こんにちは。元気いっぱい夢いっぱい。あなぶき建設工業の西口です。
人生常に発見の連続、そして日々勉強。
マンション・ビル等の新築・大規模修繕工事の現場監督を経て、現在は建設統括本部という部署で各現場の安全、品質検査等の業務を行っております。
現場でのお客様との関わりを大切にして、日々の業務に努めております。
そんな業務の中での発見や気づきなどを発信し、
少しでもブログ読者の皆様に有益な情報がお届けできれば幸いです。
本記事では、主にマンション管理組合様・マンションオーナー様向けにブログを書いていこうと思います。特に大規模修繕工事など工事に関わる内容を中心に管理組合様に向けてブログを発信していきます。
今回は、駐車場の『アスファルト舗装』について紹介したいと思います。
マンションの駐車場や道路など、車や人が通行しやすいよう、また道路などの耐久性を確保する為に、地面をアスファルトやコンクリート、砂利などで敷き固めることを舗装といいます。その中でも今回はアスファルト舗装について掘り下げていきたいと思います。
『アスファルト舗装』のアスファルトってなに?
アスファルトとは、大きく2種類に分類され、石油アスファルトと天然アスファルトに分かれます。
精製方法や原料により、細かい分類はありますが、一般的にアスファルトといわれ工事に使用されているものは、石油の精製過程にできる重質油からなる石油アスファルトのことを指します。
アスファルトの見た目は黒色で、常温時は固体、もしくは粘性の高い液体状であることが多く、加熱すると融解して柔らかくなる、または液体化する性質があります。この性質を活かして道路舗装用に用いる骨材にアスファルトを添加したアスファルト混合物(アスファルト合材)や防水剤として布等に浸透させ防水材などいろいろな用途で使用されます。
今回本ブログで紹介するアスファルト舗装のアスファルトとは、骨材や砂にアスファルトを添加したもののことを指し、アスファルト混合物やアスファルト合材といわれるものと同義です。
それでは、これからアスファルト舗装の種類や特性を深堀りしていきましょう。
アスファルト舗装にも種類があるって本当なの?
アスファルト舗装では、使用目的に応じて骨材の粒度や密度などを調整することで、用途に応じた性能を発揮するように施工を行います。以下、代表的な5つを取り上げて紹介したいと思います。
【密粒度アスファルト舗装】※一般的なアスファルト舗装
雨水を浸透吸収しない従来のアスファルト舗装が密粒度アスファルト舗装であり、雨水はアスファルト表面を流れ路肩の排水設備に排水されます。粗い粒度の骨材(粗骨材)同士の空隙(すき間)に小さな骨材(細骨材)が入り込むことにより空隙(すき間)が埋まり、表層よりも下層に雨水が浸透吸収しないような仕組みとなっています。
【排水性アスファルト舗装】
表層部分のアスファルトは密粒度アスファルト舗装に比べて小さな骨材(細骨材)を少なくすることで、空隙(すき間)をつくり、多孔質な表層となっております。表層アスファルト部分にのみ雨水が浸透し、地面(路床)に雨水を浸透吸収させるのではなく、2層目の不透水層を流れて、路肩の排水設備に排水する仕組みとなっております。特性として雨天時の車のハイドロプレーニング現象防止や水溜まり、水しぶきを防ぐ効果があり、また騒音を和らげる効果もあります。
【透水性アスファルト舗装】
雨水はそのまま地面(路床)まで浸透吸収する為、水溜まりができにくい反面、地盤が緩む恐れがあります。
また、大きな荷重や振動を受ける幹線道路や高速道路等には耐久性の観点から採用するのには向いておらず、歩道や駐車場、公園に利用するの一般的です。
特性として、排水性アスファルト舗装と同様に騒音を和らげる効果があります。
【保水性アスファルト舗装】
保水性アスファルト舗装は透水性アスファルト舗装の雨水浸透吸収と合わせて雨水を保水する性能を持たせたアスファルト舗装になります。空隙(すき間)に保水性のある材料を充填することで、保水層(表層)に水を保持し、高温時に保持した水が蒸発をすることで気化熱による舗装表面の温度低減を促し、ヒートアイランド現象を抑制します。歩道や駐車場、公園など、大きな荷重や振動が比較的少ない場所で採用されています。
【遮熱性アスファルト舗装】
赤外線を反射する材料をアスファルト表面に塗布することで、舗装内部への熱吸収を抑えることを目的としています。熱放射を抑制する事にもつながり、保水性アスファルト舗装と同様にヒートアイランド現象の抑制につながります。
その他にもアスファルト舗装の種類にはいくつかありますが、より専門的な部分になる為、興味のある方は、ぜひお調べいただければと思います。
まとめ
お住いのマンションにおいて、大規模修繕工事や諸小工事でアスファルト舗装工事をする際は、排水性アスファルト舗装や透水性アスファルト舗装のように水溜まりができにくい舗装もある為、駐車場や駐輪場などの水溜まりを解消する選択肢の1つとして知っておいていただければと思います。
今回は、アスファルト舗装についてお話ししてきましたが、一口にアスファルト舗装といってもいろいろな種類があることを知っていただけたかと思います。
また、駐車場の舗装においては、アスファルト舗装以外にもコンクリート舗装や砂利敷きなど、いろいろな選択肢があります。改修工事以外でも、相続された土地の駐車場として新規運営などをご検討されている方もいるかもしれません。そのような場合にもアスファルト舗装はおすすめです。
弊社ではグループ会社にパーキング事業部もあるのでぜひ気軽にご相談いただければと思います。
同じアスファルト舗装でもマンションの居住者様の目線と駐車場を運営している皆様の目線で、共通の部分もあれば、少し考え方や見る角度が違う部分もあるかもしれません。普段見慣れている景色や物の中にも、少し疑問を持って違う視点から建物を見たり、建物の一部分を切り取って見てみたりすると、普段は気づかないような発見があるかもしれません。
今回はあくまでも、駐車場や道路のアスファルト舗装に焦点をあててブログを書いてみました。
日常生活の中で特に気に留めることはないかもしれませんが、ふとした瞬間に新たな発見があるかもしれません。建築に限らず、そんな何気ない日常の中からちょっとした発見や興味・好奇心をくすぐる種を見つけ出せたらいいなと思います。
このブログがお住いのマンションにより興味や愛着を持ってもらうきっかけになれば幸いです。
西口洸平
西口 洸平(にしぐち こうへい)
新築工事、大規模修繕工事の現場監督を経て、
現在は建設統括本部にて現場の後方支援を行っております。
趣味ではありませんが、好きなことは現場近くや出張先で美味しいご飯を食べることです。
ご飯を食べると思わず『ウマッ』と声に出てしまうので、会社の人によく笑われます。
経験豊富な上司や好奇心旺盛な後輩がいる会社で毎日楽しく働いております。
本ブログでは現場で培った経験等を活かし、ブログ読者の皆様に
有意義な情報発信となるよう努めて参ります。
保有資格:1級建築施工管理技士
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