株式会社ツツミワークス神奈川支店の中山竜(なかやまりょう)です。
前回鉄部塗装工事の素地調整について、ご説明させて頂きました。
また、前配信者が2021年8月から2022年7月までの1年間にわたり配信を行った『大規模修繕工事準備編から実施編まで』をストーリー仕立てで充実した内容が盛り込まれていますのでまだお読み出ない読者様はぜひ、第一回目のブログ【一体なにからはじめればいいの?】から読んで頂ければと思います。
今回は、防水工事の使用材料ついて、ご説明させて頂きます。
防水工事とは・・・
防水工事とは、雨や雪などの水が建物に侵入することを防ぐ工事となります。雨水等が侵入すると建物の耐久性に影響を及ぼします。また、皆様のお部屋内に漏水するなど、生活にも影響がでてきます。その為、定期的なメンテナンスが必要となります。防水工事は、マンションのバルコニーの床や屋上、様々な場所に施工されます。施工場所や目的に沿って工法を選定し、工事を行っていきます。
防水工事には、アスファルト防水・シート防水・FRP防水・ウレタン防水など様々な工法があります。今回は、ウレタン防水の使用材料について、ご説明させて頂きます。
ウレタン防水
ウレタン防水とは、ウレタンと呼ばれる樹脂を屋上やバルコニーの床などの施工箇所に複数回塗る事で、防水層を形成し、水が建物内に侵入することを防ぐ防水工事となります。硬化後は、ゴム状の防水層を形成し、地震等で建物に動きがあったとしても追従し、ひび割れを極力抑えることができます。
材料の種類
ウレタン防水工事の工法によって、使用材料は様々となりますが、密着工法で使用される材料についてご説明します。ウレタン防水で使用する材料は、主に3つとなります。
プライマー・ウレタン防水材・トップコートの3つです。
プライマー
ウレタン防水工事を施工する最初に塗る材料となります。ウレタン防水を施工する箇所
の下地とウレタン防水材の密着性を高める材料となります。下地の種類によって使用する材料が変わり、コンクリートの下地であれば、通常のプライマーを使用、すでにウレタン防水層が施工されていて、塗り重ねを行う場合には、層間プライマーと呼ばれる材料を使用します。主に1液の材料を使用し施工を行います。
※1液の材料・・・材料を混ぜ合わせる必要がなく、そのまま使用できる材料。湿気等によって乾燥・硬化する材料。
ウレタン防水材
ウレタン防水工事で、主役となる材料です。規定の塗布量を塗り重ねることにより、防水層の膜厚を確保し、防水性能を高める役割のある重要な材料となります。硬化後は、ゴム状の防水層を形成し、地震等で建物に動きがあったとしても追従し、ひび割れを極力抑えることができます。主に2液の材料を使用します。主剤と硬化剤の2つの材料を混ぜ合わせ、施工を行います。2液の材料をする際の注意点としては、規定の混合比率を正確に、混ぜ合わせ施工することとなります。混合比率を間違えてしまうと、硬化不良と言われる現状が発生し、材料が固まらず、しっかりとした防水層を形成することができません。
※2液の材料・・・2つの材料を混ぜ合わせることにより、化学反応によって硬化させる材料。
トップコート
仕上げとなる材料となります。防水層の保護する役割があり、ウレタン防水材自体、紫外線に弱く、トップコートを施工しないまま、放置しますと、変色し硬化が進みます。ウレタン防水材の硬化が進むと伸縮性を失い、防水層のひび割れの原因となります。トップコートを塗装することで、紫外線から防水層を保護することができます。主に2液の材料を使用し施工します。
トップコートの種類
トップコートの種類は大きく分けて2種類あります
アクリルウレタン系・フッ素系となります。
アクリルウウレタン系
伸縮性に優れており塗替えの際のメンテナンスが容易となります。耐久年数は約5年とされています。
フッ素系
アクリルウレタン系と比較すると、汚れや紫外線に強くなっており、遮熱効果も高い為、太陽光から保護ができる特徴をもっています。全体的に性能が優れている為、材料の値段も高くなっています。耐久年数は約10年とされています。
施工手順
- ケレン・清掃(突起物を取り除き、平滑な施工面にする。)
- プライマー塗布
- ウレタン防水材塗布1回目
- ウレタン防水材塗布2回目
- トップコート塗布
まとめ
今回、ウレタン防水の使用材料について、ご説明させて頂きました。ご説明させて頂きました使用材料は、マンションの大規模修繕工事のバルコニーの床などで一般的に使用される材料となります。これ以外にも、伸縮性・強度を高めた材料などあり、ウレタン防水材も日々進化しています。また、工法によりプラスで使用される材料もあります。材料や工法の選定は、どのような場所にどのような目的をもってウレタン防水工事を行うのかがポイントとなってきます。建物の漏水に直結するウレタン防水工事となるため、設計監理者や施工業者と協議・検討し、より良い大規模修繕工事を行って下さい
中山竜
中山 竜(なかやま りょう)
高知県出身。七夕生まれ。
2011年入社。
施工管理12年。マンション改修一筋で努めてきました。
【去年の自分よりも成長する】をモットーに日々学ぶことを大事にしています。
皆様のお役に立てる情報を発信できるよう頑張ります!!
保有資格:1級建築施工管理技士
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