マンションの寿命はどのくらい?

工藤悠太

 

おはようございます!こんにちは!こんばんは!

ホームライフ管理  リノベーション工事部の工藤です。

 

私はマンションの管理会社として、主にマンション共用部の修繕業務を担当しています。

 

今回の記事では、マンションの寿命について、どのくらいマンションは持つのか?

といったマンションの寿命についてお話します!!

お住いがマンションの方はもちろん!そうでない方もぜひご覧頂けたらと思います。

 

マンションの寿命は68年!? 寿命 耐用年数ではない?

マンションには寿命と耐用年数があり、その2つは意味合いが違ってきます。耐用年数が過ぎたからといってマンションに住めなくなるわけではありませんし、寿命が近づくとマンションは本体の機能を失い、居住者の安全な暮らしを確保できなくなります。

 

建物の寿命とは

鉄筋コンクリート造のマンションの寿命は68年!これは2013年に出された国土交通省の資料によるものです。

マンションの寿命というのは、実際に建物が使用できなくなるまでの年数のことを指しますが、マンションには給水・排水・電気・ガスといった生活に必要なライフラインが多くある為、捉え方はそれぞれです。実際は50年で建て替えられるマンションもあれば、適切なメンテナンスを行うことで100年近くもたせられることも可能だといわれています。

 

建物の耐用年数とは

マンションの耐用年数は、47年とされています。

耐用年数とは、税法上の減価償却の計算に用いられる年数であり、その建物がどれくらい使用でき、どれだけの価値があるのかを表します。

マンションのような鉄筋/鉄骨鉄筋コンクリートの建物は、個別の性能にかかわらず、耐用年数が47年と決まっています。

 

 (※国税庁が税金を計算するために設定しており、住宅用建物の場合は構造によって以下の表のとおり定められています。)

構造 法定耐用年数
木造・合成樹脂造 22年
木造モルタル造 20年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 47年
れんが造・石造・ブロック造 38年

 

 

マンションの寿命に影響を与える要因とは?

マンションの寿命は年数だけでなく、他に寿命を左右する要因は数多く存在します。

ここでは、マンションの寿命を左右する主な3つの要素についてご紹介します。

 

耐震基準

耐震基準とは、地震発生時に建物が受ける影響を最小限にするために、建築基準法で定められている基準のことです。

・新耐震基準は、震度6~7レベルの大規模地震が発生しても倒壊しない構造で建築されています。
・旧耐震基準は、震度5レベルの地震が発生しても倒壊しない構造となっています。

地震大国の日本では震度5以上の地震が発生することも珍しくなく、耐震性能はマンションの寿命を考えるうえで、非常に大事な要素といえます。

日常管理の仕方

定期的な日常メンテナンスの積み重ねもマンションの寿命に影響してきます。

例えば、日常清掃や定期的な修繕業務等、建物の状態や周辺環境に応じた適切なメンテナンスを劣化が進む前に実施することで、マンションを良好な状態に保つことができます。

立地環境

マンションの寿命は、物件の立地条件にも大きく影響します。

365日、日光や風雨に当たり続けているマンションの外壁や屋上面は当然劣化の進行が早く、

特に、海に近い環境では塩害のリスクがあります。
塩害とは、塩分が原因で植物が枯れたり、鉄筋が腐食したりする現象です。

このようにマンションの寿命は、立地条件によっても大きく変わってきます。

 

マンションを長持ちさせるには?

マンションは人間と同じで、年齢と共に劣化をしていきます。

人間が定期的に人間ドックなどの検診を受け、悪い箇所を治療していくのと同じで、

マンションも必要に応じて定期的な検診、いわゆる ”建物劣化調査” を実施することで建物の現状の劣化度を知り、適切な時期に適切な治療を行うことで長生きをするのです。

では、マンションの治療(メンテナンス)とはどういったことを行うのでしょうか。

 

マンションのメンテナンスについて

 

マンションの一番の大きなメンテナンスは「大規模修繕工事」です。

 

 

一般的に大規模修繕工事は12年から15年周期で行われることが多く、劣化した建物に対して必要な補修を加えることで性能及び機能を実用上支障のない状態まで回復させることが可能な工事です。

 

                                (出典 :「改修によるマンションの再生手法に関するマニュアル」(国土交通省))

 

大規模修繕工事の主な内容

・下地補修工事・タイル貼り換え工事

コンクリートやタイルは、経年劣化等によりひび割れや浮き等が発生します。これらを放置すると雨水の侵入によりさらに劣化が進行してしまう為、補修や貼替えを行います。

 

・シーリング(防水材)改修工事

サッシ廻りや外壁のつなぎ目のシーリングは、温度変化や紫外線で経年劣化すると建物内部に雨水や外気の侵入を許すことにつながる為、シーリング材の打替えを行います。

 

・外壁・鉄部塗装改修工事

塗装は建物の美観を良くするだけでなく、紫外線やCO2などから建物を守る効果があります。コンクリートや鉄部等に塗装を施すことで、中性化や錆びの抑制につながる為、建物の経年劣化の進行を抑える意味でも欠かせません。

 

・屋上防水工事

屋上防水は、雨、風、日差し、の厳しい環境にさらされる為、常にケアが必要です。屋上の防水層の劣化は住戸の漏水につながる為、劣化による漏水が発生する前に防水層の種類に合わせた適切な修繕を行います。

 

・バルコニー、廊下、階段床改修工事

バルコニーや廊下の床にも雨水対策が必要です。雨水が建物自体にダメージを与える為、

バルコニーや廊下床面の保護や補修を行います。

 

これらを定期的に行うことでマンションは寿命を延ばすことが可能なのです。

 

 

まとめ

 

マンションの寿命はどのくらい?の答えは、「そのマンションに住んでいる皆様、つまり管理組合の方針次第で寿命は伸ばすことが出来る」です。

 

実は、マンションの管理業務を行っていくうえで、居住者の方からこういった疑問や質問を頂くことはそう珍しくありません。管理組合の方からこのような質問を投げかけられた際、私は組合に対して「逆にこのマンションをあと何年持たせたいですか?」と問いかけます。物理的な寿命ももちろんあるかと思いますが、結局はそこに住んでいる方々がどう思っていて、どのようにしていきたいのか。そこが一番大事になってくると思います。

 

人生100年時代。

 

我々もマンションと同じように定期的なメンテナンスを行いながら、今後の未来について自分自身と向きあってみることも大切かもしれません。

 

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工藤悠太

ホームライフ管理 リノベーション工事部

工藤 悠太(くどう ゆうた)

大分県出身。2022年入社



マンション管理会社の修繕業務を経験し、2022年に中途入社。

現在も前職同様に、マンションの小規模~大規模まで修繕業務を中心に従事しております。

これまでの経験のみならず、皆様のお役に立てる情報を発信して参りますので、是非ご覧下さい!

保有資格:1級建築施工管理技士補

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