こんにちは、テクノ防災サービスの北村です。
今回は【自動火災報知設備】についてご紹介をさせて頂きます。
火災はいつ何時に起こるかわりません。その火災発生をいち早く感知し周囲に知らせてくれるのが、自動火災報
知設備です。
早期発見し、被害を最小限にするために大きな役割を担っている設備です。
今回は自動火災報知設備を動画もあわせてご紹介いたします。
1.【自動火災報知設備】
まず初めに、自動火災報知設備の役割をお話しいたします。
自動火災報知設備とは、熱や煙を感知器が感知して、受信機に火災信号を送ります。受信機は火災信号を受けて
警報を発し、火災発生箇所を特定し、非常ベル等の音を鳴らして建物内にいる人に火災発生を知らせる(報知)設
備です。
火災発生を建物内にいる人に知らせることで、早期避難・初期消火をおこなうことができます。
この自動火災報知設備は火を自動的に消す設備ではありません。あくまでも知らせる設備です。
2.【設備の構成】
自動火災報知設備は、受信機・感知器・発信機・音響装置・中継器・表示灯で構成されます。
ここでは主な機器の受信機・感知器・発信機・音響装置についてご紹介いたします。
①受信機
感知器または発信機からの火災信号を受信し、発生の箇所を点灯・表示させて、ベル等鳴らす。火災信号はこの受信機に集約されます。この受信機は建物の火災信号を取りまとめている、言わば本部のような機器です。多くのマンションでは管理室内に設置されていることが多いかと思います。
どんな設備と連動しているのか?これは建物によって違いますが、一例としまして警備会社に通報、オートロックを開ける等があります。
②感知器
熱、煙、炎を自動で感知して火災信号等を受信機に送る機器です。一般的に天井に取付けてあります。ここでは熱式と煙式をご説明します。熱式には大きく分けて差動式・定温式があり、差動式はリビング寝室に多く取付けてあり、定温式は洗面所、キッチン等の熱がこもりやすい箇所、水場に多く取付けてあります。この差動式と定温式は同じ熱式ですが、反応の仕方が違います。
簡単にご説明いたしますと、
差動式は数秒の内に温度が急激に上がらなければ、反応はしません。住宅内のエアコン等の空調設備で反応することはほとんどありませんので、リビング、寝室等に設置されていることが多いです。一方、定温式は一定の温度になれば反応します。多くのタイプ60℃~70℃で反応します。こちらのタイプは防水タイプで、熱がこもりやすいキッチン、洗面所など水場に取付けてあることが多いです。
煙式はその名の通り、煙を感知して火災信号を送ります。マンションでは共用部に取付けてあることが多いです。
熱式は煙には反応せず、煙式は熱には反応しませんので、注意が必要です。その感知器に適した場所に取り付けることが重要となります。またこの自動火災報知設備の感知器は住宅用火災警報器(電池式)とは違い【消防設備士甲種4類】の資格が必要です。
余談ですが、「部屋の火災感知器が鳴り止まない!」という経験はありますでしょうか?自動火災報知設備の感知器から音は出ないです。感知器は火災発生を受信機に知らせる機器です。天井・壁等に取付けてあり、音が鳴るのは、住宅用火災警報器等の場合が多いです。自動火災報知設備の感知器が作動した場合は建物のベル等が鳴り、住宅用火災警報器が作動した場合は、その感知器自体から音が鳴ります。
③発信機
お住いのマンション、街中の建物で目にした事がある方が多いかと思いますが、建物の通路等にあるウルトラマンのカラータイマーのような赤い設備です。この発信機は感知器とは違い、人が手動で押して受信機に火災信号を送る機器です。タイプにもよりますが、受信機間で電話ができるものもあるんですよ。
ボタン押したことある方は、非常に少ないと思いますが、いたずらで押そうとしても簡単に押せないように固くなっているそうです。(諸説あり?) 間違っても、興味本位で押すことないようにお願いします。決して火災時以外は押してはいけません。復旧操作は受信機の火災信号を復旧しない限り復旧しません。
④音響装置
ベル・ブザー等の音響を発する機器です。火災信号を受信機が受け、音を鳴らします。また建物によっては、お部屋内外のインターホン、サイレン等の場合もあります。
少し専門的なお話ですが、
- 建物全体に鳴動するの→全館一斉鳴動
- 火災発生箇所付近だけ鳴動する→区分鳴動
この区分鳴動でも一定の時間が経過した場合等の条件を満たすと全区域鳴動に変わります。この区分鳴動は建物の規模により採用の可否がありますが、パニックを抑えるためだそうです。
3.【自動火災報知設備フローチャート】
ここでは火災発生を感知してからの流れをご説明させていただきます。
※あくまでも一例ですのでご承知おきください。
火災発生を感知器が自動で感知し、受信機へ火災信号を送ります。発信機は火災を発見した人が、付近の発信機を手動で押すことにより、受信機へ火災信号を送る仕組みです。
火災信号を受信した受信機は建物のベル・サイレン・音声等を鳴らし建物内の人に知らせます。また、連動設備がある場合はそのほかの連動設備へ信号を送ります。
この一連流れは火災感知から数秒で行われます。
4.【自動火災報知設備 作動時】
それでは前項のフローチャート熱感知器作動から火災受信機にて表示確認までを動画でご覧下さい。
こちらの動画では音響装置は鳴動していませんが、原則感知器作動すると音響装置が鳴動します。
また、感知器が作動し、火災受信機表示される箇所の表記は建物によって異なります。例えば、【1階 西側】、【501号室~505号室】など様々です。
慌てずに該当箇所を特定しましょう。
5.【まとめ】
いかがでしたでしょうか。
今回は自動火災報知設備についてご紹介させて頂きました。
自動火災報知設備は多くの建物に設置され、日々火災発生を監視してます。
遠隔試験、自動試験対応の設備もありプライベートの空間にお邪魔せずに点検が出来る優れものもあります。
次回もまた身近にある消防設備等をご紹介していきますので、よろしくお願いいたします。
北村順平
2007年あなぶきクリーンサービス入社
12年間 マンションの清掃設備維持管理の営業を担当、2019年7月からテクノ防災サービスにて、消防設備点検や特定建築物検査の営業を担当
施設管理に欠かせない法定検査になりますので、漏れの無い提案を心がけております。
初めての東京での生活で、休日には東京観光を楽しんでます。
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