菜の花が咲き、つくしが元気に顔を出す3月。植物は、芽吹きの春を迎え、着々と準備を進めています。お住いのマンションの敷地にある植栽は、いかがですか。
今回は、マンションデベロッパーの企画経験を通して、植栽の効用についてお話します。
目次
- 植栽の空間設計
- 緑の効用
- まとめ
植栽の空間設計
マンションに広い敷地があれば、建物の周りに木や草花を植えて楽しむことができます。市街地のマンションの場合は、ほとんど敷地が残らないということもあります。そんな場合でも、いろいろ考えて、ちょっとした工夫や配慮によって小さくても快適な外の空間を作ることができます。マンション竣工直前に植栽を植えると、建物全体が生き生きとし、その変容さには驚かされます。また、街路や隣地に生える樹木さえも借景とし、利用すれば、庭は生き物のように生活空間を作り出します。マンションを設計する場合、間取りや設備、仕上げなど、どうしても室内に目が行き、外部は単に建物の余白として後回しにされがちです。しかし、外部空間を有効に活用することは、マンションの建築ではとても大切です。
緑の効用
広い敷地の場合
外部空間の緑の活用として、例えば、落葉樹をマンションのシンボルツリーとして植えれば、春の新芽、初夏の花、夏の青い葉、冬の幹の美しさといった、四季の変化を毎日少しずつ感じることができます。また、木の実のなる樹木であれば、収穫を楽しんだり、それを食べにくる鳥たちを観察したりすることもできます。風にゆれる葉の音、ほのかに漂う花の香り、葉の雨露に反射する光など、植栽を加えるだけで自然の美しさや複合的な生態系を日常生活の中で感じることができます。まさに花鳥風月です。
狭い敷地の場合
敷地に余裕がない場合でも、ガーデニング計画をしっかりやれば、季節の変化を楽しむことはできます。むしろコンパクトに変化をつけられ、それなりに楽しむことができます。
緑の効用を楽しむ
マンションの敷地内にある身近な緑は、住まう人にとって五感の向上や精神的な癒しの効果をもたらしてくれます。朝起きて、緑を眺め、緑の中を歩くのは大変気持ちがよく、緑のシャワーを浴びることができます。敷地内の庭の木や草花に関する情報は、子供の成長にとっても大切なことです。子供たちは日々の生活や遊びの中で、「住まいの原風景」を記憶し、経験の積み重ねから自然に対する優しさ、創造力を大きく育んでいくものと思います。
まとめ
お住いのマンションによっては、植栽委員会を立ち上げて、「中期植栽管理計画」「単年度植栽管理計画」「コミュニティの企画や運営支援」といった事業計画を立てているマンションもあろうかと思います。一方、小規模で植栽コーナーが少ないマンションでも、植物好きの居住者や管理員が手入れをしている場合、例えば、小さな花壇にチューリップをいっぱい植えるなどすれば、マンションに潤いが出てきます。皆さんも、植栽改善で気になることを、少しずつ工夫してみてはいかがでしょうか。
北林真一
大学卒業後、一貫して不動産業界に従事してきました。
皆さまの大事なお住まい(マンション)のことは私にお任せください。
【得意分野】・合意形成の進め方 ・大規模修繕工事
【モットー】謙虚であれ、誠実であれ
【特技】日本酒と音楽(邦楽除く)は少しだけ詳しいです。
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