いつも元気にほがらかに、現場監督の河野です。
マンションやホテル・ビルの外装工事では、大きな音や振動が、皆様の生活に騒音として、ときには不快な音として工事音をお届けしてしまっています。
工事期間中は騒音等でご迷惑をおかけいたしております。
今回は、皆様に騒音としてご迷惑をおかけしている騒音・源をハンティングしてきました。
目次
- 建物等における修繕工事の騒音
- 潜入調査
- どこまでひびく工事音
- まとめ
建物等における修繕工事の騒音
マンション生活を長く経験されていると、10数年に一度、 主に建物の外装である共用部分の修繕工事に遭遇することとなります。
また、築20年を過ぎようとすると、専有部分のリフォーム・リノベーション工事に対面・体験する機会が出てきます。
その際、ご入居の皆様・ご近隣の皆様にご迷惑・ご負担をおかけすることになる 『騒音』について紹介いたします。
みなさまが気になっている、あの『騒音・源』!!
現場監督の河野が、皆様が『騒音』と感じているように思われる大きな音⇒音源をピックアップハントしてみました。
工事を進めていくにあたって、聞こえてくる騒音源!
マンションの改修工事現場をのぞいてみましょう。
1 足場工事
建物の外装工事を行う際に必要となる安全作業のための足場を組み立て・解体する作業
・壁つなぎ取り付け時の壁面穿孔ドリル音(足場が倒壊しないように建物の躯体に取り付けます)
・職人(鳶)の掛け声・合図(重い部材を上げ下す際に安全作業・気合注入を行い、周囲を確認し意思伝達をはっきり確認します)
・足場の部材と部材を取り付けるはめ込み音(部材を緊結・はめ込みます)
・レッカーによる足場部材を荷揚げ・荷降ろしする際にパワー出力する際のエンジン音(重いものを吊り上げるために必要なパワーを出力します)
2 タイル工事
建物の外装に使われるタイル劣化部の修繕工事
・外壁のひび割れたタイルを張替え撤去するために切込みを入れる電動カッターによる切り込み音(劣化部(ひび割れ・浮き等)の剥ぎ取りしやすくするために切れ込みを入れます)
・電動ピックによる打撃音(建物に張り付いたタイルをはがし取ります)
・アンカーピンエポキシ樹脂注入によるドリル穿孔音(タイルが剥落しないようにボンドを流し込むために開けるために建物に穴をあけます)
3 解体工事
リフォーム・リノベーションをする際の既存の建物部材の取り壊し作業
・お部屋うちを解体する際に聞こえてくる解体音(部材を取り外します)
4 美装工事
・高圧水機械洗浄の機械エンジン音(外壁の汚れを洗い落とします)
・お掃除・片付けの掃除機音(工事時に発生した粉じん等を片付けます)
5 そのほか工事
・などなど、人が動く・物が動く折には音が伴うものです
・高所作業車やレッカーのエンジン音、ガードマンの安全誘導発声
潜入調査
スマートフォンなどの無料騒音計測アプリなどを使って、工事騒音でもっとも騒音となっている工事音が何か測定してみました。
現場監督河野による騒音量をランキング形式で予想してみました。
※数値データとして測定しております。騒音となっている音源を直接測定してきておりますが、実際に体感される音とみなさまが不快にランキングとは相関がございませんのでご容赦ください。
工事音が小さい作業 主観的 予想ランキング
■足場工事■タイル工事■解体工事■美装工事■安全活動
①足場組立壁つなぎドリル音 → 76dB
②床の解体作業音 → 74dB
③木材ドリル穿孔音 → 71dB
④ユニットバス解体作業音 → 79dB
⑤木下地解体作業音 → 78dB
⑥ユニットバス清掃音 → 71dB
80dBは超えないものの、室内での工事音は反響等もあり、大きく感じました
その他、
・ひび割れタイルのカッター切り音
・ひび割れタイルの剥ぎ取り電動ピック音
・アンカーピン挿入のための穿孔音
・外壁の汚れを高圧水で洗浄する際の機械エンジン音
・朝礼の際の挨拶音
・エレベーターでの挨拶音
・終礼の際の挨拶音
それでは騒音量ランキング集計結果です
お部屋のリノベーション工事におけるユニットバスの浴槽を破断する解体音が79dBでもっとも大きな音を発していました。
測定しました結果、主にお部屋うちでの解体作業音が上位を占めますが、どの音も70~80dBの測定結果を確認しました。
また、足場の固定作業壁つなぎのためのドリル音は、お部屋うちで作業員と壁をはさんで隣り合う際は大変な騒音となります。
時間的には短時間です(1箇所20秒ほどで穿孔は終わります。騒音源はすぐに上階へと移動してまいります。壁の向こうでは、危険と隣りあわせで、安全作業を行っています。)
安全活動では、朝の朝礼時のミーティング活動では控えめな発声dBですが、帰りの挨拶は元気よくデシベルを上げて帰りたいものです。
ちなみに安全朝礼はこんな感じです
あたたかく安全活動を見守っていただくと作業員は、はりきっていい仕事ができます!皆様のご理解と声援をお願いいたします。
どこまで響く工事音
とあるお部屋で発生する工事音ですが、どこまで響いて聞こえているのか追跡してきました。
まずは工事音源とあるリノベーション工事における601号室の部屋内での作業状況・・・79dB
下の階では⇒501号室前・・・77dB
そのお隣のお部屋うちでは⇒502号室・・・74dB
もう一フロア降りて401号室前・・・68dB
もう一フロア降りて301号室前・・・66dB
まとめ
ということで、今回、マンションライフ大規模修繕工事における騒音・源をご紹介させていただきました。
工事音源から離れるとひびき伝わる音は小さくなるものの、やはり伝わってくるものでした。
工事音源がどのような作業をしているのか、わからないと不快になるばかりです。快適なマンションライフのために気になる工事音を紹介させていただき、皆様に少しでもご理解を得られたらと思います。
そのほか気になる騒音ありませんか?
この騒音計測アプリさえあれば、あの気になる音を現場監督の河野が測定ハントしてきます。
お気軽にお問い合わせください。
それでは、また、お会いしましょう ご安全に!!
河野通明
分譲マンションの新築工事の現場監督から、管理組合運営のサポート業務を行うフロント担当を経て、現在はマンション大規模修繕工事の現場管理に携わっております。
管理組合運営業務に携わった経験を活かして、安心・安全の工事に努めます。
保有資格:1級建築士・1級建築施工・土木施工・管工事施工管理技士・マンション管理士・維持修繕技術者・管理業務主任者
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