こんにちは! 前回は取得時にかかる環境性能割でした。今回は自動車重量税について見ていきますね。
重量税って何?何に使われているの?
自動車の重量等に応じて課税される国税です。
車が重いほど道路の劣化が大きくなりやすいため、重量に応じて課税されています。
国税ですが、令和4~15年度は重量税収入額全体の357/1,000の金額が都道府県や市町村が保有する道路の面積等に応じて、国から地方へ譲与されています。この割合は段階的に引き上げされる予定です。
納められた税金は以前、道路補修に使われていたようですが、現在は一般財源化されて使い道について特定されておらず、道路以外の公共サービスにも使われています。
軽自動車は定額ですが、普通自動車などは重量に応じて課されることになっています。
通常は自動車販売会社や車検業者が手続きしているのですが、自動車の新規登録時や車検の時に自動車重量税印紙を購入して納付されています。
重量税は前払いなの?還付されることはあるの?
重量税は車検の有効期限分を前払いします。
普通自動車の場合、新規登録から3年後に初回検査、その後は2年毎に検査をするので、重量税もその分を前払いすることになります。もし、途中で廃車にするようなことがあれば、税金を納め過ぎることになりますから注意が必要です。被災者生活再建支援法の適用を受けるような災害によって廃車にする場合も還付が受けられます。最近自然災害が多いので、覚えておきたいですね。
通常、車検残存期間1ヶ月以上であれば、手続きをすれば残存月数に応じて還付されます。ただし、自動車リサイクル法に基づき適正に解体されたものでなければいけないようです。手続きは、解体を事由とする「永久抹消登録申請」または「解体届」と同時に「還付申請書」を運輸支局に提出をする、という流れになります。
(注意:還付申請書のみ後日提出しても受け付けてくれません)
実際に還付金が支払われるのは、申請から約2ヶ月半程かかるといわれています。
自然災害による廃車の場合は手続き上の特例措置が取られることもありますので、災害にあった時にはチェックしましょう。
非課税や免税になる車はあるの?
クレーン車やブルドーザ、路面整備車両などの大型特殊自動車は非課税となります。
その他環境性能割と同様に、バリアフリー特例によりノンステップバスやユニバーサルデザインタクシーは初回分が免税になります。
さらに、ASV特例により衝突被害軽減ブレーキを搭載したバス・トラックも初回に限り軽減措置があります。
また、エコカー減税という特例措置があります。
エコカー減税というのは、排出ガス性能や燃費性能の良い自動車に対して、新規車検の時に、性能に応じて免税・軽減される仕組みです。乗用車は燃費基準の達成基準により25%減税・50%減税・75%減税・100%減税(免税)の四段階が設けられています。新規車検で免税になった自動車のうち、電気自動車・燃料電池自動車等は性能に関わる改造などが行われていなければ、初回継続検査でも重量税は免除されます。
令和5年度税制改正で2026年4月30日まで自動車重量税のエコカー減税が延長されることになりました。
日本自動車工業会がエコカー減税の対象車を公表しています。
参考にしてください。
重量税の計算
重量税を計算する際の「重量」ですが、小型乗用車・普通乗用車は車両本体の重量に加え、ガソリンを満タンにした状態、エンジンオイル、冷却水、バッテリーなども含めた重さになります。
乗合バスやレンタカーなどは、上記に加えて一人当たり55kgで、最大乗車定員が乗った状態の重さになり、
トラックなどは、さらに最大積載量の荷物を積んだ状態の重さが追加されます。
また、新車の新規登録から13年経過すると税額が上がり、18年経過するとさらに税額が上がるようになっています。
自動車重量税
新規登録~12年目
自家用乗用車(軽自動車以外) 年間 4,100円/0.5トン
自家用乗用車(軽自動車) 年間定額 3.300円
13~17年目
自家用乗用車(軽自動車以外) 年間 5,700円 /0.5トン
自家用乗用車(軽自動車) 年間定額 4.100円
18年目以降
自家用乗用車(軽自動車以外) 年間 6,300円 /0.5トン
自家用乗用車(軽自動車) 年間定額 4,400円
例 自家用乗用車(軽自動車以外)新車 車両重量1.7トン 初回検査 の場合
4,100円×4=16,400円 *0.5トンごとに4.100円
16,400円×3年分=49,200円
国土交通省では 次回自動車重量税額照会サービス をホームページで公開しています。
軽自動車については、軽自動車検査協会が 次回自動車重量税額照会サービス で重量税の金額を調べることができるようになっています。
車検前に調べてみてはいかがでしょうか?
まとめ
重量税も環境に負荷をかけない自動車を選択すると節税になるようです。今の社会、環境対策は必須ですね。
それでも初回の登録から13年経過すると(ディーゼル車は11年超)重量税が増えていきます・・
13年・18年というのは重量税を考える上では買い替えを考えるタイミングになりそうです。
田中 智恵
財務・経理本部 経理課
田中 智恵(たなか ちえ)
2009年入社
2年程組合の庶務業務を経た後、会社の経理業務に携わってきました。
現在は、九州エリアの経理を担当。
主に預金関係、売上・原価のチェック、立替精算書チェック、問い合わせ対応を行っています。
趣味:庭の手入れ、音楽鑑賞、読書
資格:日商簿記二級・管理業務主任者・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士ほか
最新記事 by 田中 智恵 (すべて見る)
- 重量税~自動車にかかる税金 その② - 2024年12月10日
- 自動車にかかる税金 その① - 2024年11月10日
- 出国する!といえば 国際観光旅客税 - 2024年10月10日