こんにちは、木須です。
先日、あるリフォーム会社のショールームに行った際、様々な商品の進化に驚きました。中でもトイレは、昔ながらのタンクと便器の組み合わせのいわゆるトイレといった形ではなく、空間の中で、見た目にも邪魔にならないデザインのものが多く誕生しています。機能に関しても省エネ・清掃性の面での進化は目を見張るものがあります。そこで今回はマンションのリフォームで失敗しないための注意点についてご紹介します。
3つのトイレをご紹介
水廻り設備機器の主要メーカーでトイレを製造しているのは、「TOTO」・「LIXIL」・「Panasonic」の3メーカー。
各メーカーが現在一押しの最新のタンクレスタイプを御紹介します。タンクレスタイプは、洗浄便座(TOTOでいうウォシュレット)一体型のタイプです。
●TOTO ネオレストRH
トイレと言ったらやっぱりTOTO。ということで、まずはTOTOの最新トイレをご紹介します。ネオレストRHは、TOTOのタンクレスタイプの中では、一番新しいタイプ。丸みのあるデザインは、狭いトイレ空間の中でも柔らかさを与えます。
・省エネ性
1回当たりの洗浄水量わずか3.8Lの超節水(床排水の場合。壁排水は4.8L)。毎日ふつうに使っているだけで、簡単にエコできます。1987~2001年製の従来品と比べて、約1/3の水量を実現。
・清掃性
独自の「きれい除菌水」で、便器の目に見えない便器の汚れを分解・除菌、トイレ空間のニオイ成分を除菌水フィルターで捕集して脱臭します。「きれい除菌水」は、水道水に含まれる塩化物イオンを電気分解して作られる、除菌成分(次亜塩素酸)を含む水です。薬品や洗剤を使わず、水道水から作られます。時間が経つと水に戻るので、環境にやさしいのが特長です。
・快適性
便座から立ち上がると、センサーが座っている時間から大・小の洗浄を判断し、便器の水を自動で流す「オート洗浄便座」。流し忘れがなく安心です。
参考定価:ネオレストRH RH1 ¥334,000(税抜)
●LIXIL サティス Gタイプ
次に、LIXIL(旧INAX)製のタンクレストイレをご紹介します。サティス Gタイプは、従来のトイレのイメージを払拭するデザインを追及。使う方に「本物の満足」をコンセプトに誕生しました。
・省エネ性
LIXIL独自の節水技術で、高い洗浄性能を維持しながら、超節水を実現。ECO4というタイプでは、従来品(大13L)に比べ約73%の節水性。地球環境に配慮した、強力洗浄の超節水トイレです。
・清掃性
溜水面に張った泡が、男性立ち小用時の飛沫汚れや着水音を軽減する「泡クッション」。
男子小用時の着水音が約7.5dB低減したデータがあります。
・快適性
自動で、便器鉢内と足元をほんのりと照らす「ほのかライト」。夜中のトイレ使用時に眠気を覚ましにくい、やさしい明るさです。また、べたつき感の少ない快適な座り心地の便座「さらっと便座」も評判です。
参考定価:サティス Gタイプ G5 ¥327,000(税抜)
●Panasonic 新型アラウーノ
便器部分が陶器ではない、Panasonic独自のタンクレストイレをご紹介します。初代アラウーノは、プロダクトデザイナーの深澤直人さんがデザインを担当し、他メーカーより早くタンクレストイレを本格デザインしたトイレです。新型アラウーノも、初代のデザインを継承しており、さらに機能アップしています。
・省エネ性
家電メーカーならでは「ECONAVI」を搭載しており、節電にも特化しています。暖房便座や洗浄便座をお湯で使うときなど、使用するときだけ温めるシステムで、20年前のトイレと比べると、最大で年間約7,400円削減が可能です。
・清掃性
アラウーノシリーズは、「有機ガラス系新素材」を便器に採用しています。陶器は、どうしても水垢に弱く、黒ずみやぬめりが発生します。それに比べ、新素材ははっ水性の素材が水滴ごとはじき、水アカが表面に固着しにくいので汚れがたまりにくく、いつもピカピカです。
・快適性
オプションで取り付けられる「新型アームレスト」で、ゆったりくつろげ、立ち座りがラクになります。肘掛け椅子に座る。そんなリラックス感をアームレストが実現します。
参考定価:新型アラウーノ タイプ1 ¥335,000(税抜)
マンションリフォームで失敗しないトイレ空間とは
トイレ本体だけではなく、トイレもやはり“空間ごと使いやすいこと”が大前提ですよね。
そこで、失敗しないトイレ空間つくりのポイントを簡単にご紹介します。
床材は塩ビ系がおすすめ
デザイン性が良いからといって、フローリングを貼ってしまうと、最初のうちはおしゃれですが、だんだんと水滴等が黒ずみに変わってしまいます。
本物の木は呼吸をしているので、水分を含みやすい=水分が逃げ切れないのが1つの原因です。ですので、ビニール系や塩ビタイル系の床材を選んで、清掃性を高めた方がよいでしょう。
トイレ空間の奥行きに注意しましょう。
マンションのトイレは基本的に狭いことが多いので、気に入ったトイレ本体を設置しようとしたら、「トイレ自体の奥行きが大きくて、トイレが狭くなってしまった…」なんていう失敗事例もあります。この理由でトイレが狭くなると、男性が使用する際にかなり狭く感じてしまうため、特に男性陣に不評になります。
照明は暗すぎに注意しましょう。
オシャレにしようと、間接照明にしたら、「暗くて健康チェックができなくなった」という声も。照明は明るめで、LED照明にするのがおススメです。余談ですが、黒い便器にしても色がわからなくなるので注意。
吊り戸棚の高さも、高すぎると便座に座ったままものがとれない。
吊り戸棚の高さが低すぎると邪魔になりますので、一番使いやすい高さを考えましょう。床置きの収納にしても良いですが、お掃除の際に邪魔になりやすいので、サイズ感に注意したり、足元が開いているものを選びましょう。
トイレの壁材は調湿効果のあるものにしましょう。
トイレは湿気がたまりやすい場所ですので、調湿効果のある壁材をえらびましょう。漆喰や珪藻土のような左官材や、エコカラットのようなタイル状のものがおススメ。壁の一面にアクセントとして使用するだけでも効果があります。
トイレの扉は外開きにしましょう。
内開きにのトイレは、体をねじって入るようになってしまうため、非常に不便です。構造的に可能であれば、引き戸に変更するのが一番使い勝手が良いと思います。
まとめ
使い勝手が良く、失敗しないトイレは、清掃性・安全性・快適性の観点で考えることです。トイレは、狭い空間だからこそ使い勝手を最大限考慮する必要があります。プライベート空間ですが、お客様が来客した際にも使う場所です。上記でご紹介したことを参考に、清潔感にも注意してリフォームしましょう。
木須 拓己
分譲マンション管理会社で専有部(お部屋内)の様々なサービス開発・企画の立案、リフォーム&リノベーション・室内クリーニング、インテリア商品販売等、お客様の快適な生活をサポートする部署の担当。分譲マンションの管理会社を15年務めた実体験及び情報をわかりやすく伝えるために日々仕事に励んでいます。仕事での心情:ニーズを形にする
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