家庭用 小規模倉庫・物置について

河野瑞

皆さんこんにちは。株式会社ヨコイ、外構デザイン事業本部・営業課の河野です。
ブログを通じて役立つ情報を発信、紹介できればと思っています。

今回は小規模倉庫について紹介していこうと思います。

 

~小規模倉庫とは~

まず初めに、小規模倉庫とはどのような倉庫のことを指すのか紹介していきたいと思います。

2022年度版「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」という一般財団法人建築行政情報センターから発行されている本に小規模な倉庫について定義されている内容が以下になります。

・土地に自立して設置する小規模な倉庫(物置等を含む)のうち、奥行きが1m以内のもの又は
高さが1.4m以下のものは、建築物に該当しない。

(出典元:2022年度版 建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例)

上記の文章の解説をまとめると、小規模倉庫とは以下の条件に当てはまるものになります。

1. 小規模な倉庫は物置を含めるものとする。
2. 外部から荷物の出し入れを行うことができる。
3. 内部に人が立ち入らないものであること。

この3つの条件を満たすものが小規模倉庫を指すようになります。

 

~小規模倉庫のメリット~

次に、小規模倉庫のメリットについて紹介していきたいと思います。

建築物に該当しない。

本来、倉庫(物置も含む)は建築物の為、設置する際には建築確認申請が必要となります。しかし、平成27年の国土交通省の通達により、先ほど紹介した3つの条件全てに該当する場合、建築物として該当しないものとなりました。これにより建築確認申請が不要となり、建蔽率容積率に算入されなくなっています。

ただし、小規模倉庫の幅、面積及び連結型等の取り扱いなどの具体的な適用の判断については、申請する審査機関に確認が必要になるため、各都道府県で小規模倉庫としての取り扱いの基準に違いがありますし、同じ県でも市が違えば条件も変わってきたりもします。

小規模倉庫について自分が実際に確認したときにあった例として、
一つ目は、小規模倉庫のサイズです。
基本的には、「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」の中に記されているものを基準とするところが多く、一部では倉庫の幅、奥行き、高さすべてが設定されているところもありました。また、奥行きかつ高さの指定があるところもありました。(※1)違いとしては「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」の場合は奥行き又は高さなので、奥行きか高さのどちらかが範囲内であれば常識の範囲であるならば片方には制限がかかりませんが奥行きかつ高さの場合、奥行きと高さ両方を範囲内に収めければならないという違いがあるため注意が必要です。

(例)奥行きが1m以内、高さが1.4m以下の設定で下記の条件の場合

~奥行き又は高さの場合~

高さは2mと範囲より高くなっているが、奥行きは1m以内なので条件を満たしている。

 

~奥行きかつ高さの場合~

奥行きは1m以内に収まっているが高さが1.4mより高くなっているため、条件を満たしていない。

(※1)奥行き又は高さと奥行きかつ高さの違い

 

二つ目は、同一敷地内に二台以上設置する場合と連棟で設置する場合になります。
同一敷地内に二台以上設置するのは可能であるか聞いたところ、設置できるという回答と設置できないという回答をいただきました。設置できる方の回答理由については、「小規模倉庫は建築物に該当しない為、同一敷地内に複数設置が可能である。」(※2)ということでした。逆に設置できない方の回答理由としては、「複数設置する場合、小規模倉庫の「小規模」の部分に抵触する可能性があるため複数設置はできない。(二台目からは建築物扱いとなる。)」(※3)ということでした。小規模倉庫というものをどのように捉えているかによって見解が変わってくことを学びました。

(※2)小規模倉庫は建築物に該当しない為、同一敷地内に複数設置が可能な場合

 

(※3)小規模倉庫の「小規模」の部分に抵触する可能性があるため複数設置ができない場合

 

同一敷地内に連棟設置をする場合も同様の回答をもらいました。
ただし、連棟設置ができると回答されたところでも、

・倉庫同士をくっつけるのでは無く、背中合わせにする程度であれば可能。

・原則として倉庫同士を固定せず、壁などの隙間を塞がず、それぞれが個別に独立していることが条件。

・各倉庫が別棟(物理的な接点が無い)でかつ、各々に対して小規模な倉庫の条件を満たしている場合

・倉庫同士を連結又はくっつけることは可能であるがその状態で倉庫の壁をくりぬいて使用するようなことが
あれば建築物として判断される為、あくまで個々の倉庫としての使用にとどめること。

など、細かな条件の違いがあり、小規模倉庫を設置する際の注意点として勉強になりました。

 

ちょっとしたスペースに設置が可能

「ちょっとした」と言っても「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」や各県、市町村で定められている建築物に該当しない範囲分のスペースは必要になります。
例えば、住宅では庭や駐車スペースに、マンションやアパートでは各管理組合などに許可は必要ですが、ピロティ内や空き駐車場又は現在は使われていない空きスペースなど、普段は使用されていないスペースに小規模倉庫を設置してみてはどうでしょうか?

 

~おわりに~

いかがでしたでしょうか?
小規模倉庫について少しでもお役に立てていれば幸いです。
家の中では置き場所に困っているゴルフバックやスケートボードなどの長物や、ヘルメット・ラジオなどの防災グッズ又はテントやランタンなどのキャンプセットを保管する場所として活用してみるのも有りかもしれませんね。
今後も皆様のお役に立てるような記事を発信できるように頑張りたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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河野瑞

㈱ヨコイ 
外構デザイン事業本部 営業部 営業課
河野 瑞(かわの みずき)
徳島県出身。 2021年入社。

入社時は、パーキング事業部製造課(現在の生産本部製造課)で立体駐車場の製造をしておりました。2024年7月から外構デザイン事業本部営業課にて、小規模倉庫の提案等をしております。
皆様に少しでもお役に立つ情報をできれば幸いです。
よろしくお願いします。

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