こんにちは、ダイエットが失敗したのか、なかなかやせない木須です。
今回は、お部屋の省エネに効果のあるリフォームのご紹介をします。
みなさん“シラス”という材料はご存知でしょうか?いわゆる漆喰や珪藻土などと同じく、塗り壁材の1つとなります。
塗り壁材は、壁等に塗布することで調湿効果が高いと知られていますが、“シラス”材はその中でもリフォームに最適な材料です。湿気の多い夏だけではなく、冬にも効果的ですので、参考にしてみてください。
・そもそもシラスとは
シラスは、簡単に言ってしまえば「火砕流でできた土」です。2万5千年前の巨大な火山噴火で鹿児島県から宮崎県南部にかけて、最大150メートルもの厚さでシラスが積み重なってできているのが、かの広大なシラス台地。
シラスは大量の火砕流として一気に堆積したため、他の土と混ざることなく厚い地層を形成しました。
シラスはマグマが岩石となる前に粉末となった物質。マグマの超高温で焼成された高純度無機質セラミック物質であることが、環境によっては触媒反応が起きやすくなることから、消臭・分解、殺菌、イオン化などの機能を発揮すると考えられています。
火山がもたらした奇跡的な養分を持たない「原始的な土」ともいえます。
もともとシラスは、サラサラした粉状で、水持ちが悪いため水田には向かず、豪雨の際に土砂崩れを引き起こすなど、地元では厄介ものとされてきました。
このシラスを有効活用し、左官材に転用したのが『高千穂シラス壁』です。様々なおいても分野においても、貴重な役割を果たす新素材として注目を集めています。
そんな『高千穂シラス壁』は、100%天然素材。調湿・消臭に優れているため、空気清浄の役割も果たします。
毎日の生活の中で発せられる様々なニオイや物質で空気が汚れますが、食べ物や服は選べても空気は選べません。化学物質を一切含まないシラス壁にすることで、安全な空気環境も整えられます。
・シラス壁の効果
前述した通り、調湿・消臭効果のあるシラス壁。空気清浄機やエアコンに頼らず空気を浄化してくれます。次に、そんなシラス壁の様々な効果をご紹介いたします。
●調湿効果
シラス壁は、湿度が上がると余分な湿気を吸収し、湿度が下がると湿気を放出します。湿度が10%下がると体感温度が1℃下がると言われていますので、日本の蒸し暑い夏に最適。エアコンの使用を抑えられるので、節電にも効果的です。
●消臭効果
シラス壁の部屋には空気清浄機は不要です。シラス壁は、タバコやペットのニオイを短時間で消臭。家具や他の建材から放出されたホルムアルデヒドなどの化学物質もしっかり吸着し、時間が経っても再放出しません。
●長寿命
ローマ時代につくられたパンテオン神殿や、古代エジプトのピラミッドにもシラスと似た材料が用いられており古代コンクリートの原料として使用され、今もその姿をとどめているほど耐久性があります。シラス壁は着色にも天然の鉱物顔料を使っているので、紫外線に強く、色あせや劣化もほとんどありません。
●本物の質感
シラス壁の良さはその機能だけではありません。人工物では表現できない100%自然素材ならではの心が落ち着くやさしい風合い。マグマのパワーを秘めたシラス壁は、生命力にあふれ、本物の上質さと力強さを感じさせます。
●節電効果
シラス壁は、室内の余分な湿気を吸収するため体感温度を約2℃下げる効果が期待できます。体感温度が下がれば、冷房の設定温度を高くすることができるため、エアコン等の使用の抑制につながります。
また、断熱性能に優れるので暖房効率を大幅にアップします。さらに、室内が乾燥すると、壁内部の湿気を放出して湿度を調整。加湿器の使用を抑制しつつ過乾燥を防ぐから節電しながら、寒い冬も快適に過ごせます。
夏・冬両方の省エネに役立ちますね!
・なぜリフォームに適しているのか
この高千穂シラス壁が、リフォームに適している理由。それは、塗り壁材でありながらビニールクロス(壁紙)の上から塗れるということ。
通常リフォームの場合、塗り壁の工程として、
クロスを剥がす⇒塗り壁の下地を作る(場合によっては、壁自体の素材を変更します)⇒塗り壁施工となります。
クロスもうまく剥がれればよいのですが、うまく剥がれなかった場合は、壁の素材自体を変更・貼り替えしないといけなかったりします。
また、塗り壁屋さんはかなりの技術職のため、他の職人さんと比べて手間代が高い場合も。
そこで、数ある高千穂シラス壁の中の『白州リフォーム』という材料を使えば、ビニールクロスの上から直接塗ることが可能です。
また、普通の塗り壁は金属や木材のコテで施工するのですが、こちらのタイプはローラーやヘラで施工が可能です。DIY感覚でご自分で施工することもできるくらい手早く簡単です。
クロス剥がしと専用下地作成がなくなるため、全体の工期も短縮できます。ビニールクロスをシラス壁に変更することで、
・結露を抑えてカビやダニの発生を抑制
・不快な生活臭をすっきり消臭
・家具等から揮発する化学物質を吸着
・室内を快適な湿度に調整
といった効果が見込めます。
塗り壁がおススメなお部屋は、夏は湿気が溜まりやすく、冬は寒いお部屋です。例えば、トイレや洗面脱衣所といった窓がない水廻りはもちろん、
北側の寝室などもおススメです。シラス壁はマイナスイオンを高める効果もあります ので、「安眠に繋がった」という声もあるくらいです。
・まとめ
このように、様々な効果をもたらすシラス壁は、100%天然素材で素材の存在感も抜群、施工も簡単と、悪い点はないくらいですが、1つデメリットをあげるとしたら、補修が難しいこと です。
キズや汚れができてしまった場合、上から同素材を塗ることは可能ですが、色や素材感、仕上げ方などの違いがかなり出てしまい「補修をした感じ」が出てしまいます。
ですので、キズや汚れも1つの良さとして捉え、その壁が全体的に古くなったら、全面的に塗り替えることをおススメします。その点を注意しながら、うまく使用すればもうひとつ上の快適空間が手に入るはずです。
木須 拓己
分譲マンション管理会社で専有部(お部屋内)の様々なサービス開発・企画の立案、リフォーム&リノベーション・室内クリーニング、インテリア商品販売等、お客様の快適な生活をサポートする部署の担当。分譲マンションの管理会社を15年務めた実体験及び情報をわかりやすく伝えるために日々仕事に励んでいます。仕事での心情:ニーズを形にする
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