こんにちは!あなぶきハウジングサービスの松岡です。
世間では新年度が始まり、リクルートスーツを着た新入社員や就活生を見かけますね。
就職活動や転職活動をするにあたって「不動産」系を視野に入れている方もいるかもしれません。
漠然と「不動産」といっても賃貸仲介や売買、土地開発などいろいろな種類の仕事がありますね。
私は現在、「分譲マンションの管理」に関する仕事をしていますが、不動産のなかで「管理」に関する仕事は比較的マイナーなのかもしれません。
今回は「分譲マンションの管理会社で働くこと」について紹介します!
就活中の方や転職を考えている方、「分譲マンションに馴染みがないけどどんな仕事だろう」と思う方へ向けて少しでも情報収集の力になりましたら幸いです!
分譲マンション管理の流れ
私は分譲マンション管理の仕事が7年目となりましたが、この仕事は1年を通してやっと業務やマンションの概要が掴めるといって過言ではないと思っています。
まず、分譲マンションの管理はマンションの「共用部」を対象とします。
分譲マンションの共用部とは、エレベーターや廊下、階段、自動ドア、駐車場など居住者の皆さんが普段の生活の中で利用する部分です。その中には普段は目にしないような部分(給水ポンプや排水管など)も含まれます。
その部分の管理(=不具合や故障が発生した際の修繕提案、予防保全、運用方法案などを提案する)が私たちの主な仕事となります。
もちろん、ただ提案をするのではなく、マンションで住みやすいようなルール案の提案やマンションの資産価値向上の為になる提案なども行います。
業務のおおまかなサイクルは以下の通り。
●マンション管理組合の理事会(修繕や管理費等マンションの運営や資産価値を保つために必要な会議)
●マンション管理組合の総会(年1回、マンションの収支報告や事業報告を行う会議。また、マンション運営のために修繕の内容等で1年を通して理事会で協議したものや総会決議が必要な内容を審議する場。)
上記のような理事会⇒総会までの期間の中で管理会社はマンションの巡回・現地確認・見積取得・工事の調整などの業務を行い、理事会・総会に向けて準備していきます。
そもそも、理事会・総会って何かわかりますか?
テレビドラマなどで「学校の理事長」や「株主総会」など一片の言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか?
マンションで言う「理事会・総会」は以下の通りです。
理事会:マンション内から複数名の代表者にてマンションの資産価値向上・保持の為、居住者が暮らしやすいマンションにする為、マンションのことを考えて話合いを行ったり方向性を決めたりする会議です。
総会:1年に1回、マンションの区分所有者で行う集会で、1年間に実施した事業(マンションにおける設備修繕等)やそれに使ったお金の報告、総会決議が必要な内容の審議(修繕積立金の利用や管理規約の変更など)を行う会議です。
マンション管理の主体はあくまでも管理組合=マンションに住んでいる人たちです。
私たち管理会社は理事会運営に関するお手伝いするといったイメージが近いです。
マンションによって様々な事象が発生します。
建物設備の修繕や騒音トラブル、漏水事故などなど、、、
管理会社としてどういった対応をするか、どういった対応が適切か手腕の見せ所となります!
入社してすること
まず、入社して業務として行うことは会社によりそれぞれだと思いますが、まずは、「管理しているマンションを覚えること」です。
まず、物件名です。
管理しているマンションはたくさんあります。
それに合わせて様々な名前(物件名)があります。
普段生活をしていてマンションの名前を気にかける方は少ないと思いますが、管理会社で働く以上、物件名を耳にすることは日常となります。
物件名は短い名前から長い名前までいろいろな種類があります。
また、「アルファステイツ○○」や「アルファライフ○○」といった似ている名前もよくあることです。
お客様から電話があった際にどこの物件なのか確認する必要があります。
電話応対や業務で誤った案内をしないよう、よく理解して違いを分かっておく必要があります。
その次に場所です。
自分の担当する物件がどのあたりにあってどういった環境にあるか。
例えば、海に近いマンションでは潮風が当たりやすいので鉄部の劣化が早いこともあります。
それによって管理会社として何を・いつ・どんなことを提案するかが大切です!
また、現地に行くこともあるので、道を覚えておくことも重要です!
そのように順番に戸数や建物の造り、設備の状況、理事会・総会におけるこれまでの協議内容など細かいところまで頭にインプットしておくと今後の理事会・総会でスムーズになります。
そして、理事会・総会業務の準備・進行です。
理事会・総会の資料案作成も管理会社の仕事です。
また、当日理事会・総会での内容説明が求められることがあります。
分譲マンションの管理は長期間を通してお客様とのやり取りが必要とり、お客様と直接コミュニケーションを取れる場となります。
お客様が何を求めているかを話し合って管理会社として伝えないといけないこと(善管注意義務)を申入れます。
併せて、管理会社はマンションの修繕等に関する実施の調整も行います。
その為、工事業者とのやり取りも行うこともあります。
工事業者へお客様のニーズを伝えることも業務のひとつであり、橋渡しの役割を担うこととなります。
分譲マンション管理会社で働くうえで
7年間、分譲マンション管理の仕事をして必要だと思った5つのことがあります。
「管理業務主任者」の資格
分譲マンションの業務に置いて「管理業務主任者」という資格は欠かせません。
マンション管理適正化法では「管理事務報告」や「管理委託契約書締結に伴う重要事項説明」が義務付けられており、その説明は管理業務主任者の資格を持っている人しかできません。
管理業務主任者の資格を持っている人しか就職できないの?と思われるかもですが、そんなことはありません!
資格を持っていない人は持っている人にお願いすることとなります。
それにあたってのスケジュール調整をしたり休日に出勤をお願いしたり、、、申し訳ないと思いながらも法律違反は出来ません。
その為、資格取得に向けて勉強が必要です!!
全ての業務を一人で完結するには資格が不可欠です!
広く豊富な知識
分譲マンションの管理には様々な事案が発生します。
●マンションの建物設備について
⇒建物の部位の名前や内容、設備の種類から数などなど。
不動産関係の資格を取得するにあたって試験に出題されるので勉強するに併せて覚えていくことが出来ると思います。
設備に不良が発生したとき、どう説明しますか?
その設備や部品が何のために設置されているかわかりますか?
なぜその設備不良を解消しないといけないか知っていますか?
修繕をする・しないを決めるのは管理会社ではなく、マンション管理組合ですが、そういった知識・情報がお客様の判断材料となります。
そして、管理会社としてマンションの生活を守る為、資産価値向上の為、マンション管理組合へ報告することが一種の仕事であります!
●漏水事故が発生したとき
⇒居室内で漏水事故が発生することがあります。
そのような事故が発生した場合、お客様へ報告説明が必要です。
報告説明にあたって必要なことは「どこから・何が原因で」発生したか知っておく必要があります。
どこから・・・共用部なのか専有部なのか。それによって説明報告の内容も違います。
何が原因で・・・例えば、部屋内の床や壁を通っている配管に穴が開いて下階へ漏水するということもあります。また、屋上の防水が劣化してそこから雨水が浸入し、居室内に雨漏りすることもあります。
●法律関係
⇒区分所有法とマンション管理適正化法は切っても切り離せない内容です!
管理業務主任者試験にも必ず出題されます。
業務に直結する内容なので頭にインプットしておくことが大切です!
●専門用語
普段生活していて聞きなれない言葉を耳にすることもあります。
そんなとき、お客様へどうやって説明するか。
説明を受ける側の気持ちになってわからないことを調べていくと実際に説明しやすくなります。
上記の他にも業務を行っていてほんと~~~~にいろいろな知識が必要だなと日々感じます!!
スピード感
マンション管理はスピード感を求められる仕事です。
経年により突発的にマンションの設備が故障したりすることもあります。
例えば、ポンプが故障したらマンションの各階には水が配水されません。
そうすると生活が出来ない為、居住者はとても困ります。
そういったトラブルをいかにスピード感をもって対応するかが重要です!
お客様もスピーディーな対応を求めていますし、そうすることで安心感を持っていただけます。
お客様へ「安心感」を届けることもある意味、管理の仕事であると思います。
忍耐力
マンションは1年を通して通常総会という一区切りがありますが、管理は続きますので、いかに達成感を得るかも重要なると思っています。
また、問題解決が長引くこともあり、悩むこともあるし上手くいかないなと挫折しそうになることもあるかもしれません。
モチベーションを保つためにどうするかということですね。
ちなみに私はTODOリストを作成して消すことで達成感を得ています。
周囲に相談すること
自分に担当物件が割り当てられると個人プレーになりがちになります。
そこでトラブルが発生したり悩みが生まれたときに自分ひとりで抱えこんでしまうとゴールを見失ってしまいます。
周囲に相談したり、例えば他のマンションの事案を周囲で共有しておいたり、、、社内でのコミュニケーションや連携も必須です。
情報共有をしておくと自分の担当マンションで同じような事案が発生したときに情報を生かせることがあります。
また、時代の移り変わりによりマンションの環境も変わっていきます。
居住者の平均年齢から建物設備修繕内容のグレードアップ、居住者のニーズなどなど、、、
管理会社としてマンションに応じた提案をしていくには一人ぼっちでの活動は限界があると感じます。
マンション管理会社で働くこと
マンション管理会社で働くこと、イメージ出来ましたでしょうか?
もちろん、実際にやってみないとわからないこともあると思います。
マンション管理の奥は深く広く難しいと感じる方もいるかもしれません。
実際に難しいです!日々、悩むし追われるし本当にいろいろなことが起こるのが現状です。
しかし、そんな中でもお客様から感謝の言葉をいただくときは大変嬉しく思います!
全ての管理会社が同じとは限りませんのであくまでも一例として受け取っていただけたらと思います。

松岡佳澄
松岡 佳澄(まつおか かすみ)
2019年入社。
マンションとは無縁の瀬戸内海にある島出身です。
そんな田舎っ子が都会で分譲マンションの管理部門にて勤務しております!
フロント担当として管理組合様の運営サポート・お手伝いが主な業務です。
皆様のお力になれるよう努めて参ります。

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