こんにちは福田です。あと東京オリンピックまで3年と9か月になりましたが、会場の選定等でいろいろと不安材料がありますが、今回の東京オリンピックは是非成功させていただきたいですね。少し心配です。 さて、今回はストック型社会の中での分譲マンション大規模修繕工事の在り方について感じたことをお話ししたいと思います。
- フロー(流れ)に対してストック(蓄え)
- フロー型の特徴
- ストック型の特徴
- まとめ
フロー(流れ)に対してストック(蓄え)
建築という行為のなかで、フロー型とは、建てては壊し、また建てては壊すことになりますか?ね。そして、ストック型とは、一度作った建築を繰り返し修繕しながら使用することでしょうか。
フロー型の特徴
特に新興国がそうであったように経済発展のためには建築行為は必要なものですね。人口が増え、学校、病院、役所、市民ホール、劇場、商業施設、住宅等どんどん建築していかなければなりません。その建築行為のなかで、まだ修繕すれば使用できる建物も同時に解体され再構築されてきました。こんな繰り返しの中で経済が発展してきました。 フロー⇒大量生産・大量消費型の社会 ですね。
ストック型の特徴
社会が次第に熟成してくると、環境や省エネ、資源等に関して問題となるようになりました。限りある資源も大切にしなければなりません・・・地球規模で問題になりつつありますね。「古くなったら壊す」から「ずっと長持ちする家をつくり大切に使い続けていこう」へ変わりつつあります。 コンクリートマンションの骨組みは10~12年毎の大規模修繕工事で補修を行い、専有部は「リノベーション」や「リフォーム」でリユースしようという社会がすでに出来上がりつつあります。ここで大規模修繕工事は重要な役割を担うことになります。適切な計画修繕を行うことで建物を良好な状態に維持していくことが必要になってきます。
賃貸マンション業界でも質の良いコンクリート構造のマンションが増えつつあります。「いいものを作り、長く大切に使う」・・・2009年に施工された長期優良住宅の100年住宅政策まだまだ認定住宅の数は多くはありませんが、いずれはマンション市場を占める割合も増えることでしょう。
ここで参考に以前のブログも是非見てくださいね。
(→マンションの修繕で豊かな人生が送れる?)
まとめ
世界最古の木造建築物は奈良にある法隆寺(西暦607年建立)だということご存知ですか?千年以上の月日がたってもそんな千年の経年劣化を感じさせません。五重塔(高さ31.5m)よりも高い七重塔が存在していたこともわかっています。木造建築でも千年以上の耐用があるんですね。もし完全に燃えない木造建築物があったら、今、日本中が木造住宅であふれていることでしょうね。木材は加工しやすく増築・移築が簡単にできます。奈良の五重塔の構造形式(心柱&やじろべ)を見習えば簡単にタワーマンションは可能でしょう。木造建築物のタワーマンション?ありえない話でしょうか? はじめから解体、移築を考慮した木造ユニットを使用した住宅建築はいずれ可能になることでしょう。また、合成木材、曲がる鉄筋コンクリートの混在した構造体のマンションが出現する時代がくるのもそう遠くはないと思います。 将来のタワーマンション・・・日本中に五重塔型木造タワーマンションが立ち並ぶ光景が見えてきたところで今回のお話は終わりにしましょう・・・。
福田 純行
前職の設計事務所時代に手掛けた設計・監理物件は北海道は北見市から南は長崎の佐世保市まで。今となってはとても懐かしい。現在は主にマンションの大規模修繕工事に関するコンサルティング(大規模修繕工事の改修設計・長期修繕計画(案)の作成等)を担当。人が住むマンションのストーリーを一つずつ守るのが役目です。
目指せ、「チェンジ・ザ・ワールド」・E.クリプトン・・・・グルーブな仕事を
皆さんのために。
有資格:一級建築士
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