マンション建物劣化診断|コンクリート中性化の試験って?

福田 純行

こんにちは、福田です。今回は、少し肩の力を抜いて(?)お話ししようと思います。
試験
その前に、わたしたちの管理物件であるマンションの調査に向かう途中でのエピソードをひとつ。

その日は寒いのにもかかわらず見事に雲ひとつない良い日でした。

道路を歩いていると、どこからともなく一つの傘が開いたままの状態で道路の真ん中に鎮座しているではありませんか。
「これはかたずけないと交通の支障になるな。」と思い、傘のある道路に向かいました。
片手にカバン、もう片手に開いた缶コーヒーを持ちながら(行儀が悪いですね…)、その傘を閉じようとしましたが、壊れていたらしく閉じようにも閉じられない状況になり、道路の端で奮闘していました。

その時、保育園児のお散歩行列が通りかかり、その光景を見ていた園児の中の男の子が「こんにちは!」と私に声をかけてくれました。「がんばっておじさん!」と言わんばかりでした。もちろん返事をしました。「こ、こ、こんにちは…」
保育園児ですから、恐らく3~4歳くらいだと思います。妙に感激いたしました。

話は戻って、マンション建物劣化診断の中の調査について、少しご紹介します。今までのブログの中で何度か話の出ている”コンクリートの中性化”の試験です。
どのくらい中性化が進行しているかを調べる調査なのですが、下の写真をご覧になってください。
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↑ 約直径約30mm、長さ40mmのコンクリートのサンプルを外壁から抜き取ります。
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↑ 抜き取ったら、フェノールフタレイン1%アルコール溶液を噴霧します。
(アルカリ性の部分は赤紫色に反応します。反応が無い部分は中性化が進んでいる部分になります。)

結果は…

ほとんど中性化は進んでいないことがわかりました!
(PH10程度で無反応になります。実際は、ノギスで4ヶ所/1本浸度を測定します)

このマンションは築10年ですので、予測理論値(東京大学 岸谷博士理論)から算出すると、約4.7mm中性化が進むはずであるという数値を下回っていたのでいわゆる合格ラインでした。
めでたし、めでたし。

これは、マンションの建物劣化診断の中の一つの調査でしかありません。他にもいろいろ調査を行います。
それらについては、またエピソードを交えながら、次の機会にお話ししようと思います。

お楽しみに。

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福田 純行

あなぶきハウジングサービス:福田 純行(ふくだ よしゆき)
前職の設計事務所時代に手掛けた設計・監理物件は北海道は北見市から南は長崎の佐世保市まで。今となってはとても懐かしい。現在は主にマンションの大規模修繕工事に関するコンサルティング(大規模修繕工事の改修設計・長期修繕計画(案)の作成等)を担当。人が住むマンションのストーリーを一つずつ守るのが役目です。
目指せ、「チェンジ・ザ・ワールド」・E.クリプトン・・・・グルーブな仕事を
皆さんのために。
有資格:一級建築士
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