あなぶきハウジングサービスの生山です。分譲マンションを初めて賃貸で貸し出すときに必要となるのが、“貸し出し前リフォーム”です。
この貸し出し前のリフォーム内容は業者さん任せにしてはいけません。今回は貸し出し前リフォームで失敗しないための注意点をご紹介します。
その前に、分譲マンションを初めて貸し出す方、「これから貸そうかな…」と考えている方は、まずコチラ記事を読んでみてくださいね。
→分譲マンションを貸す時、知っておきたい5つのポイント!
貸し出し前リフォームとは
“お部屋を賃貸に出して家賃をもらう。”これは商売をすることと同じです。
今まで自分たちが住んでいたお部屋をリフォームして「商品」にする必要があります。この商品にするためのリフォームが貸し出し前リフォームです。
プロによるリフォームを行う
「きれいに使っていたし、きれいに掃除したから、このまま貸せるんじゃないか…」
と思うかもしれませんが、プロによるハウスクリーニング・リフォームを行う必要があります。
ついつい自分のお部屋ですから、「今のままでも十分きれいだ!!」と思ってしまいますが、プロにピカピカにしてもらいましょう。後々のトラブル防止のためにも絶対に必要です。
賃貸でお部屋を借りたことがある人ならピンとくるかもしれませんが、借りるときに、“敷金よりハウスクリーニング代(室内の美装代ともいいます。)を差し引いた残額を返金する”という内容で契約をすることが多いです。
解約のときは、借主からプロによるハウスクリーニング代をいただくわけですから、当然契約のときもプロによるハウスクリーニングが必要ですよね。
見積り取得の注意点
では、「プロによるリフォームが必要」といっても、どんな工事が必要なのか分かりませんよね。
賃貸に出すことが決まったら賃貸管理会社も決まっていることと思います。
(管理会社が決まっていないときは、まず管理会社を決めましょう)
最初の見積りは賃貸管理会社に依頼するのがよいと思います。見積りを貰うときに
「絶対リフォームが必要な項目…○」
「できればやっておいた方が良い項目…△」
「やったら家賃が上がる項目…◎」
といった感じでリフォームの重要度を聞いておきましょう。
何も言わなければ必要以上のフルスペックなリフォームをさせられてしまうかもしれません。本当に必要な項目は何なのかを把握しておきましょう。
見積りはできれば2~3社取得したほうが良いと思います。賃貸管理会社以外思い当たらない方はマンションの管理会社(掲示板等に管理会社の連絡先が掲示されていると思います)に相談してみてください。
見積りを出してくれたり、業者を紹介してくれるかもしれません。
後ほど「まとめ」でご説明しますが、賃貸管理会社よりマンション管理会社経由で工事したほうが何かとスムーズかもしれません。
床材を変更するときは要注意
「床材」というのはフローリングやカーペットのことです。
床材を含むリフォームがある時には注意が必要です。
分譲マンションでは管理規約によって床材の基準が決められていることが多いからです。
カーペットの物件にフローリングを張ってはダメとかフローリングを張り変えるときは遮音基準がL-45以上のものでないとダメとかいった基準です。工事したあとに規約違反が判明すると、工事をやり直す(莫大なリフォーム代が掛かる!!)という最悪のケースも想定されます。
あと床材がカーペットの物件は何かと不人気です。内見する前から「カーペット物件はNG!」という方もいます。(個人的には何がそこまでイヤなのか分かりませんが…)
現状カーペット物件で規約等でフローリングに張り替えてもOKならフローリングにしておくべきだと思います。
カーペットは家具跡、汚れが付きやすく入居者が入れ替わる度に張替が必要になることもあります。
床材としてはクッションフロアやウッドタイルというものもありますが、分譲マンションでは殆どの物件でこれらを居室の床材にするのはNGだと思います。
フローリングの上にクッションフロアや薄いウッドタイルを張る、という裏技もありますが、その分、床が厚くなるので建具と干渉しないか等、十分にプロに判断してもらいましょう。
(上張りが可能ならクッションフロアはコストも安くデザインも豊富なので賃貸に向いていると思います)
工事申請が必要
分譲マンションはリフォームを行う際に工事を届け出て許可をもらう必要があります。許可されるまでの日数も勘案して申請を出しましょう。賃貸管理会社やリフォーム会社はこのことを把握していないかもしれません。工事をする前にはマンション管理会社(もしくは管理員さん)に確認しましょう。
クロス張替のポイント
リフォーム屋さんに何も注文しなければ白い壁紙になりますが、一部、アクセントクロス(ポイントクロス)というものを張ってみましょう。
壁の一面や梁、柱など部分的に使うことでお部屋の印象がガラっと変わります。部分的であれば値段もほとんど変わりません。内見したときにも印象に残りますのでおススメです。(やり過ぎると逆効果になることもありますので…)
冷蔵庫置き場のクロスは電気焼けしやすく、貸主の負担で張替が必要になることもありますので、焼けても分からない暗い色のクロスにしておくといいかもしれません。他にも洗面台周りのクロスは水で傷みやすいので、耐水性のあるクロスをの方がいい、など部分部分で張り分けた方がよいと思います。
まとめ
貸し出し前リフォームは今まで住んでいたお部屋を商品にするためのリフォームです。
「賃貸だからこれくらいでいいか…」
ではなく自分が借り手の立場になって、それで納得できるか考えてみましょう。
分譲マンションをリフォームするときの特性として、①床材の規制確認、②届出と許可があげられます。事前に十分に確認してから行う必要があります。マンション管理会社にこまめに確認を取りながら行いましょう。(その点ではマンション管理会社、もしくはマンション管理会社が紹介してくれた業者がリフォームを行うほうが何かとスムーズにことが進むかもしれませんね。)
生山 亨
分譲マンションの管理担当(フロント)を経て賃貸仲介・賃貸管理・売買仲介・総務業務を経験。長年やってきた賃貸業務、中でも特に空室の改善、対策は得意分野です。現在は、あなぶきスペースシェアにおいて宿泊事業・マンスリー事業を行っています。
保有資格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者
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