こんにちは。
あなぶきハウジングサービスの中島です。
不動産会社で働いていると、不動産関連の相談をプライベートの友人・知人から受けることがあるのですが、賃貸物件を解約した際の敷金返金やリフォーム代に関する内容がとても多いです。考えてみれば、敷金がいくら返ってくるとか、高額のリフォーム代を請求されたらどうしよう、というのは誰もが気になるポイントですよね。
今回は、賃貸物件の「敷金返金や原状回復費の請求」(以下、「解約精算」と書きますね。)について、これらの金額がどのように決まるのかをみていきましょう。
まずは借りているお部屋の契約書(賃貸借契約書)をみてみましょう
基本的には、皆さんが借りているお部屋の賃貸借契約書にすべて書いてあります。
不動産会社や大家さんによって書き方や文章は違いますが、賃貸借契約書の中の「原状回復」や「特約事項」と書いてある箇所に記載されていますので確認してみましょう。解約の際に、入居者さん(正式には借主ですが、わかりやすくするため本文では入居者さんと表現します。)がどのような費用を負担するかについて書いているのですが、具体的には、下記のどちらかの方式であることが大半です。
「実費」精算方式 ※入居者さんが退去時に必ず負担する「最低限の内容」だけを決める。
入居者さんが退去の際に必ず費用負担する最低限の内容(たとえば、清掃代や畳の張り替え代など)だけを決めておくものです。一言に清掃代といっても、汚れ具合によっては費用が余分にかかったりすることも考えられますので、入居者さんがいくら払う金額は未定(その時々の状況による)というものです。
(入居者さんのメリット)
事前に賃貸借契約書で定められている費用負担内容は避けられませんが、「なるべく費用がかからないように、ここは汚さないように丁寧に使おう」という対応をすることによって、退去時に発生する追加費用等の負担が軽減できる可能性があります。
(入居者さんのデメリット)
解約の際に必ず支払う最低限の内容は事前に分かっていますが、解約時まで左記以外の追加費用がどの程度でるのかが分からない点がデメリットです。
「定額」精算方式 ※入居者さんが負担する「金額」だけを決めて費用の内訳は明示しない。
読んで字のごとくですが、解約の際に入居者さんが負担する金額だけを最初から決めておくものです。金額だけを最初から決めているので、何の費用に充てるという内訳や根拠はありません。
(入居者さんのメリット)
解約の際にかかる費用が、ほぼ固定されある程度は見当がつくので安心感があります。
※使用状況によって、後述の通り故意につけた傷や、明らかに入居者さんに責任があるものは別途請求される場合があります。
(入居者さんのデメリット)
入居者さんからは、支払精算費用の内容がわかりませんので、定額で定められた費用を支払う事に納得がいかないと思う方もいらっしゃるかもしれません。
通常使用でない傷や汚れは入居者さん負担となる場合が大半です
上記の「実費精算」でも「定額精算」の場合でも、いずれにしても「通常の使用では生じないであろう傷や汚れ」があった場合には、その部分の原状回復費用は入居者が負担するという記載があるはずです。
大家さんからすれば、「入居者さんのお部屋の使い方が悪かったために、お部屋がダメージを負った場合には弁償してもらいますからね」という内容は、お部屋の使い方に対する注意喚起の意味も含めて、必要なんですね。
入居者さんの味方キーワード
賃貸借契約書に書いている文章は、日常会話ではあまり聞かない単語や言い回しも多いので、読み取りにくいのですが、入居者さんの味方(助け)になるキーワードがありますので、まずはこれだけでも探してみましょう。
「国土交通省のガイドライン」「減価償却」「耐用年数」などなど
上記のようなキーワードが契約書に書いてあれば、お部屋を汚してしまっている場合等でも入居者さんの負担を軽減してくれる可能性があります。
詳しくは2019年4月14日付の記事で弊社藤原が分かり易くまとめてくださっていますので、あらためて下記にリンクを貼っておきます。
まとめ
皆さんが借りているお部屋の解約精算は、どのような契約内容になっていましたでしょうか?
賃貸借契約書に書いてあるということは、入居者さんと大家さんがその契約内容に合意しているということになります。
ですので、「丁寧に利用していて、契約書に書いていないことまでは請求されない」と思ってしまえば、随分気が楽になりませんか?
次回の記事では、また解約精算について詳しく書いていこうとおもいますので、よろしくお願いいたします。
中島英喬
中島 英喬 (なかじま ひでたか)
高知県出身 2007年入社
オーナー様からの依頼をいただき、賃貸マンションの入居者様募集や建物管理の業務を担当しています。
入社して10年超が経過しますが、いまだに初めての業務に携わることも多く、勉強勉強の毎日です。
読んでいただいた方に、少しでもお役にたてる文章を心がけていきますので、よろしくお願いいたします。
保有資格: 管理業務主任者、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士
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