され、住民による自発的な防災活動に関する地区防災計画制度が新たに創設された

 

あと、マンションごとの地区防災計画では
「あらかじめルール」「役割」を事前に決めておけば、発災後に困ることが少なくなります。

そして、災害は、朝、昼、夜といった具合に、いつ発生するか分かりません。
普段なら帰れたのに、交通機関が停止したがために帰宅困難に陥り、学校から子供達だけが先に帰宅してしまうケースや、高齢者達だけになってしまうなど、発災後は予定外の状況になります。

なので、普段から、お隣さんやご近所さんとコミュニケーションをとり、いざという時にお互いを助け合える関係性を築いておきましょう。

防災についての話し合いや避難訓練にはなかなか人が集まらない…という場合は、夏祭りなどのイベントに防災に関することも組み込んでみてはいかがでしょうか。

 

Q.何から始めればいいの?

できることから始めましょう。

例えば、今日家に帰ったら自分の地域のハザードマップを見て、避難場所を確認したり、家族と避難場所について話しをしたりなど、すぐにできることから始めましょう。

何かしなくてはいけないと思ったときから防災は始まっています。
まずは「自分の命は自分で守る」という自助意識をもって備え、自分の命が守れたら「お隣さんやご近所さんを助ける」といった共助意識で、マンション単位で「いざ」という時に備えましょう。

 

 

まとめ

藤原館長、ありがとうございました。

災害時の備えは後回しになってしまっているという方も多いと思いますが、災害はいつ起こるか分かりません。
「公助」だけでは十分とは言い切れませんので、「自分の命は自分で守る」ためにも備えておく必要があります。自分もすぐにできることから始めたいと思います。

あなぶきPMアカデミーについて、過去の記事も是非ご覧ください。

【災害に強いマンションづくり】あなぶきPMアカデミー(高松)防災・減災エリアを紹介します!

 

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濵野里帆

あなぶきハウジングサービス 広報室
濵野 里帆(はまの りほ)
大学を卒業後、金融業界に就職し営業として働いておりました。
2018年の入社を機に約7年ぶりに地元香川県に戻り、現在は高松市にて勤務しております。

グループの広報として当社の魅力を発信していきたいと思います。
趣味:音楽鑑賞 保有資格:FP3級 
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