こんにちは。あなぶきコールセンターの和田です。
当センターでは月間で約6,000件の様々なお問合せ・ご相談・ご依頼を受け付けています。
その内容は、マンションライフに関わることから、少し離れた内容まで多岐にわたりますが、
その中から、皆さんが関心がありそうなこと、知っていそうで意外とご存じ無いこと等々を取りまとめて発信していきたいと思います。どうかお付き合いください。
今回のテーマは、『【3分で解かる】住所の正確な番地の調べ方とは』です。
自分たちが毎日暮らす「住居」については身近すぎて、意外と知らないことが多いものです。
今からお伝えする内容は、マンションに限らず、一戸建て・アパートでも同様ですが、皆さんは下の目次を読んでみて、「それくらい知っているよ!」と即答できますか?
正式な住所の表記の調べ方
先日、当コールセンター宛に下記のような問合せ入電がありました。
【内容】
行政に提出する手続の関係で、マンションの正確な住所を知りたい。
「広島県広島市中区○○町4-5」とありますが、これは「4番5号」ですか?
それとも「4番地5」ですか?
この物件の場合は「4番5号」が正解でしたが、どうやって調べるかご存知ですか?
正解は『住居表示の実施地域か否か』で判断します。
各都市で、どの地域が住居表示を実施しているかを調べるには、Google検索などで
『●●市 住居表示』などと検索してみて下さい。
検索結果の上位に市役所のホームページ等で「住居表示制度について」等と解説していると思います。
各都市によって差は有りますが、このように『住居表示の実施地域か否か』を表示していますので、調べたい町名が該当するかどうか調べましょう。
ちなみに、町名に「○○町一丁目」のように「丁目」がある場合は、念入りに確認が必要です。
同じ町名でも「丁目」が違うと実施地域で無いケースがあるからです。
今回の事例では「○○町」は実施区域でした。
・実施区域の場合は、正式な住所は『△△番□□号』と表記します。
・未実施区域の場合は『△△番地□□』と表記します。
(「番」ではなく「番地」と表記し、□□の後に「号」が付かない)
何だかややこしいですね。
慣例的に住所は、町名と土地の地番(登記簿で確認できる)で表示していました。
土地の”地番”は『△△「番」□□』と表記します。これを”住所”として扱う場合は、地番ではなく住所を表していることを明示するため(地番と住所を区別するため)に、『△△「番地」□□」と表示してきたのです。
※表示してきたのです・・・と過去形で書きましたが、先に記したように、住居表示未実施区域は、現在もこの表示の仕方です。
しかしそれでは、色々と不都合が生じた為、戦後に『住居表示』制度ができました。
このあたりの経緯は、同じく広島市役所のホームページの解説が非常に丁寧です。
市街地では、住居を土地の地番で表示した場合、次の理由から、訪問先等の場所がわかりにくく、市民生活に不便を生じていました。
(土地の地番による住居の表示がわかりにくくなる理由)
・土地の地番は、分筆や合筆で欠番が生じ、必ずしも規則正しく並んでいない。
・町や字などの地番区域が広すぎる。
・町の境界が複雑に入り組んだ場所がある。このことから、住居を表示する制度を確立することにより、市民生活の便宜を向上させ、もって公共福祉の増進に資するため、昭和37年(1962年)に「住居表示に関する法律」が制定されました。広島市では、昭和40年(1965年)から、順次、住居表示を実施しています。
出典:広島市役所ホームページより
さあ、これで正しい住所の表記の仕方が解かりましたね?
一度皆さんの住所でも調べてみて下さい。
例えば、弊社 あなぶきハウジングサービスの本社住所(高松市紺屋町3-6)は、未実施区域なので「3番地6」が正式な住所ですね。
番地の調べ方
法務局へ問い合わせる
法務局へ電話で問い合わせることで、正確な番地を教えてもらうことができます。ただし、地図上で確認できる部分のみの回答になるため土地の所有者などの情報は教えてもらうことができません。
ブルーマップを活用する
一般的に販売されている地図ではなく、ブルーマップを用いると地番や用途地域、容積率、建ぺい率などその土地に関する詳しい情報を調べることができます。発行元から購入するか、図書館や法務局などで閲覧することができます。
平米数から正確な坪数の調べ方
これもご存じ無い方が多いのではないでしょうか?
一般的に は「1坪=3.3平米でしょう?」と概算で計算できますが、不動産の取引は高額なので、わずかな計算値の差が坪単価・平米単価に大きく跳ね返ります。当然、不動産業界ではもっと厳密に計算します。
キーワードは「0.3025」です。
計算方法:平米数×0.3025=坪数
具体例・・・87.48平米×0.3025=26.46坪
逆の場合(坪数から正確な平米数を知りたい!)でも、同じ要領で計算できますね。
計算方法:坪数÷0.3025=平米数
具体例・・・100.00坪÷0.3025=330.5785平米
※なお、この計算式でわかるように、1坪はおよそ3.30578平米になるので、
100.00坪×3.30578=330.578平米のように、坪数×3.30578 の掛け算で計算する方が実務では一般的です。
平米数から部屋が何帖(畳)かの調べ方
畳の大きさは「江戸間」「京間」「公団サイズ」などと種類が異なるとサイズが違ってきます。
ですが、不動産業界では『不動産の表示に関する公正競争規約施行規則』によって、下記のように決まっています。
第10条(16)住宅の居室等の広さを畳数で表示する場合においては、畳1枚当たりの広さは1.62平方メートル(各室の壁心面積を畳数で除した数値)以上の広さがあるという意味で用いること。
出典:-不動産の表示に関する公正競争規約施行規則-
http://www.rftc.jp/kiyak/hyouji_sekou.html
従って1畳=1.62平米で計算しておけば間違いありません。
畳の長さ180センチ×幅90センチ の面積ということですね。
分譲物件は予め何帖(畳)かパンフレット図面に表示されている場合が多いですが、
賃貸物件でも建築図面などで寸法が解かれば、和室以外の部屋が何帖(畳)あるか計算できますよ。
まとめ
いかがだったでしょうか? 色々と細かく決まっているのだなあ?と驚かれた方も居られるかも知れません。
というわけで、今回は、いきなり聞かれても困らない「正確な物件の表示」についてのまとめでした。
和田典久
香川県高松市生まれ。早稲田大学法学部卒。
学生時代は弁護士を志すも夢破れて帰郷し、2001年に入社。最初の配属は賃貸事業部。
高松で賃貸仲介を4年、広島でPM業務を5年務め、2010年12月よりあなぶきコールセンターで全国からのお客様の声に向き合う。
2021年7月からは事業推進本部 業務推進課で分譲・賃貸・CX・コールセンターとも連携した全社的な業務推進を進めていく。
このブログでは、これまでの現場経験を生かしてお役立ち情報を発信していきたいと思います。
珈琲と旅行をこよなく愛する、最近メタボ気味な48歳。
【保有資格】宅地建物取引士 管理業務主任者 賃貸不動産経営管理士
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