よく分かるマンション購入と贈与税の話 ~入門編~

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こんにちは、あなぶきハウジングサービスの岡田です。

さて本日の記事は、贈与税についてお話していきます。
「贈与税って聞いたことはあるけれど、詳しい内容はよく知らない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今までに取り上げてきた中でも複雑な内容なので、複数の記事に分けて掲載していきます。
本日は贈与税ってなに?という基本的なところからお話しして、次回以降で住宅取得に関わる贈与税の軽減などをご説明いたします。

マンション購入に際して、ご両親または祖父母からの資金援助を想定している方は、贈与税の負担が大きく軽減できる可能性がありますので、最後までお付き合いください。

※2019年5月25日に公開した記事を加筆・修正し、2020年5月3日に再度公開しています。

贈与税とは

まず贈与税とは、個人から受け取った財産に課せられる国税の一つです。

「贈与」という言葉自体は他者に財産を与えることを指しますが、贈与税は財産を受け取った個人に納税の義務があります。

また贈与税は受け取った財産に注目して課せられますので、例えば1人から1,000万円を受け取っても、5人から200万円ずつ受け取っても、課せられる税額は同じです。

贈与税の課税方法には、「暦年課税」「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件を満たす場合に相続時精算課税を選択することができます。

暦年課税

暦年課税の場合、贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から、基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。

ここで留意しておかないといけないのは、相続税は1年間にもらった財産の合計額に対して課せられる点です。

例えばAさんが父親から110万円もらったとします。
これだけであれば、基礎控除110万円を差し引くと0円なので贈与税は発生せず、申告の必要もありません。

一方Bさんは、父親から110万円、同じ年に祖父からも110万円もらったとします。
1年間にBさんの受け取った総額は220万円となり、基礎控除110万円を差し引いた、残りの110万円に対しては贈与税が課せられます。

相続時精算課税

贈与者と受贈者が後述する要件を満たす際には、相続時精算課税という課税方法を選択することができます。

相続時精算課税を選択した場合、贈与を受けた金額から特別控除額2,500万円を差し引いた残額に、贈与税が課せられます。
しかし贈与者が亡くなった際には、相続時精算課税制度を使って贈与した財産も、相続税の対象となります。

つまり相続時精算課税では、特別控除額2,500万円までの贈与にかかる贈与税は非課税になりますが、贈与者が相続税の対象となる場合は相続税として課税されるため、注意して利用する必要があるでしょう。

さらに一度相続時精算課税を選択すると、その後同じ贈与者からの贈与について暦年課税へ変更することができず、110万円の基礎控除を受けることもできなくなります。

相続時精算課税を選択する際の要件は以下の通りです。
①贈与者(贈与をする人): 60歳以上の者
②受贈者(贈与を受ける人):20歳以上でかつ、贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人及び孫
(※年齢はいずれも贈与の年の1月1日時点)

また相続時精算課税制度にて贈与を受けた場合、贈与税が発生しなくても翌年の2月1日から3月15日までに、最寄りの税務署へ贈与税の申告が必要となります。

今回のまとめ

・贈与税は、1年間に受け取った財産の合計額に対して課税され、
 納税義務者は財産を受け取った個人である。

・暦年課税制度では、1年間の受贈額から110万円の基礎控除を差し引いた残額に対して
 贈与税が課税され、受贈額が110万円以下の場合、申告も必要ない。

・相続時精算課税制度では、2,500万円までの贈与については贈与税が非課税になるが、
 贈与した財産は、のちに相続財産として相続税の課税対象となる。

本日の記事は、次回以降よく理解いただくための入門編として、贈与税に関する一般的な内容をご説明しました。

贈与の中でも住宅取得のための資金を受け取る場合には、贈与税の負担を軽減する制度が設けられています。
次回の記事ではその制度について、詳しく紹介したいと思います。

次回もどうぞよろしくお願いいたします。

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