宅建合格講座! 法令上の制限(直前編)|「用途規制」を解くときのポイント

仲井悟史 仲井悟史

こんにちは、仲井です。今回も直前編でして、法令上の制限の「用途規制」(よく「酔うと帰省」と誤変換されます…)のポイントを説明します。出題頻度は少ないですが、改正点を含むので、今年は出題に備えておいたほうがよいでしょう。では、早速中身に入っていきましょう。

 

目次

  • 用途規制とは
  • 具体的な規制
  • 複数の用途地域にまたがる場合

 

用途規制とは

都市計画法の分野で、「用途地域」という言葉が登場しますが、これは、「ここは、住居系の地域にしよう」「ここは商業系の地域にしよう」「ここは工業系の地域にしよう」というふうに、エリアごとに用途を決めるもので、都市計画(街づくりの計画)の一種です。

用途地域には、住居系7種類(①第一種低層住居専用地域・②第二種低層住居専用地域、③第一種中高層住居専用地域・④第二種中高層住居専用地域、⑤第一種住居地域・⑥第二種住居地域、⑦準住居地域)、商業系2種類(⑧近隣商業地域、⑨商業地域)、工業系3種類(⑩準工業地域、⑪工業地域、⑫工業専用地域)の、合計12種類あります。

そして、建築基準法では、この「用途地域」という計画にふさわしくない建築物を建築させないため、「用途規制」を定めています。

では、これから、どの建築物が、どの地域に建築できる(できない)のかを見ていきましょう。なお、以下、単に「建築できない」という表現をしますが、「特定行政庁の許可がなければ建築できない」というのがより正確な表現です。もっとも、本試験では、ほとんど「特定行政庁の許可は考慮しないものとする」と出題されますので、普段の学習では、「建築できる」「建築できない」で覚えてしまって大丈夫です。

 

具体的な規制

1 生活等に必要な建築物

最初に、生活に特に必要がある等の理由で、建築できる地域がきわめて広い建築物を説明します。

まず、寺院、教会、神社等の宗教施設は、信教の自由という精神的な権利と深く結び付いており、法による規制にあまりなじみませんので、どの用途地域でも建築できます

同様に、診療所、巡査派出所、保育所等も、身近な場所に必須のものですので、どの用途地域でも建築できます

また、住宅、共同住宅、図書「館」、老人「ホーム」という「家」のグループは、建築できる用途地域が幅広く、①第一種低層住居専用地域から⑪工業地域までの地域で建築できます(「家の門限11時まで」「いい図書」などと覚えましょう)。⑫工業専用地域には建築できません。

さらに、幼稚園や小・中学校、高校も、身近にあったほうがよいといえますので、①第一種低層住居専用地域から⑩準工業地域までの地域で建築できます(「高校までは成績10番以内」と覚えましょう)。

次に、ある程度必要な建築物として、大学や病院(「診療所」よりも大きいものです)が挙げられます。これらは、建築できる地域が比較的広く、①②低層住居専用地域はダメ、③第一種中高層住居専用地域~⑩準工業地域はOK、⑪⑫工業・工業専用地域はダメ、という規制です。そこで、「ダメ」の部分に文字をあてはめて、「だいーーーーーーーーがく」とか「びよーーーーーーーーいん」という覚え方をすることが多いようです(「なーーーーーーーーーーす」や「どくたーーーーーーーーー」は不可です)。

2 アミューズメント的な建築物

以上に対して、ぱちんこ店やマージャン店等の娯楽施設は、建築できる地域が狭くなり、①第一種低層住居専用地域から⑤第一種住居地域はダメ、⑥第二種住居地域~⑪工業地域はOK、⑫工業専用地域はダメ、という規制です。(「ぐんかんまーーーーーーち」などと覚えたりすることが多いようです)。

また、カラオケボックスは、①第一種低層住居専用地域から⑤第一種住居地域はダメ、⑥第二種住居地域~⑫工業専用地域はOK、という規制です(「アフターファイブ」「のどちんこーーーーーーー」などいろいろな覚え方があるようです)。

さらに、映画館や劇場は、200㎡以上の場合、商業施設に近いといえ、⑧近隣商業地域、⑨商業地域、⑩準工業地域で建築することができます200㎡未満の場合(ミニシアターというイメージです)、⑦準住居地域から⑩準工業地域で建築することができます(ちょっとフランス風に「ミニシアトル準準座る」?という感じ)。小さい映画館なので、道路の沿道の地域である準住居地域なら建ててもいいですよ、ということです。

ここで、アミューズメントとは違いますが、風俗関連の建築物は、改正点を含むので、注意が必要です。

すなわち、キャバレー・料理店(「飲食店」とは違います)は、⑨商業地域と⑩準工業地域のみで建築可能ですが(「キュウに、トオっちゃダメダメ」「あきないじゅんこ」)、改正によって、このグループの中の一つであった「ダンスホール」は「カラオケボックス」と同じ扱い、また、「ナイトクラブ」は「映画館」と同じ扱い、となりました。ダンスが中心かどうか、照明の明るさ、酒等の飲食類を提供して接待するかどうか等、様々な要素を考え、ダンスホールは、夜の社交場というイメージから遠いと考えられるのでしょう。

なお、改正ではありませんが、個室付き浴場(「公衆浴場」とは違います)は、⑨商業地域にしか建てられません(「バタンキュー」とか「お湯が熱くてクッ!」とか、いろいろな覚え方があります)。過去に出題されたことがあるので、一応押さえておきましょう。

3 その他の建築物

倉庫業を営む倉庫」「自動車修理工場(150㎡以下)」は、①第一種低層住居地域から⑥第二種住居地域までは建築することができませんが、⑦準住居地域から⑫工業専用地域まで建築することができます(「うえるはうすーーーーーー」「くるまなおすーーーーーー」)。これらは、自動車と関連が深い建築物ですので、道路の沿道の地域である準住居地域から建築することができるのです。

 

複数の用途地域にまたがる場合

建築物の敷地が、複数の用途地域にわたる場合、どのように考えたらよいのでしょうか。たとえば、敷地が第二種住居地域と準住居地域にわたる場合、倉庫業を営む倉庫を建築することができるのでしょうか。

建築物の敷地が、複数の用途地域にわたる場合、その建築物等について、敷地の過半に属する地域の用途規制の適用を受けるとされます。

要するに、「広い方」の用途規制の適用を受けるということです。

「規制が厳しい方」ではありませんので、注意しましょう。

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仲井悟史

仲井悟史

あなぶきハウジングサービス 東京東支店:仲井 悟史(なかい さとし)
東京イーストエリアで約10年にわたりマンション管理担当者を経験しています。前職は資格試験予備校で長年にわたり宅建等の講師として教壇に立っていました。その経験を活かし、現在、社内講師も務めています。息子たちと野球をしたり観たりすることが最大の楽しみ。
保有資格:管理業務主任者・マンション管理士・マンション維持修繕技術者・宅地建物取引士
特技:中国語
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