こんにちは!今回は海外旅行からの帰国時、お土産にかかわる税金です。
「携帯品・別送品の簡易税率」とは
海外旅行のお土産(携帯品)や旅行先から日本へ送ったお土産(別送品)にかかわる税金には「携帯品・別送品に対する簡易税率表」が適用されます。
課税価格が1万円以下の免税を超える携帯品・別送品が対象となります。
また、旅具通関扱いとして、商業用の物であっても手荷物で商品やサンプルを持ち帰る場合、課税価格の合計が30万円程度以下、かつ輸入貿易管理令の規定(ワシントン条約など)による承認が不要なものにも適用されるようです。
「携帯品・別送品に対する簡易税率表」
品名 ※税率 1 酒類 ウイスキー、ブランデー 800円/ℓ ラム、ジン、ウォッカ 500円/ℓ リキュール 400円/ℓ 焼酎 300円/ℓ その他の物(ワイン、ビールなど) 200円/ℓ 2 たばこ 紙巻たばこ 15円/本 加熱式たばこ 葉たばこスティック 15円/本 葉たばこカプセル及びグリセリン等をセットにして小売用に包装したもの 50円/個 3 その他の物品(関税が無税の物を除く) 15%
「携帯品の簡易税率等」税関HP ※関税と消費税などを合わせた税率
1個、または1組の課税価格が10万円を超えるものや、米、海苔、パイナップル製品、こんにゃく芋、紙巻たばこ以外のたばこ、猟銃は簡易税率ではなく、一般税率が適用されます。
お米の輸入に関しては税金の他に納付金が必要です。
入国者の携帯品、別送品に対する関税は、申告納税方式ではなく、賦課課税方式になっているので、税務官庁が税額を確定して納税者に通知をする形になっています。
課税されないものはあるの?
免税の対象となるのは、海外旅行者が入国する時に一緒に持ち込む携帯品・別送品で個人的に使用すると認められるものになります。商業用のものは海外小売価格1万円以下は免税となりますが、その範囲を超えると全て課税されます。
以下入国者一人当たりの免税とされる範囲です。携帯品・別送品、両方ある場合は合算されます。
「携帯品・別送品の免税範囲」
酒類3本(1本760ml)、香水2オンス、紙巻たばこのみの場合200本、加熱式たばこのみの場合個装等10個、葉巻たばこのみの場合50本、その他の物品は海外価格20万円まで等。
1品目ごとの合計額が1万円以下の物(1個3,000円のお茶が3個等)は免税となります。
その他、腕時計、貴金属性の万年筆、ゴルフクラブ、書画、彫刻、パソコンなどは関税無税品として消費税・地方消費税のみが課税されます。
お米に関しては、本人やその家族、友人へのお土産などで輸入する場合、届け出することで100キロまで(過去1年間の輸入数量)納付金と関税が免除されます。病害虫検査のため輸出国の「検査証明書」が必要なので、必ず受け取って帰りましょう。納付金・関税免除のためには植物検疫カウンターに「米穀の輸入に関する届出書」を提出することになります。
「米麦などを輸入される方へ」農林水産省HP
税額計算してみよう
酒類・たばこ・その他品目 各品目ごとに免税・課税を決めていきます。旅行者に有利になるよう品目を選択してもらえるようです。品目ごとの税額100円未満は切り捨てになります。
携帯品の例 *個人で使用するもの
ブランデー760ml 3本、ワイン750ml 2本、衣類1着6万円、ハンドバッグ1個14万円、書画8万円
酒類 760ml・3本まで免税にできるので、ワイン2本分が課税になります。
ブランデー 0.76/ℓ×3本×800円/ℓ=1,824円(関税)←免税
ワイン 0.75/ℓ×2本×200円/ℓ=300円(関税)
その他の物品 一人当たり海外小売価格20万円までが免税となるので、衣類とハンドバッグを免税にします。
書画は関税無税品なので、消費税と地方消費税のみとなります。
衣類 60,000×0.6=36,000(課税価格) 36,000×15%=5,400円(関税)←免税
ハンドバッグ 140,000×0.6=84,000(課税価格)84,000×15%=12,600円(関税)←免税
書画 80,000×0.6=48,000(課税価格)
48,000×7.8%=3,744 → 3,700円(消費税)
3,700×22/78=1,043 → 1,000円(地方消費税)合計 4,700円(消費税・地方消費税)
納める税金は300円+4,700円=5,000円 になります。
申告と納付の流れはどうなっているの?
空港内や機内・船内の中で配布される「携帯品・別送品申告書」の書類と他の法令にかかわる場合は許可証を税関に提出します。領収書・カード利用明細なども提示を求められる場合があるので、捨てずにすぐ出せるようにしておきましょう。税関の審査・検査後、算出された関税・消費税を納付すると携帯品を引き取ることができます。
現在ではPCやスマートフォンによる電子申告が推奨されているようです。
携帯品・別送品申告書の情報が含まれた二次元コードを税関検査場で読み込ませることによって申告することができます。
(Visit Japan Webリンク)
最後に
最近は海外の方が日本より安いものがあって、たくさん買って帰る時などは、関税がいくらになるのか気になりますよね。なるべく税金がかからないように、うまくお土産を買って帰ることができればいいですね。

田中 智恵
財務・経理本部 経理課
田中 智恵(たなか ちえ)
2009年入社
2年程組合の庶務業務を経た後、会社の経理業務に携わってきました。
現在は、九州エリアの経理を担当。
主に預金関係、売上・原価のチェック、立替精算書チェック、問い合わせ対応を行っています。
趣味:庭の手入れ、音楽鑑賞、読書
資格:日商簿記二級・管理業務主任者・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士ほか

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