みなさんこんにちは、年末孫に会うのを楽しみにしている福田です。
突然ですが、マンションとCO2(二酸化炭素)って意外な関係性があるんです。
今回はそんなマンションとCO2の関係性を簡単にご説明します。
目次
- マンションとCO2の関係性
- CO2に強いマンションにするためには
マンションとCO2の関係性
日本はヨーロッパなどと比較すると地震が多い国なので、建物にヒビが入ったり、外壁のタイルが落下したり…と心配なことがたくさんありますよね。
意外かもしれませんが、地震の影響以外に、大気中のCO2がコンクリートをいじめている(劣化させている)ことをご存知でしたか?
コンクリートがCO2に触れるだけで、強アルカリ性のコンクリートが酸性化(コンクリート中性化)していき、その状態がだんだん進行していくと、内部の鉄筋まで錆びてしまうことになります。
鉄筋が錆びたら大変ですよね。
鉄筋コンクリートのマンションは、コンクリートと鉄筋が合体して強固な構造をしています。
その鉄筋が錆びてしまったら、いくらコンクリートが頑張っても、鉄筋はコンクリートから外にはみ出してしまい、結果マンション(建物)は弱くなってしまうのです…
地震の発生は防ぐことはできませんが、コンクリートをCO2から防ぐ方法はあるんです。
CO2に強いマンションにするためには
CO2からコンクリートを守って(保護して)あげる。
要するに、CO2がコンクリートに触れないようにしてあげることが重要です。
そのためには、時々私たち人間みたいに健康ドッグに入って診断する。これが、「建物劣化診断」です。
さて、この「建物劣化診断」って誰がどこに頼むかご存知ですか?
戸建の場合は、世帯主ご本人で業者に依頼をする必要がありますが、賃貸マンションの場合はマンションオーナー、分譲マンションの場合は管理組合が「建物劣化診断」をプロに依頼します。
わたしたち人間、人間ドックの場合は、結果が思わしくなかったら即入院となりますが、マンションの場合は人間ではないので即入院とはいきません。
入院はできないので、まず悪いところを早めに直す必要があります。
人間の病気を治すのと同様に、マンションの悪いところを直すのにもお金がかかります。
その為に費用を積立しておく、これが「修繕積立金」です。
CO2だけでなく、そのほかの様々な要因からマンションは劣化していきます。
マンションの管理組合は、建物の診断をプロに依頼し、その結果をもってできれば早め、早めの対策を講じる。
病気と同様に、「早期発見、早期治療」が必要です。(もちろん、十数年に一度、大規模な修繕工事も必要になります。)
みなさんのお住まいのマンションはきちんと診断を受けていますか?
みなさんが毎日暮らしているマンション、悪いところはないか、一度お部屋以外のところも気にかけてみてくださいね。
福田 純行
前職の設計事務所時代に手掛けた設計・監理物件は北海道は北見市から南は長崎の佐世保市まで。今となってはとても懐かしい。現在は主にマンションの大規模修繕工事に関するコンサルティング(大規模修繕工事の改修設計・長期修繕計画(案)の作成等)を担当。人が住むマンションのストーリーを一つずつ守るのが役目です。
目指せ、「チェンジ・ザ・ワールド」・E.クリプトン・・・・グルーブな仕事を
皆さんのために。
有資格:一級建築士
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