消防設備士とは?

北村順平

こんにちは、テクノ防災サービスの北村です。
皆様は消防設備士という職業があるのはご存知でしょうか?

消防設備点検を行っておりますと、よく『消防設備点検の方』、『防災屋さん』と声をかけれられることがありますが、実際にはどのような資格を持った方が検査をしているのでしょう。

今回は街中の様々な建物に設置されている消防設備を検査することができる国家資格、消防設備士についてご紹介させて頂きます。

1.【消防設備士とは】

消防設備士とはどんな人たち?

消防設備士とは、消防用設備等の点検、整備、工事を行うことができる資格を持った人のことです。

消防用設備とは、学校、病院、工場、百貨店、ホテル等法律で定められた施設には消防用設備を設置する義務、設備を維持する義務があります。有事の際に、作動しなかったりしたら大変なことになります。それらの消防用設備を整備、点検、工事をするのが消防設備士です。

この消防用設備は街中を歩いているだけでも、目にすることが出来ます。

例えば、消火器。自動火災報知設備。

 

左:消火器 右:自動火災報知設備(発信機)

 

 

あとは誘導灯。緑のピクトグラムが目印のこれも消防用設備です。

誘導灯

消防設備士が扱う消防用設備は消火器、火災感知器などの家庭に身近なものから、スプリンクラー設備、避難はしご、泡消火設備など、取得している資格の種類によって扱える消防用設備の範囲が異なります。

 

消防設備士の資格は法律で建物への設置が定められた消防用設備等の整備、点検、工事ができる国家資格です。

2.【資格の種類】

消防設備士の資格は、●甲種特類 ●甲種第1,2,3,4,5類  ●乙種第1,2,3,4,5,6,7類

甲種+乙種 計13種類あります。

第1類ならスプリンクラー、第4類なら自動火災報知設備と扱える設備と業務範囲が異なります。

甲種と乙種は何が違うの?

これは工事ができるかどうかの違いです。

●甲種:消防用設備等又は特殊消防用設備等(特類の資格者のみ)の点検、整備、工事が出来ます。

●乙種:消防用設備等の点検、整備を行うことが出来ます。

【資格区分】

あまり、馴染みのない設備もあるかと思いますが、第●類で扱える消防設備が違ってきます。

  • 特類   :特殊消防用設備等
  • 第1類:屋内消火栓、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備又は屋外消火栓設備等
  • 第2類:泡消火設備等
  • 第3類:不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、パッケージ型消火設備等
  • 第4類:自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備又は消防機関に通報する火災報知設備
  • 第5類:金属製避難はしご、救助袋、緩降機
  • 第6類:消火器(※乙種のみ)
  • 第7類:漏電火災警報器(※乙種のみ)

第6類、第7類に甲種がないのは、第6類は工事が無く、第7類は電気工事士が工事をする為、甲種がなく乙種だけとなっております。

3.【資格取得について

資格取得についてお話しさせていただきます。

消防設備士の資格は前項の●甲種特類 ●甲種第1,2,3,4,5類  ●乙種第1,2,3,4,5,6,7 計13種類あります。  全て取得している方はまさにプロフェッショナルですね。

■受験資格

消防設備士の乙種には受験資格は必要なく、誰でも受験する事ができます。これに対し甲種には、以下の受験資格があります。

※参照☞甲種消防設備士 受験資格

■試験日時

これが意外と重要?だと思っております。なぜか?

地域によって試験回数が違うからです。

例えば甲種第4類を受験するぞ!という時に受験地 東京都を例にします。令和4年5月~令和年5月までの試験回数は10回あります。

次に大阪府。同じ期間(令和4年5月~令和5年5月)で検索しますと、2回しかありません。これは大阪が少ないのではなく東京が多いのです。

他の府県も同様に年に2回程度の実施です。東京は試験回数が多いので、短期間で取得されたい方はには非常に有利となります。

試験に合格すると消防設備士免状が発行されます。

 

■試験内容、難易度

次に試験内容を紹介します。設備士の試験には筆記試験と実技試験があります。

●筆記試験:マークシート方式で4択の選択肢から正誤、適不適を選択する試験。

●実技試験:鑑別・製図があります。鑑別は写真やイラスト等を見て記述式で解答します。製図試験は甲種受験者のみが解答するもので、『未完成図面の作成』、『欠陥および手直し』などがあります。

この製図問題は乙種試験にはありません。また甲種特類には実技試験がありません。

次に合格率です。令和3年4月~令和4年3月の試験結果です。

甲種特類、1~5類が約34%

乙種1類~7類が約37%

 

※参照☞試験実施状況

国家資格としては、比較的高めの合格率でしょうか

受験者数を見ると令和3年時では、第4類(自動火災報知設備等)、第6類(消火器)、第1類(屋内消火栓、スプリンクラー設備等)の順に多いようです。

これらの情報は一般財団法人 消防試験研究センターにて確認できます。興味のある方はホームページをご確認ください。

4.【消防設備士の仕事】

消防用設備等がある建物で整備・点検・工事をするのが消防設備士です。

■ 点検:マンション、学校、ビル、飲食店などに設置されている消防用設備が有事の際に、しっかりと差動するのか、火災感知器の動作確認や、非常警報装置の音の大きさ等を点検をします。

マンションにお住まいの方でしたら、消防設備点検で知っている方も多いかと思います。 各お部屋におじゃまして、天井の火災感知器等を長い棒のようなもので点検している仕事です。

■ 工事:工事は新築、リフォーム、または点検で見つかった不備の機器、箇所の取り替え、増設などを行います。

消防設備点検は年に2回(機器点検・総合点検)あります。年に2回は多いよ。いや、少ない。と考える方がいるかと思います。この消防用設備は一生に一度も使用する機会がないことががベストです。 お部屋のインテリアみたいになっているのがいいですよね。

このように消防用設備は日常的に使用しないので、いざ有事にしっかりと作動するのか点検が必要なのです。

なぜでしょうか?

それは故障していても日常ではわからないからです

例えば日常的に使っている、冷蔵庫が急に冷えなくなったら、あれ?っと思いませんか?スマホがタッチしても反応しなくなったら気づくと思います。

いざという時のためにも点検は大事ですので、消防設備点検時はご協力宜しくお願い致します。

5.【まとめ】

いかがでしたでしょうか。
今回は消防設備士についてご紹介させて頂きました。

消防設備士は建物、消防用設備がある限り存在し続けます。

独学で資格だけでも十分取得は出来ますので、ご興味を持った方は是非検索して見て下さい。

今回はこれで終わりになります。

それではまた次回も、消防設備などについてご紹介していきますので、よろしくお願いいたします。

 

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北村順平

テクノ防災サービス 北村 順平(きたむら じゅんぺい)
2007年あなぶきクリーンサービス入社
12年間 マンションの清掃設備維持管理の営業を担当、2019年7月からテクノ防災サービスにて、消防設備点検や特定建築物検査の営業を担当
施設管理に欠かせない法定検査になりますので、漏れの無い提案を心がけております。
初めての東京での生活で、休日には東京観光を楽しんでます。

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