こんにちは。三原です。夏真っ盛りの気候が続いていますね。夏バテ等にはご注意ください。
前回のとおり、今年3月に新たなマンション標準管理規約が発表され、管理規約改正を検討している管理組合様も多いものと思われます。そこで、今回は管理規約改正が円滑に進むような手順例等を中心にご案内します。
目次
- 1.スムーズな管理規約改正の手順
- 2.まとめ
1.スムーズな管理規約改正の手順
管理規約改正には総会出席者の過半数での承認となる普通決議ではなく、特別決議(区分所有者数および議決権数の各4分の3以上)での承認が必要となります。やや丁寧過ぎると感じるかもしれませんが、参考になれば幸いです。
①体制の整備
以下のような体制の整備方法があります。もちろん、管理会社のフロント社員も活用してくださいね。
・理事会のみで進めていく。
・理事会の諮問機関として管理規約委員会を設置する。
・マンション管理士等専門家のサポートを得る。
②改正案の作成
まずは、マンションの歴史および慣習ならびに賃借人等の割合等、実態の把握が必要です。次にマンション標準管理規約と現行管理規約の比較表等を作成し、相違点を洗い出し、時間をかけ検討します。それと同時に、関係法令の改正等がないかを確認します。
③意見徴収と説明会
管理規約改正に際し、一部の組合員等の権利に特別の影響を及ぼすことになる場合には、区分所有法に基づきその承諾を得なければならないため、事前に説明のうえ承諾を得ておくことが必要です。そして、改正案がまとまった後には住民説明会を開催します。説明会では、改正案に至った経緯等も含め説明し、また、組合員等の意見を積極的に伺い、必要であれば条文の追加・修正等を検討します。
④理事会での審議
管理規約委員会等の専門委員会を設置した場合には、委員会から出された改正案を執行機関である理事会にて審議することになります。理事会においては、その管理規約改正案が組合員の意見を盛り込んでおり、また、利害調整等を行ったものであることの確認が必要です。そして、総会審議にかなう内容であると判断した場合に、総会上程の理事会決議を行います。その際、区分所有法等の関係法令やマンション標準管理規約に記載がない条文の新設をする場合等は、特に注意が必要でしょう。例えば、内容が公序良俗に反していると無効となりますが、判断基準が不明瞭な場合もありますので、弁護士等に事前確認をしておいた方が良いでしょう。
⑤総会承認後の周知
管理規約改正が総会承認となった後も、特に賃借人の方や新たに組合員となった方等に向け、内容の周知・遵守のために、管理組合が主体となって周知活動をしていくことが大切です。管理規約の各戸配付や掲示板での規約原本保存場所の公開等色々な方法があります。改正したものが形骸化しないよう注意してください。
2.まとめ
マンション標準管理規約は、それぞれのマンションの実態に応じて管理規約を制定・改正する際の参考として、国土交通省にて作成・周知しているものであり、マンションに関する法制度の改正やマンションを取り巻く情勢の変化等に応じて都度見直しを行ってきていますし、これからも見直しが行われていくことでしょう。管理規約は分譲マンションの数だけあると言えます。時が経つにつれ、マンションの状況だけではなく、取り巻く社会状況等によっても管理規約改正の必要が生じてきます。その際は、その時点における最新のマンション標準管理規約を参考に協議を進めていくことが必要であり、それに加え、独自性も打ち出す際には、マンションそれぞれの歴史・慣習・実態に応じて作成していくものであると考えます。
三原 章
はじめまして!三原章と申します。入社以来10年以上、管理フロントとして業務に従事しております。長年フロント業務に従事してきた経験に基づくお役立ち情報や事例などを配信していきたいと思っています。宜しくお願いいたします。
保有資格:管理業務主任者・宅地建物取引士・マンション管理士
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