マンション管理組合の現金取り扱いはリスクです!

佐藤凌

皆さんこんにちは!ホームライフ管理の佐藤です。

今回はマンションにおける現金の取り扱いについてお話していこうと思います。

一昔前までは割とポピュラーに管理室などで運用されていた手元金や収入金。

現在、当社ではこのような現金運用を無くしていく働きかけを行っており、廃止に向けて管理組合様へ様々な提案をさせていただいております。

このブログでは現金の取り扱い廃止を提案する理由や、代わりとなる提案例について詳しくご紹介します。

さて、まずは手元金、収入金とは何かをご説明いたしましょう。

 

手元金、収入金とは

手元金とは:マンションで積み立てている管理費から一部の金額を現金として出金し、管理員や組合員が組合業務の為に運用するお金。主に備品や日常的な消耗品の購入に使われることが多い。

例えば、管理員が行う日常清掃の為のゴミ袋や洗剤等はこのお金で購入したりします。

 

収入金とは:マンションの施設を利用する際に支払うお金など。

例えば駐輪場の使用料金や、集会室の使用料金など。これらのお金は管理室で現金を一度預かり、その後管理組合の口座へ入金される形が主流でした。

 

では、なぜこれらを廃止しなければいけないのか。

それは現金を取り扱う上で、紛失や横領が発生する可能性があるからです。

 

廃止すべき理由

手元金は前述の通り、管理組合のお金です。管理会社からするとお客様からお預かりしている大切なお金なわけです。取り扱いによっては大変な問題に発展します。

これについては実例が何件もあり、数年前にとある管理会社で、管理員が組合員等から現金で受け取った来客用駐車場、駐輪場、集会室等の使用料を、回収したフロント担当者が管理組合の口座に入金せず、不正に流用していたという事件が発生したこともありました。

当然、管理組合には大変な迷惑がかかり、管理会社も指示処分を受けるリスクがあります。

どうしても人が管理し運用するものになりますので、エラーがいつ何時起こるか分かりません。

そんな現金取り扱いのリスクを踏まえた上で、現金を廃止すべく、当社ではどのような提案をしているかを計3つご紹介します。

 

収入金の現金廃止策

  • キャッシュレス決済の導入

1つ目は㈱リクルートが運営するサービスである、Airペイの導入です。これにより交通系電子マネーやクレジットカード、バーコード決済などが可能となります。

導入には管理室のインターネット環境を整える必要があります。また、ある程度の収入が見込めないと審査が通らない可能性があります。

メリットとして、Airペイの導入は現金が廃止できること以外にも、共用施設使用希望者の手続き時間の短縮が望め、レシートの自動発行により手書きの領収証発行の手間も無くなることが挙げられます。

また、日ごと、5日ごと、月ごと等の集計表が出力できるので、使用項目の金額が明確になります。

デメリットとしては決済手数料がかかるため、管理組合の支出負担が増加することや、レシートプリンターなどの購入がイニシャルコストとして掛かることが挙げられます。

 

  • 口座振替を利用する

2つ目の方法は管理費や積立金の引き落としと同時に、共用部使用料などを合算して引き落とす方法です。

共用部施設の利用申し込み時に加算の承諾書を記入いただき、次月以降の引き落としへ反映させます。

メリットとしては、用紙さえ準備できればすぐにでも導入できること、コストがかからないことが挙げられます。

デメリットですが、振込者、または組合員でない方などの口座振替を行っていない方が対象から外れてしまうことです。

 

小口現金の現金廃止策

  • 管理会社の小口現金を管理室にて運用し、後日まとめて管理組合へ請求する

手元現金を廃止するために導入された方法です。

管理会社の自己資金であれば、有事の際も管理組合が迷惑を被ることはありません。また、管理会社も指示処分を受けてしまうような事故はなくなります。

後日まとめて組合へ請求という形になるので、支払いまでにタイムラグは生じることとなりますが、管理組合にとってのデメリットはありません。

※これはあくまでも当社が提案している方法ですので、管理会社によっては対応不可な場合があるかもしれません。

 

 

まとめ

現金取り扱いによるリスク、ご理解いただけましたでしょうか。

これは何事にも言えることですが、従来の方法から新しい方法へ変更するのは、少し億劫ですよね。今までの方法のほうが慣れているし楽な場合もあるかと思います。

ただ、時代はどんどんと変化し続けていますし、それにしっかりと対応していかなければいけません。

もし、ご自身のマンションが現金の取り扱いをされているようでしたら、今一度、運用方法の変更を1度検討されてみてはいかがでしょうか。

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佐藤凌

ホームライフ管理 事業推進部 事業推進課
佐藤 凌(さとう りょう)
埼玉県出身 2018年入社

新卒でホームライフ管理へ入社し、千葉で約5年間のフロント経験を経て現在は本社事業推進課で業務をしております。
「ハピサポ」という専有部サービスの推進や、新築物件の管理立ち上げ等業務は多岐にわたります。
「しあわせ『感』理」を目指し、マンション生活がよりよいものになるよう色々な情報を発信していきますのでどうぞよろしくお願いします!
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