マンションで水漏れが発生した時に役立つ保険“水濡れ原因調査費用補償”について

後藤隆史

おはようございます。あなぶきセザールサポート保険担当の後藤です。

みなさんがお住まいのマンションの管理組合が加入している共用部火災保険にはさまざまな補償が特約で付保されております。
今回はその特約の中のマンション内で水漏れ事故が発生した場合に申請する“水濡れ原因調査費用補償”について紹介します。

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目次

  • どんなことを補償するのか?
  • 補償とならないもの
  • 支払限度について
  • 特徴がある保険会社
  • まとめ

 

どんなことを補償するのか?

一言でいえば「水漏れの原因箇所を特定するための補償」です。

水漏れが発生した場合には水漏れの原因場所を特定する必要があります。
被害を受けたお部屋の方が管理会社に連絡していただいた後、専門業者を手配し被害箇所の調査を行います。

原因が上階の方の不注意(例えば洗濯機のホースが外れたことが原因など)の場合は特定が簡単ですが、給水管・給湯管・排水管などの床下などにある配管が原因だった場合には床面を剥がすなどの作業が伴い特定が容易ではありません。そして当然費用も発生します。

その費用の補償をするのがこの“水濡れ原因調査補償”です。
床面を剥がして原因箇所を特定し、剥がした床部分の復旧(点検口にするなど)までが補償となります。

 

補償とならないもの

気をつけなければならないのは水濡れ原因調査費用補償は上記の説明のとおり原因を特定するための補償であるため、水漏れの発生場所の復旧費用は対象外であり、保険金が支払われません。

さらに被害を受けたお部屋の復旧費用もこの水濡れ原因調査費用は対象外であり、各お部屋の居住者が加入しているまたは管理組合共用部火災保険の個人賠償責任保険の補償範囲となります。

 

支払限度について

水濡れ原因調査費用補償には支払限度があります。

ほとんどの損害保険会社の商品では1事故かつ1契約ごとに100万円が支払限度となっています。(長期契約の場合には1年ごとに100万円が支払限度となり、5年で100万円ではありません。)
支払限度が決まっているため水漏れ事故が多いマンションでは1事故の支払保険金額が多額になってしまった場合、支払限度を超えた後の事故については補償されなくなってしまいますので注意が必要です。

みなさんがお住まいのマンション内での水漏れ頻度と併せて水漏れ原因調査費用の限度額も確認してみてはいかがでしょうか。

 

特徴がある保険会社

支払限度についてほとんどの損害保険会社の商品では1事故かつ1契約100万円が限度と紹介しましたが、あいおいニッセイ同和損害保険の家庭総合保険(マンション管理組合用プラン)では、この水濡れ原因調査費用補償の支払限度額を数パターン設定することができます。

設定限度額は「50万円」「100万円」「300万円」の3パターンで過去に発生した水漏れ事故件数などを勘案して設定することができます。

 

まとめ

今回はマンション内で水漏れ事故が発生した場合のほとんどのケースで申請する水濡れ原因調査費用補償について紹介しました。

管理組合理事役員の方でご自身のマンションで水漏れ事故発生件数が多くある場合には支払限度額が設定できる保険会社への切り替えをすることにより管理組合の大きな支出を抑えることができるかもしれませんので、一度契約内容を確認してみてはいかがでしょうか。

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後藤隆史

あなぶきハウジングサービス 後藤隆史(ごとうたかし)
北海道出身。管理組合様用火災保険の提案や管理委託契約書の作成、各種設備点検の発注業務を行っています。
フロント担当者の経験を生かし管理組合様の費用負担軽減ができるような火災保険の更新提案や各種設備点検項目の見直しなどを目指しています。少林寺拳法有段者(小学校2年生からやっていました)。火災保険や点検項目の見直しの際にはぜひとも御用命ください!
保有資格:管理業務主任者・宅地建物取引士
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